レビュー
2005/09/27 18:52 更新

レビュー:
“幻想”のミッシングリンクを埋めるべくして生まれた「ラプソディア」 (1/2)

幻想水滸伝シリーズ最新作としての位置づけで登場した「ラプソディア」。ジャンルがRPGからシミュレーションRPGへと変わったため、戸惑っている人も多いのではないだろうか。そこで、幻想シリーズのファンではあるけれど、シミュレーションRPGが苦手だが大丈夫なのか? といった観点などから、実際にプレイして見てみた。

RPGからシミュレーションRPGへと変化した、シリーズ最新作

 幻想水滸伝シリーズといえばPS初期から連綿と続く、コナミを代表するRPGだろう。1作目の出来の良さが口コミで広がり、瞬く間に大作RPGの地位を占めた作品で、FFやドラクエと比べると後発ながらも、その丁寧な作りがユーザーに受けている人気の秘密だろう。また、仲間が108人も登場するので、必ずお気に入りのキャラが存在する点に加えて、練られたシナリオも高い支持を受ける一因と思われる。

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そのストーリーがプレイヤーに衝撃を与えたシリーズ1作目。今でもナンバーワンのゲームとして推す人が多い

 そんな幻想水滸伝シリーズだが、1・2作目はドット絵だったものも3作目から新たな可能性を模索してポリゴンでの描写になり、雰囲気が大きく変わった。その4作目が出たのが昨年だったが、1年とちょっとで早くもシリーズ最新作が登場した――それが本作「ラプソディア」だ。とはいえ、これまでのシリーズがRPGだったのに対し、今回はシミュレーションRPGとなっており、必然的にシステムが大きく様変わりしている。ここでは、その辺りがどう影響しているのかを中心に、シリーズをこよなく愛する筆者がレビューしていくことにしたい。なお、幻想水滸伝シリーズが気になっていたけれど、まだプレイしたことがなかったという人は、PSP用として幻想水滸伝I&IIが発売されるので、それを後からプレイするのもお勧めだ。

シリーズのプレイヤーには、違和感のないシステムやアイテム

 ゲームをスタートさせると、最初に幻想水滸伝IVのデータを読み込むかどうかを聞かれる。前作をプレイして仲間が108人集まっているという人は、クリアデータでなくてもいいのでロードすれば、IV主人公とスノウを仲間にすることができる。データを持っている人は、忘れずに読み込ませておくといいだろう。

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一番最初にしか選べないので、データが手元にある人は忘れずにチョイス

 全体的な流れは、街やキャラバンなどで準備をしつつ、戦闘シーンに突入して戦いに勝利し、時々発生するイベントをこなしながらストーリーを進めていく、といった感じになる。戦闘前の準備段階では街のお店に出向くことができるが、ここで売っているのは、本シリーズのファンにとっては見慣れたもの。いつもの“おくすり”や“特効薬”、さらには封印球などもあるので、これまでプレイしてきた人ならば、何も見なくてもすんなり効果が分かるだろう。このようなところで、幻想水滸伝のシリーズタイトルをプレイしているんだなぁ……と、しみじみ感じてしまった。もちろん、武器もこれまでのシリーズ通り、鍛冶屋で鍛えることで強力になっていくシステム。先に進むほど、武器をより上位レベルまで鍛えることができる。

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定番のアイテムが並ぶお店。見慣れたものばかりなので、マニュアルなしでも効果がわかるのがうれしい

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武器も、鍛冶屋で鍛えるとパワーアップするという、お馴染みのシステム

 その中で、これまでになかったものとしては、ギルドと噂話がある。ギルドでは仕事を請け負うことができ、クリアすると報酬と後述するスキルポイントがもらえる。楽なものから一筋縄ではいかないものまで様々な依頼があるので、達成できそうなものから選んでいくのがいい。ただし、受けた依頼の目的を達成しても、ギルドに報告をしなければ完了したことにはならないので、忘れずに出向こう。最初、それに気づかないまま進めてしまい、いつまで経っても報酬が入らない! と勘違いをしていたので、皆さんは忘れずに……。クリアした時点で、報告を促すイベントが起きれば、そのような事にもならないと思われるだけに、ちょっと残念だった。

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請け負える仕事は、数をこなしていくごとにバリエーションが増えていく。最初はランクEからスタートだ

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請け負った仕事の内容は、ギルドにて確認ができる。クリア条件を満たしていたら、すぐに報告しよう

 もう一つの噂話は、訪れた先々の街で人々に話を聞くコマンド。話を聞かないとイベントが発生せず、シナリオが進行しないということもあるので、街に行くたびに忘れず実行しておきたい。

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人の噂は大事な情報源。移動したら、必ず噂話を聞くクセを身につけたい

 こうして街で出来ることを一通り済ませたら、キャラバンのコマンドを選ぶ。これは俗に言うキャンプで、ここではパーティメンバーの装備やスキルを変更することができる。スキルは幻想IIIで初導入されたシステムで、各キャラごとの得意技のようなもの。これら“クリティカル”や“パリング”などのスキルを、いくつか装備させることで、戦闘時に特定の能力を発揮できるのだ。ただし、最初のうちは覚えられるスキルの数も少なく、スキルレベルも最低ランクのE止まり。パーティメンバーが増えたりストーリーが進むと、より数多くのスキルを覚えられるだけでなく、スキルレベルの上限もD、C、B……と上がっていく。スキルのレベルアップや新しいスキルを覚えるには、スキルポイントを使えばいい。こうして準備が整ったら、いよいよ戦闘となる。

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キャラバンは、仲間の人数に応じて規模が変化していく。そのためにも、ドンドン仲間を増やしたい

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スキル習得・装備を選べば、各キャラにスキルを割り当てられるようになる。選べるスキルは数多くあるものの、実際に装備できるのは数個のみ。どれを選択するかで、戦闘の難易度も変わってくる

本作オリジナル戦闘システムは、シミュレーションRPGファン向けか

 戦闘シーンの基本ルールは、オーソドックスなシミュレーションRPGと同じ。ただし、ターン制ではなく、素早い順に行動が回ってくるシステムを採用している。順番は、画面上方にキャラアイコンが表示されているので、これを見ながら作戦を立ててキャラを移動することになる。マス目はヘックスではなく、こちらも一般的な四角形で構成されている。このフィールドを舞台に、敵との戦いが繰り広げられる。

 最初に表示される勝利条件を満たせばマップクリアとなり、敗北条件を満たすとゲームオーバーと、ルールは至ってシンプル。幸いなことにゲームオーバーになっても、特定マップ以外は“あきらめない”を選択することで、その戦闘で得た経験値はそのままに、仲間やアイテムはリセットされた状態でリトライできる。シミュレーションRPGが苦手な人間にとっては、非常にうれしい配慮だろう。

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画面の上に行儀良く並んでいるのが、行動順を示したアイコン。先に順番の回ってくる敵を、優先的に倒そう

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フィールドはマス目で区切られているが、区切り線の表示や非表示なども選べる

 本作独特のシステムとしては、属性が挙げられる。これは、シリーズお馴染みの紋章に由来するもので、全キャラが火、水、雷、土、風どれかの属性を持つ。さらに戦闘中、通常のシミュレーションRPGなら魔法に例えられる紋章か、アイテムにある“×の陣の玉”(×には、5つの属性のどれかが入る)を使うと、地面に属性をつけることができる。すると、地面と属性が同じキャラであれば、その上で待機するとHPが回復し、苦手属性のキャラならばHPが減ってしまう。これは敵味方共通で、属性を如何に上手く利用するかが、戦いを勝ち抜くためのポイントとなっている。

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キャラにカーソルを合わせると表示されるステータスウィンドウに、属性が描かれている

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例えば、主人公のキリルは火属性なので、同属性の地面上にいればHP回復。水属性の上ではダメージとなる

 と書いたのだが、残念ながら自分で利用することはあまりなかった。敵は、戦闘が始まってすぐぐらいに地面属性を自分たちに有利なものへと変更するが、パーティがそんなことをしていても敵は寄ってきてくれないので、戦いに行かなければならない。一度エンカウントすれば攻撃を繰り返すため、地面属性を変えている暇がなかった。シミュレーションRPGをプレイし慣れていない人には、難しいシステムではないのかな? と、個人的には感じたのだが……。

 一応、フィールドには属性ごとのエレメントが配置される場合がほとんどで、これらは敵であるにもかかわらず攻撃してこない。代わりに、移動した地面を自身の属性に変えていくので、これをささやかに活用した程度だった。逆に、普段からこの手のゲームを遊んでいる人ならば、このような細かい部分にまで気を配りながら戦いを展開していくのがおもしろいはずなので、かなり歯ごたえのあるシステムだと思う。ある意味、詰め将棋に近いものがあるのかもしれない。

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ほとんどのステージでは、敵が最初のうちに地面属性を変更してくる。こちらも、このぐらい有効に地面属性を活用できれば……

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あちこちのステージに配置されているエレメント。ランダムに動き、地面属性を変更してくる。同属性の場合は倒さずに放っておき、ありがたく利用させてもらおう

 とはいえ、全般的な戦闘システムに関しては、序盤に懇切丁寧に説明が行われるため、理解できないと言うことは絶対にない。マニュアルを読む必要が全くないぐらい、解説が充実している。むしろ、誰にでも分かるように説明しているのだから、有効活用できない私が悪いだけなのだろう。

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最初にシステムが詳しく解説されるが、途中でヘルプを参照すれば再び見られる

その他の戦闘システムも充実

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[篠崎薫,ITmedia]

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