時代と戦え!「ジョイメカファイト」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ!」(2/2 ページ)

» 2005年06月28日 15時40分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]
前のページへ 1|2       

8ビットの限界に挑戦! 素早い動きと必殺技の応酬

 戦うキャラクターは全員ロボット。

 イーモン博士とワルナッチ博士が共同でロボットを製作していたのだが、ある日ワルナッチ博士がロボットを従えて世界征服を宣言。イーモン博士の元に残ったのは、関西へ修業に出ていたお笑いロボットのスカポンのみ。

 スカポンは仲間だったロボットと戦って彼らを連れ戻し、合計8体で、ワルナッチ博士のもとにいる、28体のロボットに挑むのだ。

画像 ワルナッチ博士の名前が“ワルモン博士”でないのは、「ツインビー」シリーズのワルモン博士とかぶるのを避けたのかもしれない。ちなみに「ジョイメカファイト」の発売当時、まさに「ウインビーアイドル化計画」が進行中だった

 それぞれのロボットには、4種類の必殺技がある(このゲームでは投げ技も必殺技に含めている)。

 ファミコンのボタンは、スタートとセレクトを除くと、方向キーとA、Bしかない。「ストリートファイターII」が方向キー+6ボタン、「餓狼伝説」が方向キー+4ボタンなのに比べて、圧倒的に少ないのだ。

 でも「ジョイメカファイト」では、少ないボタンを組み合わせて、ちゃんと必殺技のコマンドを成立させている。飛び道具のスピードも、方向キーで3段階にコントロールできる。

 ちなみに「ジョイメカファイト」では、ほかの格闘ゲームと違って、飛び道具同士が相殺しあわない。両者が飛び道具を撃ったら、すれ違ってそれぞれ相手に飛んでいく。

画像 必殺技のレクチャーをしてくれるモード。もし取扱説明書がなくなっても安心だ

 必殺技には派手なものが多い。飛び道具、対空技、連打系の打撃技、突進技といったところはひととおり網羅。一定時間無敵になる技や、透明になる技を使うロボットまでいる。

 手足が伸びる技が多いのは、腕や脚が描かれていないこのゲームならでは。ヒューマノイド(人間型)タイプでないロボットも何体か存在し、トリッキーな技を駆使する。

画像 ヒューマノイドでないロボットの例。こんなロボットたちも、ハードモードをクリアーすれば対戦で使える

 「ジョイメカファイト」を実際にプレーすると、動きもスムーズだし、対戦格闘ゲームとして、普通におもしろい。

 これがファミコンであることを忘れてしまうくらいだ。

 当時既に“過去のマシン”であり、性能的に見劣りしていたファミコンが、ピークに達したスーパーファミコンや、その先に控えている若いゲーム機たちに、技術力を駆使して真っ向勝負。

 非力なマシンで、何とか他機種の格闘ゲームと勝負しようという、がむしゃらな気概を見せつけた。「ジョイメカファイト」はそんなゲームだったように思う。

 今、若いファイターたちに交じって戦っているベテランのプロレスラーや格闘家……天龍源一郎選手とか、角田信朗選手あたりをほうふつとさせる。

 一時代を作った古参のファイターは、いずれ表舞台から姿を消すことにはなるだろうが、いつしか伝説となって長く語り伝えられる。

 ファミコンもまた然りである。

お笑いロボット・スカポン

 36体も登場するロボットたちの中で、私がいちばん好きなのは、このゲームの主人公、「スカポン」である。

 もともとお笑いロボットだったという設定のため、見た目もトボケているし、必殺技もユーモラスだ。

 格闘家やプロレスラーに例えると、ボビー・オロゴン、泉田純、菊タロー(初代えべっさん)といった選手に近いか。もっとも、泉田選手や菊タロー選手はタレントではないし、ボビー選手は格闘技でおもしろい技は使わないが。

画像 スカポンの技は、頭を飛ばす「コンナンイラヘン」、転がって敵に体当たりする「ローリングスカ」など。

 そのスカポンが、やむを得ない事情によって格闘ロボットに改造され、戦いの場に身を投じるはめになる。負けたらワルナッチ博士に世界を征服されてしまうという、重いシチュエーションでの戦いだ。

 実は私自身も、今書いている単行本がきわめてマジメな内容で、私のキャラと全然違うので悩んでいる。そのためかなり難航し、今年の春に完成する予定だったのが、いまだに完成していない。

 だから、今回「ジョイメカファイト」をプレーしてみて、スカポンの境遇には共感してしまった。さぞかし複雑な気持ちで戦っていたことだろう。

 それでもスカポンは、気負いとか悲壮感とかそういったものを、その表情からは微塵も感じさせない。こういう彼の姿勢は私にとって、たいへん参考になる。見習いたい。

 エンディングで、再びお笑いの世界に戻ったスカポンを見て、つくづく「良かったね」と思うのであった。

(C)1993 Nintendo

取り上げてほしいなつかしゲー募集

思い出のあるゲームについて、ゲイムマンと語ってみませんか? あのゲームが好きだったのに今はもう手元にない、けどもう一度見てみたい! とか、俺が好きだったこのゲームを紹介しないなんて許せない! というあなた。是非こちらから、取り上げてほしいゲームをリクエストしてください。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  2. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/25/news043.jpg 娘の給食の献立表を見たら…… 正体不明の“謎の料理名”が「これはわからんw」と話題に その意外な正体に納得!
  5. /nl/articles/2404/25/news129.jpg プロ野球チップスでまた“不良品”流出 伊藤大海「176m」表記に続き…… カルビー謝罪「深くお詫び」
  6. /nl/articles/2404/24/news018.jpg 1年半ケージに引きこもっていたシャーシャー猫が、ある夜布団に入ってきて…… 感涙の行動に「まるで別猫」「こんな日が来るなんて」
  7. /nl/articles/2404/24/news017.jpg メルカリで300円の紙モノセットを買ってみたら…… 出品者のあたたかな心遣いに「利益は考えていないんでしょうね」「見ててわくわくします」
  8. /nl/articles/2404/23/news185.jpg 子どもに高級キーボードのパーツを捨てられた → 公式の“先読みしすぎた対応”が話題「そういうこともあろうかと」
  9. /nl/articles/2401/18/news015.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
  10. /nl/articles/2404/22/news124.jpg ダイソー「マルチ万能ほうき」が家事ラクの救世主 名前負け知らずの便利さに「これやばっ!!」「220円に驚き」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」