携帯版モンスターファーム、涙の?「開発苦労話」(2/2 ページ)

» 2005年02月18日 12時18分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
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 哀れ、その新人社員はカメラ付き携帯がごっそり入った袋を押し付けられ、街をさまようことに。戻ってきた社員は「携帯カメラでパシャパシャ写真を撮っていると、子供が僕を指差してくるんですよ」と訴えたという。

 「でも、携帯の新機種が出ると『また行って来い!』と」(笑)

 ある時は、コンビニで売っているペットボトルやカップ麺を写すと、モンスターが出るようにしたいな……と考えたと伊藤氏。そこで、ペットボトルなどをごっそり買っきてオフィスに持ち込んだという。

 「量を減らした状態で撮っても上手くいくか、確認したいからこれ全部飲んで! と」

 社員のさまざまな協力を得て、開発は続けられたという。

Photo  

 モンスターファームPOPでは、特定の物を撮影すると“レアモンスター”が登場するという、遊び心ある仕掛けが隠されている。テクモの別のゲームのパッケージを撮ると、そのゲームにまつわるモンスター(キャラ)が誕生する……といった具合だ。

 なぜ、そこまで細かく撮影対象を認識できるのか。伊藤氏は「実は、色彩工学を勉強していた人間が社内にいて実現した。“色の重心”とか“RGBの分布が……”とか説明してくれたが、僕には理解不能だった」(笑)

 ゲームのパッケージは、例えば太陽光にさらされて色落ちしたぐらいなら、問題なく同一画像と認識できるという。「光が映り込んだりすると認識されない場合もあるが、何度か試せば上手くいくはず」

 同技術は、現在特許出願中だという。

配信後も、慌てる開発陣

 苦労の末、世に出たモンスターファームPOPだが配信後にもうひと騒動あった。予想より「売れた」のだという。

 「こちらもサーバが落ちないよう、準備はしていたが……。予想を上回るアクセスで、厳密には落ちていないが当初『10人のうち8人はアクセスがNG』という状況も生まれてしまった」

 クレームが相当数届き、現場ではログを見て慌ててサーバのカスタマイズをするという状況だったという。

 ともあれ、同ゲームは順調にユーザーを獲得し、開始から半年で累計5万人にプレイされている。携帯ゲームとしては、成功例の1つだと伊藤氏は胸をはる。

 テクモの常務取締役、安田善己氏はモンスターファームPOPはさらに進化すると話す。

 「モンスター数を増やすのは基本だが、ほかに関連するアプリもリリースしている。アドベンチャーゲームをクリアすると、新モンスターを追加できるといった具合だ」

 家庭用ゲーム機のモンスターファームでは、ユーザー同士が自分の育てたモンスターをメモリーカードで持ち寄って、対戦するといったイベントも開催していた。安田氏は、同様のことを携帯プラットフォームでも実現したい考えだ。

 「携帯でも、ユーザー間の対戦を検討している。モンスターファームで、1つのコミュニティを形成したい」

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