「ベストプレープロ野球」で交流戦を戦ってみるレトロゲームが大好きだ

はじめまして、ゲイムマンと申します。懐かしのゲームを紹介する企画をやらせていただきます。よろしくお願いします。第1回は1988年に発売された「ベストプレープロ野球」です。

» 2005年06月15日 15時39分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]

 「リアリティー」とは何か?

 グラフィックを細かく描きこんだからといって、それが即リアリティーにつながるとは限らない。むしろ、描きこめば描きこむほど、現実と違う部分が目立ってしまう。

 逆に、ファミコン時代のゲームでも、リアリティーの感じられる作品は多い。見た目ではなく、シチュエーションでリアリティーを感じさせるからだ。

 例えば、1988年に発売された「ベストプレープロ野球」(アスキー)である。

 野球ゲームといえば、「ベースボール」(任天堂)、「ファミスタ」(ナムコ)から、現代のものに至るまで、選手を直接操作するアクションゲームが主流だ。しかし「ベストプレープロ野球」は、アクション要素のないシミュレーションゲームである。

 アクションゲームではプレイヤーが1人で何人もの役をこなす。これに対し、「ベストプレープロ野球」でプレイヤーにできることは、選手に指示を出す、ピッチャーを変える、代打を出すなど、監督1人分の仕事だけ。だからこそ、選手のピッチング・バッティングをベンチで見守る、実際の監督の気持ちが追体験できる。

 シチュエーションが現実のものに近いため、グラフィックが球場全景とスコアボードしかないにもかかわらず、そこにリアリティーが感じられるのだ。

画像 写真は「ベストプレープロ野球II」。試合中の画面は、このように球場全体を見渡す画面と、スコアボード画面の計2種類。大変シンプルだ

 「ベストプレープロ野球」には、ほかの野球ゲームにない特徴がもう1つある。選手データが自由に書き換えられることだ。

 もちろん、12球団分のデータは用意されているので、それを使って公式戦を戦うこともできる。しかし、全選手のデータ……名前、守備位置、選球眼、長打力、etc.……をすべて書き換え、そのデータを使って遊ぶこともできるのだ。

 だから、17年も前のゲームであるにもかかわらず、現在の選手データでプレーすることが可能になっている(交流戦はできないが)。毎年選手データを作り直して、最新のデータでプレーしている人も実際にいるほどだ。

 最新の選手データを入れて、全チームをコンピューターに担当させれば、ペナントレースの行方も予想できる(「II」のスキップモードでは、コンピューター同士の対戦を1試合1分程度で終わらせられる)。

画像 個人成績も書き換えられるので、2軍選手のデータを作っておいて、シーズン中に1軍選手と置き換えることも可能だ

 また、架空の新球団を作って、実在のチームと対戦させるという遊びかたもある。6チームすべてを架空球団にして、オリジナルリーグを作ることもできる。

 私が「ベストプレープロ野球II」(1990年発売)にハマっていたときは、オリジナルの新球団を作って、セ・リーグ各チームと戦わせていた。

 久しぶりにソフトを起動させてみたら、当時のデータがまだ残っていた。そこで臨場感をより高めるために、現実の新球団である、東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地、フルキャストスタジアム宮城まで行ってみた。

画像 フルキャストスタジアム宮城は、JR仙石線・宮城野原駅から徒歩5分。球場内で販売されるお弁当の中には、牛タンやマグロステーキなど、仙台ならではの食べ物も

 おりしも交流戦、楽天VS阪神の試合前。正面ゲート前のベンチで、携帯型ファミコン互換機「ポケファミ」を使って、オリジナル球団VS阪神でプレー。続々とやってくる阪神ファンの注目を集めるが、それがかえってシンクロ感を高めていく。

 「ベストプレープロ野球II」発売当時の阪神は、最下位が定位置で、良くても5位というドン底状態だったはず。しかし我がオリジナル球団は、その阪神先発の“なかみし”(この当時はまだ選手名が実名じゃなかった)に抑え込まれ、しかも“おから”に2打席連続でホームランをぶち込まれるなど、6-2で完敗した。

画像 「ベストプレープロ野球II」の阪神選手リスト。“おから”も“たほ”も今や監督だ

 その後、球場に入って、実際の楽天VS阪神戦を見たが、下柳の好投と赤星の快走、金本の巧打により阪神が4-0で快勝。

 試合後、宿泊先でまた「ベストプレープロ野球II」をプレーしてみたが、何回やっても阪神の勝ち。現在の阪神タイガースの勢いが、ゲームにも乗り移ったのだろうか?

 新球団の監督の苦悩まで、追体験することになろうとは。

画像 ホームラン! レフトスタンドで紙吹雪が舞う

 「ベストプレープロ野球」といえば、“「ダービースタリオン」(ダビスタ)を作った薗部博之氏の作品”として語られることが多い。だが、ダビスタとはまた違った魅力を持つゲームであることは間違いない。

Copyright(C)ParityBit

取り上げてほしいなつかしゲー募集

思い出のあるゲームについて、ゲイムマンと語ってみませんか? あのゲームが好きだったのに今はもう手元にない、けどもう一度見てみたい! とか、俺が好きだったこのゲームを紹介しないなんて許せない! というあなた。是非こちらから、取り上げてほしいゲームをリクエストしてください。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  2. /nl/articles/2404/18/news025.jpg 生後5日の赤ちゃん、7歳のお姉ちゃんから初めてミルクをもらうと…… 姉も驚きの反応がかわいい
  3. /nl/articles/2404/18/news057.jpg 9カ月の赤ちゃん、バスで外国人の女の子赤ちゃんと隣り合い…… 人生初のガールズトークに「これは通じあってますね!」「ベビ同士の会話、とろけます」
  4. /nl/articles/2404/17/news037.jpg 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/17/news034.jpg 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
  6. /nl/articles/2404/18/news155.jpg 大谷翔平選手、ハワイに約26億円の別荘を購入 真美子夫人とデコピンとで過ごすかもしれないオフシーズンの拠点に「もうすぐ我が家となる場所」
  7. /nl/articles/2404/17/news179.jpg 「ケンタッキー」新アプリに不満殺到 「酷すぎる」「改悪」の声…… 運営元「大変ご迷惑をおかけした」と謝罪
  8. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  9. /nl/articles/2404/17/news129.jpg 「ハーゲンダッツ硬すぎ!」と力を入れたら……! “目を疑う事態”になった1枚がパワー過ぎて約8万いいね
  10. /nl/articles/2404/16/news175.jpg 「そうはならんやろ」をそのまま再現!? 「ガンダムSEED FREEDOM」のズゴックを完全再現したガンプラがすごすぎる
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」