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2005/03/01 03:49 更新

アジア オンラインゲーム カンファレンス2005:
ディストリビューターとしての責務と構想

2月28日、3月1日に開催されている「アジアオンラインカンファレンス2005」。4Gamer.netやBB Gamesを運営するビービー・サーブ代表取締役副社長の国枝信吾氏が、同社の今後の展開と、ディストリビューターとしての構想を語った。

オンラインゲームにおける「流通機能」の重要性

 「オンラインゲームはここ数年で飛躍的にタイトルが増えた。だが、コンテンツが多様化する中で、ユーザーがどのタイトルを選べば良いのか?どんなタイトルがあるのか?といった問題にはこれまで触れられずにきたように思う。」とビービー・サーブ代表取締役副社長、国枝信吾氏は語った。

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ビービー・サーブ代表取締役副社長 国枝信吾氏


 コンシューマとオンラインゲームの流通には違いがある。ゲームメーカー→流通倉庫→物流網→小売店→エンドユーザーと流れていくのがコンシューマである。一方、オンラインゲームパブリッシャー→ビービー・サーブ(例)→エンドユーザーとなるのが、オンラインゲームの特徴だ。

 ビービー・サーブは、同社が持つ「BB Games」「4Gamer.net」「ネットカフェ事業」「投資開発『#8』」を使って、そんな「流通」の問題に取り組むつもりだ。それはなぜか?「オンラインゲームビジネス加速装置(アクセラレータ」としてビジネス基板の確立を行う、というのが狙いだという。

 とは言え、これを行うためには、市場動向を把握し、効果的、効率的にコンテンツを流通させる必要がある。では、具体的には先に挙げた4つの要素を使い、どのように流通を行っていくつもりであるかを見ていこう。

 まずBB Gamesだが、国枝氏はこれを課金ゲートウェイ事業と呼んでいた。オンラインコンテンツをユーザーへと提供、課金の決済にはBB‐IDキーを利用し、なおかつメーカーが行うプロモーションも代行しているのが特徴だ。現在の取り扱いタイトル数は26である。

 そんなBB Gamesの今後の展開を国枝氏は、「Yahoo!BBとの連携強化、4Gamer.netとの連携強化、BB Games会員向け特典などの拡充、決済手段の拡充、取扱タイトルの拡充」という5項目を挙げ、効率的なオンラインコンテンツの流通を目指すと述べた。

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新規タイトルや人気タイトルはもちろん、システムメンテナンスといった情報も手に入りやすいように配慮が行われている


 次に4Gamer.netだが、こちらは国内最大級のPC&オンラインゲームサイトとして運営されている。オンラインゲームの成長が著しい昨今、2年前と比べ読者数は倍となっているという。また、昨年12月に黒を基調としたサイト構成を白に変えたことが、幅広い読者、特に女性への訴求に繋がったとのことだ。

 4Gamer.netの役割としては、Webメディアとしての情報の集約が挙げられた。公式サイトだけでは、個々に情報を発信できても、多くのユーザーには行き渡らないことが多く、「情報の流通」という意味では大きなロスが生じている。熱心なファンであればともかく、情報を自分から探そうとしないライト層には行き届かない現状を、情報が集約されることで、「情報の検索」を楽にしようという考えだ。

 また、「情報が集約されるということは、すなわち『情報の流れ』がスムーズになることでもある。」と国枝氏は語る。これにより、メーカーとしてはプロモーション効果の増大が見込めるようになるという。

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公式サイトや大手ファンサイトに頼るばかりでは、能動的なユーザーは取り込めても、受動的な(自分から情報を得ようとしない)ユーザーへのアピールの場は設けられない


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Webメディアがその両者の間を取り持ち、情報を集約させることで、受動的なユーザーもどこを見ればすべての情報が手に入るのかが分かるようになる


ネットカフェとの連動が新たな方向性を生み出す

 かつてはマンガ喫茶と呼ばれていた店は、単独コンテンツの提供の場から、複合エンターテインメントスペースへと進化を果たした。これはインフラの整備が整ったことによるもので、現在はネットカフェが2500店舗以上、またその内オンラインゲームを導入している店は1600店舗あるという。

 国枝氏はそんなネットカフェが「全国規模の出店ラッシュ」(10年後、5000店舗超の成長予測)「ブランド統合、大型資本の参入、業界再編」「コンテンツの多様化」に見舞われるだろうと予測する。これには年々オンラインゲームに対するニーズが上昇していることが理由としてあるとのことだ。

 他にも、ユーザー、ネットカフェ、ゲームパブリッシャーの結びつきが強くなることの重要性を挙げ、それによるそれぞれの利点を次のように述べている。

「ネットカフェには新規顧客の獲得と稼動売上への貢献。ゲームパブリッシャーにはプロモーションの強化や導入店舗の増加、そして許諾使用料の収益が見込めます。また、ユーザーはプレイ環境の多様化、ネットカフェ仕様の提供、新アトラクションの提供などが挙げられます。」(国枝氏)

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それぞれの結びつきが強くなることで莫大な相乗効果が見込めるとのこと。ただし、どれかひとつでも欠けては意味がないため、ビービー・サーブが行おうとしていることの大変さが伺える


 ネットカフェにポスターやチラシなどの販促ツールが置いてあれば、ブランドイメージの向上や、プロモーション活動になる。逆にそれを行うことによって、ネットカフェは新規の獲得、そして既存への喚起が可能になる。そうなれば、店舗環境も変化し、ハイスペックPCの増加や、スタッフのスキル・知識の向上といった具合に、ユーザーへと自然と還元されるというわけだ。

 ビービー・サーブとしてのネットカフェ事業に対する今後の取り組みは、「ネットカフェは体験型マルチメディアストアに進化する!」を合言葉に、「4Gamer.netと連動したオンライン企画の強化」「Yahoo!BBブロードサービスと連動した販売網展開」などに力を注いでいくことになるという。

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ネットカフェ流通の未来へ……と題されているが、この取り組みが現実のものとなれば、これまでとは比較にならないコミュニティーも生み出されるだろう


 そして最後に「投資開発『#8』」についてだが、現在発表済みのタイトル「三国無双BB」「Master of Epic」、そして第3弾となる「ベルアイル」にも行っているという。この投資開発の目的を国枝氏は、「オンラインゲーム開発に投資し、Yahoo!BB特典ないしBBサーブ特典タイトルを獲得すると共に、投資リターンを狙っていく」ことにあると語ってくれた。

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投資を行うことにより、他にはないビービー・サーブ独自の展開も可能だと考えられる。その構想までは明らかにならなかったが、この3タイトルにはぜひ注目していきたい


[遠藤学,ITmedia]

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