ナムコ初のRTSはオンラインゲームに一石を投じるか:アジア オンラインゲーム カンファレンス2005(2/2 ページ)
売れるオンラインゲームに共通する4つの要素とは
次に「NSO」の世界観の説明が行われた。まずゲームに登場する国家として、正統派のSF国家「民主連邦」、第二次世界大戦をモチーフにした「軍事帝國」、欧米のRTSファン好みのクリーチャー系ユニットが存在する「神聖国家」、中国や韓国のユーザー好みの中国古代王朝をモチーフにした「封建王朝国」が紹介された。
なぜこのような4つの国家を用意したのかについては、「RTS、オンラインゲームというのは国境のないタイトルですので、なるべくワールドワイドでできるもので」という意図があるとのこと。
また、ナムコの「ゼビウス」や「ギャラクシアン」、さらに「エースコンバット」といったタイトルの世界観も織り交ぜられており、これにより「昔のファミコン世代のユーザーにも受け入れられるのではないか」と期待しているという。
さらに高橋氏は、「オンラインゲームは世間的にももっと認知されるべきものだ」という見解を示しながら、開発者側の悪い部分、「これまでのPCゲームというのは、家庭用に比べて非常に親切感が足りないと感じている」点にも言及してくれた。
オンラインゲームをやっているユーザーは、ハードに対する、ネットに対する知識が人より高いという点で、比較的レベルの高い部類になるだろう。だからと言うわけではないが、開発者側も無意識的に「まぁ、あのプレイヤーたちだったら分かってくれるだろう」といった雰囲気があるという。
高橋氏はそこを見逃すことなく、まずゲームのチュートリアルモードを徹底した。これはマウスの使い方や、ユニットの掴み方など、本当に基本的な、PCの扱いができれば動かせるような親切なものになっているとのこと。さらにRTSは戦略ゲームであることから、ユニットの使い方などが学べるシングルのシナリオモードも搭載し、遊びながら学べる環境を整えたとのことだ。
そして、ちょっとアピールしたいと前置きしつつ紹介されたのが、デブリーフィングシステムというモード。このシステムを高橋氏は、「例えば1回の対戦が終わったときに、通常の場合は『良い試合だったね』といったような感じで、ロビーでのチャットが行われて終わるだけです。ただそうなると上手いプレイヤーが下手なプレイヤーにアドバイスする時間がない。そこで戦いを早送りで見られるモードになっています」と説明してくれた。
また、上手いプレイヤーがいた場合、そのプレイヤーがどこを見ていたのか?さらに言えば、他のプレイヤーはどういった立場でプレイしてたのか?といったことが味わえるシステムになっているとのことだ。
本システムを取り入れた理由に関しては、「新規のタイトルなので、プレイヤーのレベル差はないといいましたが、『NSO』が発売されてしまえば、いずれユーザーの購入時期などにより差ができてしまいます。それを最大限なくすために、こういったシステムを入れています」と述べた。
ただ実際に人気が出るためには、製品の質自体が高くないと意味がないと高橋氏は語る。新しいシステムを入れたところで、ゲームが良くなければ誰も見向きもしてくれない、と。そこで数十万、数百万本売れているRTSを検証材料にして、売れているタイトルの4つの優れた点についての話へとテーマは移ることとなった。
まず挙げられたのが「戦略性」。これはゲームを遊んでいる上で駆け引きがどれだけできるのかといった部分になる。「NSO」で一番気を使ったのがこの部分であるらしく、先に述べた「内政」と「戦闘」といったふたつの要素がこれにあたる。
ただ、スターラインシステムによってこの問題は解決されており、それよりも悩んだのはふたつの要素のバランスだという。
「内政3:戦闘7にしてあります。なぜこうしたかと言うと、内政は基本的にひとりでもできる部分です。しかし、戦闘はオンラインゲームだからこそできる、他人との相互関係によって生まれるもの。ですので、その部分をより楽しんでもらうために戦闘を高くしています」(高橋氏)
次に「自由度」については、「RTSをやられる人というのは、歴史が、戦国史が大好きといった人が多い。そうなると、自分が思い描くものを形にしたいと考えると思うのですが、そういったこともできるようにしています。なるべく多くのパターンがあるという意味で『自由度』は高めています」と語った。
3つ目となる「競技性」。まず例として、戦いも中盤になりパワーバランスが変わっている時、負けるプレイヤーが自分の手で投了してしまう、という問題が挙げられた。
なぜこのようなことが起きるかという点について高橋氏は、「ゲームの終盤までプレイヤーの緊張感を持続させていないということなんです。『NSO』の場合、劣勢ならば劣勢なりに逆転できる要素を入れてあります。こうすることで、プレイヤーが最後の最後までゲームをプレイできるようになる。最後というのはもちろんゲームの勝敗が決するまでのことを指します。これが『競技性』です」と説明してくれた。
最後に「シナリオ性」についてだが、先にも述べたように「NSO」にはシングルでプレイできるシナリオモードが用意されている。全部で30時間ぐらいのボリュームになっているらしく、さらには「ナムコのSF世界」ということで、マニアならばニヤリと笑ってしまうようなシナリオも搭載されているとのことだ。
オンラインゲームでありながら、シナリオモードも手を抜かないようにしている点について高橋氏は、「オンラインの対戦だと、プレイヤー同士のレベル差、もしくは勝った負けたというところで、確実な満足感を与えることは難しくなってしまいます。ですが、シナリオモードはひとりでプレイしますので、良いシナリオを作ればユーザーも満足してくれるだろうと。こういったことに気を使うことにより、発売後のセールスも変わってくるのではないかと考えています」
ナムコ初のRTSながら、細かい配慮と徹底した作りで制作が行われている「NSO」。MMO以外の可能性が見られなかった国内オンラインゲームではあるが、ワールドワイドの展開が予想される同タイトルが、その壁を崩してくれることに期待したい。
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