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2005/11/02 19:47 更新


実は画期的な試みだったらしい――ひっそり濃密に開催された「ウルトラマンFighting Evolution Rebirth」発売記念トークショーライブ

バンプレストはプレイステーション 2用ソフト「ウルトラマンFighting Evolution Rebirth」の発売を記念して、11月1日新宿百人町にあるネイキッドロフトにおいて、今作のオブザーバーとして辣腕を振るった木原浩勝氏と、開発陣を招いてのトークショーライブを開催した。

 実はウルトラマンに関していえば、こうした開発裏事情も聞けるイベントが行えること自体画期的なことらしく、運良く来場できたウルトラマン&怪獣ファンにはたまらない濃密な時間を過ごせる希少なものとなった。このトークショーライブに登壇したのは、ビジュアルスーパーバイザーとして参加した作家の木原浩勝氏、そして今作プロデューサーの半澤大輔氏とディレクターの在原広展氏の3人だ。

 かねてから怪獣(ウルトラマン)ものに造詣が深い木原氏に、「ウルトラマンFighting Evolution Rebirth」のオブザーバーとして開発に関わらないかと誘ったのが、約2年前に行われたロフトワンプラスでのトークショウでのことだった。新しいウルトラマンゲームを模索していた開発陣は、今までとは違った視点を与えてくれるのではないかと、怪獣のことなら何時間でも語れる木原氏に白羽の矢を立てたのだという。

 事実、今回のトークショウでは予定の時間を大幅に超すものとなり、木原氏の口からはマニアックすぎるエピソードや小ネタがバンバン飛び出す。集まったファンは少数ながらも、そのマニアックな話題に余裕でついていくところを見ると、実は一般知識なのかもしれない。

 今作は「ビジュアル」を重視していると木原氏。そのビジュアルインパクトをいかに表現できるかが、新しいウルトラマン誕生に関係するのだという。よって、前作よりも今作は“表現”が特化させている。元来、ウルトラマンや怪獣のファンたる者は、その攻撃方法であったり、光線の原理などにこだわるもので、今までのシリーズはそこが甘かったのではないかと思い立ち開発が始まった。

 しかも、今まで勝手にタブーだと思われたものに関しても、果敢に版権元である円谷プロへと企画を持ち込んだという。例えば、今回登場する独自の解釈を元に造型された改造怪獣であったり、ウルトラマンの容姿を似せたニセウルトラマンではなく、あくまでも“悪”のウルトラマンとして存在する「カオスロイド」の登場など。どうしても“大人の事情”でボツになるものも多々あったが、そうした挑戦が今作では活かされた意欲作とのこと。

 前作「ウルトラマン Fighting Evolution3」は決定版のつもりで製作されているため、登場キャラも増大しているのだが、今作は原点に立ち返っていることと、ビジュアル重視のため、登場キャラは減少しているとディレクターの在原氏は語る。その分、かっこいいウルトラマンや怪獣たちが暴れている――と、開発途中段階の貴重なロムを使用しての、仕上がり課程を公開した。

 今作ではあえて目をつむっていた部分にもメスを入れている。例えば対決エリアとなる街では当然手前にビルがあるはずだし、光線を放つ時は周囲のビルだってダメージを受けるはずだから、ある程度の建物は倒壊するだろうと“破壊”にこだわっている。また光線を放つためにエネルギーを集約していく段階では、その破壊した瓦礫を巻き込んだりと、原作で表現された以上の“裏読み”が今作では随所に試みられているのだ。

 開発途中のロムでの対戦を見る限り、あまり表現に違いは見られないと思いきや、次々と差異を指摘するとなるほど、微妙に違うのがわかる。スペシウム光線のシャープさであったり、ビル倒壊のエフェクトなど、発売直前までビジュアルにこだわったことがわかる。

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会場となったネイキッドロフトは歌舞伎町にあるロフトプラスワンの姉妹店にあたる。通りに面しているため、道ゆく人が何事かと足を止める場面も見られた。左から司会も務めたビジュアルスーパーバイザー・作家の木原浩勝氏、そして今作プロデューサーの半澤大輔氏、そしてディレクターの在原広展氏。「ウルトラマンでは何が好き?」という質問に、木原氏は「ウルトラマン」と「ウルトラマンセブン」しか実は興味がないと笑いを誘う。半澤氏は「ウルトラマンタロウ」を推し、在原氏は攻撃方法の奇抜さで「ウルトラマンガイア」が好きと会場を沸かす

 もちろん実現できなかったものもあると説明。登場キャラの選考には苦しんだと明かす。また、ゲームシステムが格闘であるがゆえ、ウルトラマンでしかできない格闘でなくてはならないと様々な試みがなされたが、まだまだ改良の余地はあると在原氏は語る。

 「八つ裂き光輪などの技と必殺技との連携ができておらず、あくまでもひとつの技と技の出し合いになっている部分や、そのビジュアル表現については次回作があるならばぜひ取り組みたいところ」と。それを受けて半澤氏は「今作ではオリジナル作品ありきで製作されたこともあり、知識を必要としてしまっている。そのため対象年齢が上がってしまったことは否めない」と残念がった。

 怪獣のセレクトにもハガキアンケートを中心に作品のバランスやキャラのイメージ重視で選んだが、まだまだ愛着のある怪獣を登場させられなかったことも課題だと、次回作への意欲を見せてくれた。

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この後、せっかくだからと参加者の質問に答えたり、ゲームを使用しての開発者との対戦などが行われ盛り上がる。半澤氏は参加者に敗れたものの在原氏は大人げなく参加者を下し、その後はなぜか両者ウルトラマンガイアを使用しての頂上決戦となったが、下克上(?)ならずプロデューサーの半澤氏が勝利した。ちなみに初戦はブルトンvsタロウでブルトンを使用した在原氏の勝ち。次戦、カオスロイドUを使用した半澤氏が、ウルトラマンを使用した参加者を追いつめるものの、半澤氏をカオスロイドUで追いつめたものの、最後逆転され負けてしまった

 今回、会場の関係もあってか、参加者の少ないイベントとなってしまったが、予定を2時間も超える盛り上がりを見せた。もっと多くの人を巻き込んで行ってもらいたいほど、濃密な時間がそこにはあった。イベントでは「ウルトラマンFighting Evolution Rebirth」開発途中の映像や設定資料など、普段なら絶対に公表されないものばかりで、参加者は満足だったに違いない。また蘊蓄含めて木原氏との濃い時間を共有できたことも有意義だったのだろう。その木原氏は、次作があれば「重力」をメインテーマにしたいと思っていると参加者を喜ばせる。次回作があればどのようなこだわりを見せてくれるのか、興味はつきない。

[加藤亘,ITmedia]

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