レビュー
2005/07/14 17:15 更新


正しい夏の過ごし方――「流行り神 Revenge」で身も心も震えよ (1/2)

暑い夏にピッタリのゲームといえば、ホラーものと相場は決まっているが、中でも都市伝説に主体をおいたストーリーになっているのが「流行り神 Revenge 警視庁怪異事件ファイル」だ。今回は、この作品をチェックしてみよう。

夏を涼しくさせてくれるものの名は“ホラー”

 現代では、暑い日々をクーラーや扇風機といった道具でしのいでいるが、その昔は怖い話で背筋を凍らせたという。なるほどうなずける話で、今でも文明の利器に頼らずとも、涼しさを得ようと思えば、怪奇現象のうわさ話を聞くのが手っ取り早い。

 実際、この世の中には科学で割り切れない現象が数多くあり、神隠しや人魂、ポルターガイスト現象に心霊写真など、挙げていくとキリがないほどだ。識者たちは、これらの現象を一笑に付するきらいがあるが、そういう態度こそが科学の発展を遅らせているとは、夢にも思っていないのだろう……とあくまでも筆者は思っている。

 事実、従来の科学史を覆す出来事は、それまでの想像の範疇を越えたことを許容するところから始まっているというのに、だ。

 それはともかく、現時点で私たちは、自分たちの考えが遙か遠く及ばない現象については“臭いものには蓋”的思考で、見て見ぬふりをする。だが心の中では、そう言った事への関心が消えることはなく、逆に気になって仕方がないという人も多い。

 だからこそ、最初から“これは現実ではなく、オカルトものです”と割り切ったものに対しては、安心して興味を持てるのではないだろうか。

 今回取り上げている日本一ソフトウェアから発売されたプレイステーション2用ソフト「流行り神 Revenge 警視庁怪異事件ファイル」もオカルトジャンルに属するタイトルだが、その設定がちょっと変わっている。それは、主人公が警察組織に属している点だ。

 通常、公務員などのお堅い職業(と、筆者は勝手に思っている)に就いている人は、常識から逸脱した現象には無関心を示すことが多い。それにも関わらず警察組織が登場して来るという時点で、その設定に非常に興味を引かれた。もっとも、筆者は生粋のムー読者なので、ホラーものには目がないという理由もあるのだが(笑)。

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警視庁警察史編纂課に属する主人公・風海純也。彼がオカルト的思考を持ちながら事件に関わっていく姿が現実にも見られれば、未解決事件の数も少しは減る……かもしれない。

アドベンチャーゲームながらも、しっかりとしたシステムを搭載

 本作は、昨年8月に発売された「流行り神」のシステムを改良し、さらに遊びやすくした、まさに“Revenge”バージョンだ。値段もお買い得な設定になっているため、気軽に購入できるだろう。とはいえ、まずは簡単にゲームシステムをチェックしておこう。

  基本的なシステムはテキストアドベンチャーと同じで、画面に表示される物語を読み進めていき、所々で表示される選択肢を選んでいくと、それによってストーリーが変わるというもの(PH02入る)。ただし、いくつかの選択肢は“カリッジポイント”と呼ばれる、特別なポイントを消費しなければ選べないようになっている。

 カリッジポイントの初期値は各章ごとに決まっており、これをどの選択肢で使用するかで、物語の内容が変わってくるのだ。最初に与えられるカリッジポイントよりも、それを消費しなければ選べない選択肢の方が多い場合もあるので、既読率を100%にす

るには複数回のプレイが必須となるだろう。

 なおストーリーは4話分あり、クリア後に一定条件を満たすと隠しシナリオが登場する仕組みになっている。エンディングも複数用意されているので、すべての結末を確かめて真相を把握しよう。

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物語の随所に選択肢が登場する。どれを選ぶかで、ストーリーが変化するのだ

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赤く表示される選択肢は、カリッジポイントを使用しないと選べない。ちなみに、カリッジとは“勇気”の意味で、選ぶのに勇気が必用ということ

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隠しシナリオを含めると、全部で8話ある。クリアするごとに、少しずつ謎が明かされていくのだ

 ゲームを進めていくと、事件に関係ある単語が緑色で表示されるが、これは“推理ロジック”の場面で使用する。推理ロジックは、ゲーム中に登場する人物の関係を整理する画面で、空白になっている部分へキーワードを当てはめることで、プレイしているシナリオの最終評価が変わってくる。評価はS・A・B・C・Dの5段階に分かれており、C以上をゲットすることで次のシナリオが遊べるようになる。Dの場合は、もう一度やり直しだ。

 また、ストーリーがある程度進むと、集めた情報を整理して今後の方針を決める“セルフ・クエスチョン”モードに入る。ここでは、表示される選択肢に順番に答えていくことで、その時点での物語の結論が導き出される。結論次第では、今後の進行に大きな影響を与える場合もあるのだ。

 さらに、プレイ中に見慣れない専門用語が登場すると、自動的にF.O.A.F.ファイルというデータベースへ登録される。ここには全部で200の単語が最初から収録されていて、ストーリー中に同じ言葉が出現するとキーワードがオープンし、データベースにて解説を読むことができるようになる。それらデータをすべて集めるのも、本作の楽しみの一つといえるだろう。

 なお、セーブデータは前作からコンバートができるので、F.O.A.Fファイルが集まっていないなど、やり残したことがあるという人は、プレイしやすくなった本作でオールクリアを目指すのも良いだろう。コンバート方法は簡単で、タイトル画面から“コンバート”を選ぶだけだ。

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表示される文字の中には、緑色で表されているものがある。これが、推理ロジックでキーワードとなる

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推理ロジックでは、空白部分にキーワードを埋め込んでいく。一度クリアした話でも、ストーリーによっては前回とまったく違うキーワードが入る可能性もある

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少なくとも、C以上の評価を得られないと次の話に進めない。とはいえ、よほどのことがない限り、D評価にはならないはずだ

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自問自答しながら、今後の方針を決める。画面左上の印が青色なら推理は順調だが、赤くなると迷っていることになり、評価も下がってしまう

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専門用語などが登場すると、画面右側にその単語が表示され、自動的にデータベースへ追加される

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F.O.A.Fデータベースは、全部で200ある。そのうちの199個は、全話をくまなくプレイすればゲットできるのだ。では、最後の1つは……?

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タイトル画面でコンバートを選ぶと、あとは自動的にデータを移行してくれる。特に複雑な操作はいらない

 思ったよりも多くのシステムが搭載されてはいるが、セルフ・クエスチョンや推理ロジックはアドベンチャーゲームにありがちな、ダラダラプレイを防ぐためのアクセントになっている。これがあるために、プレイヤーはストーリーを真剣に追い掛けるし、セルフ・クエスチョンで思考を整理することができるというもの。

 また、F.O.A.Fファイルと既読率は、やり込み系プレイヤーにとってはうれしいシステムではないだろうか。特に、特定の場面で選択肢を選ばないと見られない文章や、ゲットできないデータベース項目などもあるので、収拾癖のある人にとってはたまらない要素だろう。

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セルフ・クエスチョンで選んだものによって、ストーリーが大きく変わる。これまでの話を頭の中で振り返り、自分が思う方向の選択肢をチョイス

オカルトマニアでも満足できるストーリー

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[J.O.宍戸,ITmedia]

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