レビュー
2005/11/16 18:10 更新

「忍道 戒」レビュー:
奇想天外な忍たちがシノギを削る、ヘビメタチックな戦国絵巻 (1/4)

時代劇物のアクションでは定評のあるアクワイアが、硬派なタイトルを多くリリースしているスパイクと組んで作り上げた忍者活劇。凝ったアクションと、大名家同士の権力争いを再現するシミュレート性を一体化したことで生まれた、新趣向の面白さに注目だ。

主人公は、名門忍者軍団、唯一の生き残り

 侍や忍者という存在は(サムライやニンジャと言ったほうがいいかもしれないが)、「ウィザードリィ」の昔から、ゲームにひんぱんに登場する人気キャラクターである。特にアクションのジャンルでは、ファミコン時代以来、「時代劇もの」というひとつのサブジャンルが構成できるほど、多数のタイトルがリリースされている。

 現在、このサブジャンルにおいて、名前だけでユーザーを安心させられる開発会社といえば、筆頭に挙がるのがアクワイアだろう。そして「忍道 戒」はその看板にふさわしい、優れたアクションに仕上がっている。

 主人公となるのは“鴉のゴウ”と呼ばれる、ひとりの忍者。彼は、宇高多(うたかた)の地を治める大名・一条家に仕える「飛鳥忍者」の中でも腕利きと知られる忍者である。ただ、ゲームが始まった時点でゴウはそれを知らない。というか、忘れている。実は、飛鳥忍者は何者かの手によって全滅させられてしまい、その事件に絡んでゴウは記憶を失ってしまったのだ。

 いったい自分は何者で、過去に何が起こったのか? 再び忍として生きる道を選んだゴウは、依頼される仕事を果たしていきながら、自分自身の謎をも解明していかねばならない。

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主人公“鴉のゴウ”。黒ずくめの忍者装束をまとったスタンダードな忍者だ。なお、ゲームを進めてある条件を満たすと、“金糸雀(カナリヤ)のキヌ”というクノイチもプレーヤーキャラクターとして使用可能になる

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ゴウは暗黒の術によって、魂を抜かれてしまっている。彼の魂は紫に光り輝く「魂の欠片」という石になり、しかも8つに割れて各地に散ってしまった。記憶を取り戻すためには、魂の欠片をすべて集めることが必要になる

 また、ゴウが所属していた飛鳥忍者は、宇高多の守護者でもあった。この強力な後ろ盾を失った宇高多の地は大混乱に陥り、政情は一気に不安定になる。それに目をつけ、諸国から忍者軍団が乗り込んでくる。彼らは名高い飛鳥忍者の生き残りであるゴウに対して、強いライバル意識を持っており、中にはその命を狙ってくる者も……ゴウは彼らとも戦っていかねばならないのだ。

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ライバルとなるのは3つの忍者軍団で、写真はそのうちのひとつ「多羅場(たらば)忍軍」。鎧に大砲や火炎放射器を仕込んだ、機械化忍者である。残る2つは、奥州にその名をとどろかせる「毛伸衆」と、全員が美人クノイチという「喪巣忍者」。そのとがりすぎた個性は、コスチュームデザインと合わせて、どこかヘビィメタルの匂いを漂わせる

 一族を皆殺しにされ、自分の記憶までも失った忍者が主役、というシリアスでハードな側面と、敵忍者に見られるヘビィメタル的なぶっ飛んだ発想、それが共存することで創り出された殺戮の狂想曲。これこそが本作の基本的な世界観と言えるだろう。

ボタンをフル活用して描かれる多彩な忍者アクション

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[水野隆志,ITmedia]

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