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2005/03/15 01:57 更新

ゲームデベロッパーズカンファレンス2005:
肥大化するデータ製作に新手法 ウィル・ライト氏が新作で見せたのは……

3月7日から米国サンフランシスコで行われているGame Developers Conference。毎年立ち見が出る、SIMシリーズ開発者ウィル・ライト氏の講演。ここで彼が見せたのは「プレイヤーによるコンテンツ制作」を核にした新作ゲームだった。

 Game Developers Conferenceの名物講演となっているEA Maxisのウィル・ライト氏の「Future of Contents Creation」。今年は日本語同時通訳があるということで、システムの用意されているややキャパシティの狭い部屋での講演となった。前のセッションである「国際ゲームデザイナーパネルディスカッション」の時点から長蛇の列が出来(部屋の周りをループしていたらしい……)、後方での立ち見はおろか、通路も床に座って見る聴講者で足の踏み場がない状況に。サンフランシスコ在住の知り合いに聞いたところ「消防署の査察があったら一発で講演中止になりますねー」というくらいで、それだけ人気のあるセッションだ。

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前のセッション終了時はこのくらいの入りだったのに……

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開始直前ではこんなに人が。隣の部屋では同時中継も行った

 ライト氏はまず、現在のゲーム開発の現状から説明。データ量の増加とそれによる開発人数の増加、さらにコストの増加に対し、バリューの向上が比例しないことを語っている。ここで、ザ・シムズ2を例にとって、ユーザーがコンテンツを集め、共有することを好むことを説明。

 また、ストーリーを予め作っておくのでなく、自分でゲームの内容を操作できるようなゲームがユーザーに好まれることも語った。そこでライト氏が見せたものはMaxisで極秘開発中の新作だった。

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SIMシリーズのゲームデザイナー、ウィルライト氏

バクテリアから進化し銀河の支配者を目指す多重構造のゲームを披露

 「Spore」と呼ばれる本タイトルは、最初は2D風のアクションから始まる。プレイヤーキャラが捕食者から逃げ回りながら餌を取っていくことで成長・進化する。進化するパーツはプレイヤーの意思で選択することができ、攻撃することも可能。パーツの動きはプロシージャで書かれているので、どんなパーツをつけてもちゃんとしたアニメーションが見られる。

 ある程度進化するとはゲームは3Dになる。ただ、これも目的は捕食者をかわしながら餌となる動物を食べていくゲームとなる。ある程度進むと卵を産み、次世代の生物に進化することも出来る。水中の生物に足をつけることで地上生活をはじめることも出来る。さらに、求愛行動から交尾して子孫を残すこともできるようになる(交尾中はなぜかムーディな音楽が流れる。もちろん観客は大爆笑)。

 進化の過程で「知性」を獲得することでプレイヤーキャラは「村落」を作って生活するようになる。そこからはプレイヤーキャラを直接動かすのではなく、プレイヤーに命令をさせるようになる。ポピュラスやシムシティのような感じになるといっていいだろう。村落が大きくなると「都市」になり、今度は建物を開発・建造して支配エリアを広げていく。

 そこからさらにゲームを進めると、今度は他の都市が惑星上に点在することがわかる。友好的な都市なら同盟を結ぶこともできるが、攻撃してくる都市もある。好戦的な都市を破壊して惑星の王となるのが第1の目的となる。

プレイヤーの数だけ宇宙が広がる

 惑星を統一するとUFOに乗って宇宙へと脱出する。ここでの目的はプレイヤーの支配エリアを宇宙へ延ばすことだ。といっても、月の様な惑星にすぐに文明が築けるわけではない。UFOのパワーでテラフォーミングすることが必要だ。大気と水を作ることで惑星が変貌するシーンは神秘的だ。生物が住めるようになった時点で元の惑星から都市を持ってくればOKだ。

 さらに太陽系を脱出して外宇宙に出ると多種多様な惑星が見える。それはなんと他のプレイヤーが作った環境をそのまま持ってくるというもの。常時接続のオンラインゲームではないのだが、オンライン機能を使ってこれを実現している。

 微生物から宇宙の神になるという突拍子もないゲームをゲームシステムの異なるステージをシームレスにつないで実現し、さらにそのプレイスタイルをプレイヤーに委ねるという本作のデモが終わると聴講者全員がスタンディングオベーション。

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 ちなみに、本講演は撮影禁止のため、写真はなし。このセッションはGDC運営スタッフによって録画されており、後でシアター上映される予定……だったが、EAからストップがかかり、上映中止になった。正直な話、これを生で見ることが出来たのは貴重な体験だったと節に思う。

[岩井省吾,ITmedia]

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