自由な冒険！ 自分だけの物語！ 50回遊べる、あの名作がついに帰ってきた!!（3/3 ページ）

[鷲尾トモノリ，ITmedia]

悩ましくも楽しいキャラクター育て

　宿すソウルを選び、特定の能力値を成長させて、戦士タイプや魔道士タイプなど、そのキャラクターの役割をより明確にする。そして、そうした役割を担うために必要なスキルをマスターさせることで、さらに強力なキャラクターへと磨き上げていく。これが、「ZOI」における、キャラクター育成の面白さだ。

　当然、能力値のバランスの取り方によっては、「ある程度は肉弾戦もこなせる魔道士」や、「僧侶系魔法と盗賊系スキルを使えるサポート役」といった、マルチキャラクターに育てることも可能。

　また、主人公以外のキャラクターのソウルも調整できるので、特に序盤のうちに仲間にすることができるキャラクターなどは、かなり自由に成長させていくことができる。もともとの長所をそのまま伸ばしていくのもいいが、元のイメージとは違う方向に成長させてみるのも面白いだろう。

武器や鎧も成長させることができ、特に武器は、成長させると形状も変化するのが面白い。また、名前を自由に変更することもできるので、気に入った武具にはカッコイイ名前をつけて大切にしよう

　なお、ソウルにはひとつの系統の中で、何段階かのランクがあり、より多くのソウルポイントを必要とする高ランクのソウルほど強力だ。そこで、獲得するソウルを1つの系統にしぼって、より早い段階で強力なソウルを身につければ、能力値の成長度合いの大きいキャラクターとなるが、その分、スキルの多彩さに欠けることとなる。

　だが、逆に、いろいろなソウルに手を出すと、スキルは豊富だが能力値は低めのキャラクターになってしまう。能力値のバランスはどうするのか、どのスキルを取って、どのスキルをあきらめるか、どのソウルを先に獲得するか……。そんな風に悩みながら、キャラクターたちを成長させていくのが、とにかく楽しいのだ。

魔法は、特定の系統を使えるようにするスキルによって、使用可能になる。スキルをマスターすれば誰でも使えるようになるが、威力などは能力値に影響される

自由な冒険の世界へ！

　キャラクター作成と成長の自由さ。マルチシナリオと無数のイベント。数多くの個性的なキャラクターと、それぞれに用意されたエンディング。「ZOI」は、こうした非常に多くの選択肢や可能性を、ゲーム中にこれでもかというほどちりばめることで、自由度の高さと、繰り返しのプレイに耐える優れたゲーム性を持つに至った。

　しかし、なによりもこの作品が優れているのは、そうした要素がプレイを通じて連なっていくことで、「プレーヤーの中に」独自の物語が完成していくところに他ならない。作品に多くのものを与えながら、それが遊び手に対し、何かを押しつけることになっていないのは、作り手の優れたバランス感覚とこだわりの賜物といえるだろう。

　「こだわり派」を自認するプレーヤー諸氏には、是非とも遊んでもらいたい1本だ。

ジルオール インフィニット
対応機種	プレイステーション 2
メーカー	コーエー
ジャンル	RPG
発売日	発売中（2005年6月23日）
価格	通常版：7140円（税込） プレミアムBOX：9240円（税込）