RBB Today 速報
2005/09/01 23:26 更新


キャラクタの動きから画面エフェクトまで― マルチコア時代の物理エンジン活用術とは


 ゲーム開発者カンファレンス「CEDEC2005」で、AGEIA TechnologiesのThomas A Lassanske氏は、セッション「次世代コンソールのためのマルチスレッド物理とPhysXのスケーラビリティ」の中で、ゲームにおける「リアル感」の表現技法でグラフィックスに比べると物理は大きく遅れていると述べ、マルチプロセッサやマルチコアなど、複数のスレッドが活用できる環境が広まってくれば、物理エンジンを活用することで表現の向上が可能になると述べた。

 AGEIAのPhysX SDKは、SCEの次世代機「PLAYSTATION 3」向けSDKにも含まれるということで急速に注目を集めている物理エンジンだ。

 Lassanske氏は、ゲームの「物理」を以下の5種類に分類した。

1)アプリケーション物理

 キャラクタの動作などゲームのメインループ内で実行する必要があるもの。

2)ゲームプレイ物理

 アイテムの動きなど世界を表現するためのもの。(例:Half-life2)

3)エフェクト物理

 パーティクル、衝突破片、草木など、ゲーム体験を向上させるもの。

4)物理アイランド

 煙や霧の動き。他のクラスとの対話はない。

5)準備物理

 変形可能な地形のためのバウンディングボリューム階層化(BVツリー生成)をランタイムでおこなうもの。

 そのうえで、それぞれの物理のゲームループ設計戦略を解説した。アプリケーション物理はゲームループと同期させる必要があるため並列は使用せず、ゲームプレイ物理もレンダラを実現するためのもので並列化は一部使用可能。一方、エフェクト物理や物理アイランド、準備物理については、1フレーム遅れて演算する(フレーム遅延物理)、あるいは数フレームで演算すればよい(マルチフレーム物理)ため、並列処理が多用できるという。

 Lassanske氏は、「PlayStation2では、初期はシングルプロセッサとして開発してノウハウが貯まってからマルチプロセッサを活用するかたちだったのが、次世代機では、初期からある程度の並列性を実装してゲームループをデザインする必要がある」と述べ、次世代コンソールも次世代PCもマルチコア化していく状況のなかで、マルチスレッドへの対応が不可欠になってくることを指摘した。

[記事提供:RBB TODAY]


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