今度の舞台は、島ほど巨大な船の上!?:「テイルズオブレジェンディア」レビュー(2/3 ページ)
キャラクター同士の掛け合いは健在
本作では、近接戦の格闘攻撃が得意な主人公セネルを筆頭に、剣の扱いに長けたクロエ・ヴァレンス、魔術に秀でているトレジャーハンターのノーマ・ビアッティなど、総勢7人の個性あふれるキャラクターがパーティーメンバーとして登場する。
ちなみに筆者のお気に入りは、ムードメーカーとして活躍するノーマ。天真爛漫なところがハートを直撃、である。
キャラクターの魅力をさらにアップさせているのが「スキット」システムだ。これはキャラクター同士の会話が聞ける機能で、その話題もゲーム進行のヒントから雑談、痴話喧嘩など多岐に渡る。
この会話のやりとりを見ていれば、各々のキャラクターの性格をより明確に理解できて、さらに感情移入しやすくなるため、一番の楽しみというファンも多いだろう。
本作で筆者イチオシのシーンは、ノーマが初めて登場したときのイベント。シャーリィに“あなた、セネルのことが好きなんでしょ?”なんて具合にからかわれ、普段見せない意外な素顔を見られるからだ。
また、本作からはシナリオイベント中にも、各キャラクターたちのバストアップイラストが表示されるようになった。感情がより分かりやすくなり、イベントシーンの魅力が大幅に増加しているところも注目すべきポイントだ。
新要素を追加しつつも従来の楽しさを継承した戦闘シーン
続いて、「テイルズ オブ」シリーズの最大の魅力である、アクション性が高い戦闘シーンを紹介していこう。基本的なシステムはこれまでと同じように、横スクロールのアクションゲームのように展開される。
本作ならではの変更点としては、通常攻撃が細分化されたことが挙がる。これまでは剣士の場合、「斬り」と「突き」の2種類のみだったが、これが「上段」、「中段」、「下段」の3種類に分けられている。
たとえば地をはう敵には下段攻撃を繰り出すなど、敵の位置や大きさによってこれらの攻撃を使い分ける楽しさが増えた、と言えば分かりやすいだろう。
通常攻撃は3回つなげることができるが、3回目をキャンセルして爪術(必殺技)を繰り出すことも可能だ。その爪術をキャンセルして、さらに奥義攻撃(上級必殺技)を発動させることもできる。通常攻撃と爪術、奥義攻撃の組み合わせを色々試し、自分だけの連係攻撃を探す楽しみもあるだろう。
今回から新たにダウン中の敵を放り投げる「投げ技」が追加されたことに注目したい。主人公のセネルしか使えないが、敵を放り投げると、その敵にダメージを与えるばかりか、他の敵を巻き込んで大勢の敵に一度にダメージを与えることができるのだ。
ほかにも、本作から追加された大きな新要素として、「クライマックスモード」と「クライマックスコンボ」というふたつのシステムが挙がる。
クライマックスモードは、戦うごとに画面下のゲージが溜まっていき、このゲージが最大になると利用できるというもの。このモードを発動すると、敵は一定時間行動不能になるため、一方的に攻撃することができるのだ。いつでも使えるわけではないが、強力なボスを相手にしたときなどには絶大な威力を発揮する、ナイスなシステムである。
このクライマックスモード発動中に、仲間が4人いると使えるのが、クライマックスコンボだ。発動した瞬間にクライマックスモードは終了してしまうが、変わりに敵に大ダメージを与えることが可能。演出もド派手で、爽快感もバツグンの攻撃となっている。
ちなみに、これまでのシリーズ同様に、戦闘シーンではプレーヤーが好きなキャラクターを任意に選んで操作して戦うことができる。“男は拳ひとつで戦うものだ”という人は主人公のセネル、“華麗に剣を使ってこそヒーローじゃない?”と思う人は騎士のクロエ、“1発が強力なブレス系爪術こそ最強!!”という人は、筆者のお気に入りノーマをぜひ……といった具合に、自分の好みに合わせた戦い方を楽しめるのだ。戦闘が楽しくなるのはもちろん、お気に入りのキャラクターとの一体感もさらに大きくなるだろう。
総合的に見ると、格闘ゲームっぽい要素を取り入れたため、全体のテンポは向上している。もちろん、パーティーメンバーが入り乱れて戦うという「テイルズ オブ」らしさもバッチリ残っているので、従来のファンは安心してほしい。
まだまだあります「レジェンディア」の美味しいトコロ
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