新しい! 渋い! 全国のゴルファーたちよ、クラブの代わりにペンを握れ「大人のDSゴルフ」レビュー(1/2 ページ)

11月10日に任天堂より発売された「大人のDSゴルフ」。タッチペンでショットを打つCMも話題になっている今作は、やはりそのニンテンドーDSならではの操作性が大きな売りのひとつだ。ひたすら渋くひたすら“大人”な新感覚ゴルフゲームの登場である。タッチペンでナイスショットを決めよう!

» 2005年11月21日 16時12分 公開
[仗 桐安,ITmedia]

ゴルフゲーム=タイミング目押しゲーム?

 家庭用ゲーム機におけるゴルフゲームの歴史を紐解いていけば、ファミコンの「ゴルフ」に行き当たる。この「ゴルフ」で採用された「横軸メーターシステム」は、ボタンを3回押すことでゲージの移動開始、パワー決定、インパクト決定を行うもの。タイミングよく目押しできるか否かがショットの精度に直結しているシステムだ。

 ゴルフのスイングにおける「ちゃー、しゅー、めん!」とか「みついー、すみともー、V○SAカード!」という動きをデジタルな表示に置き換え、なおかつ必ずしも毎回思い通りにショットできるわけではない、という点がアナログ性を産み出し、ゲームの面白さにも貢献していた。

 この横軸メーターシステムがその後のゴルフゲームに影響を与えた、というよりもゴルフゲームかくあるべし! という規範を作ったと言っても過言ではないだろう。時代が移り代わり2Dのドット絵から3Dポリゴンになっても、キャラクターやコースが増えて様々なギミックが追加されても、根幹の部分は変わっていないのだ。任天堂の「マリオゴルフ」シリーズその他の多種多様なゴルフゲームにおいても、現在プレイできるゴルフゲームは横軸メーターシステムを継承したものやアレンジしたものがほとんどである。

 筆者が知るなかで例外的なのはゲームキューブで発売された「わいわいゴルフ」だろうか。コントローラのCスティックを活かしたアナログな操作方法は、既存のゴルフゲームとはまったく違ったショット感覚が味わえた。今作「大人のDSゴルフ」に非常に似通っているのだが、Cスティックを下にひっぱりパワー決定、上に倒してショット、というものだ。その斬新さには正直驚かされた。

 しかし慣れとは恐ろしいもので「マリオゴルフ」にどっぷりはまっていた当時の筆者からすれば、斬新だけど少し難しいと思ってしまったのも確か。ハマりそうでハマれず、やめてしまったのを覚えている。また業務用ゲームに目を移せば「セガゴルフクラブ ネットワークプロツアー」のショット方法もアナログ感覚を意識したつくりになっていた。

 とにかくゴルフゲームといえば横軸メーターシステム。タイミングよくボタンを押してなんぼ。それが今までのスタンダードだった。しかし今作はいともたやすくそのシステムを打ち破っている。もちろんそれはニンテンドーDS(以下、DS)というプラットフォームで、タッチペンというインタフェースがあればこその話だろう。DSで出るべくして出た新しいゴルフゲーム。それが「大人のDSゴルフ」である。

 ちなみに今作は、あのT&ESOFTが開発に参加している。T&ESOFTといえばゴルフゲームの老舗。「遥かなるオーガスタ」、「ゴルフパラダイス」などを手がけたソフトメーカーだ。そのゴルフゲーム職人のノウハウが今作には詰め込まれている。

上下で2Dと3Dが混在しているプレイ画面はなかなかおつなもの。

目から鱗! 直感的なタッチペンショット

 今作を語るうえで最大のポイントは、やはりこれ。タッチペンをクラブに見立てた直感的な操作方法は、プレイ開始時の画面上の説明でほぼ理解できる。クラブをひっぱり、パワーを決めて画面上のボール目掛けて思い切りスイングすればいいのである。

 ボールの芯をとらえることができれば真っ直ぐに飛んでくれるが、ボールの左側にあたると弾道が右に反れ、右側にあたると左に反れる。もちろんペンの軌道がボールにあたらなかったらエアショット、要するに空振りだ。ペンを移動させる速さによってヘッドスピードも変わる。とにかくタッチペンの微妙な動きが、ボールの飛び方に大きな影響を与えるのだ。

微妙なパワー調整が必要な局面もある。繊細かつ大胆に!

 最初は「ふむふむ、要はひっぱって当てればいいのね。簡単じゃないか」と高を括っていた筆者。実際にコースを回ってみると、思いのほか難しいことに気づく。油断するとボールの芯をとらえられないし、そのミスによる影響も予想以上に大きい。「えー、そんなに右に行くんすかー」と何度嘆いたことか。そしてヘッドスピードも重要。いくら芯をとらえていてもタッチペンの移動が遅いと充分な飛距離が得られない。落としたいところにボールを落とすには知識と技術と慣れが必要なのだ。

 プレイし始めのころは、おそらくパーをとるのも一苦労という状況が続くだろう。少し油断をすればトリプルボギーなんてざらである。特に難しいのがパット。芝の高低が視覚的にわかるのは従来のゴルフゲーム同様だが、今作独特の芝の読み方があるので、その法則に慣れるまでに相当時間がかかった。これは筆者が「みんなのゴルフ」などの従来のシステムに慣れ親しんでいるのが逆にアダになっているのかもしれない。

 今作ではパット時に赤いラインが表示され弾道予測をしてくれるのだが、これが曲者。そのラインが正解というわけではなく、あくまでも目安なのである。芝の高低の関係で強く打たなくてはならないときにはライン表示ほどには曲がらないし、弱めに打つ場合には表示以上に曲がることもある。そのあたりの感覚を得るには、とにかくいろんなシチュエーションでパットをやって学習するしかないだろう。

 風の強さ、雨、ラフやバンカー、ライの状況などが軌道に与える影響も、最初はつかみづらい。このあたりはさまざまな数値を計算して落としたいところにボールを落とす必要がある、「計算ゲーム」としてのゴルフゲームをしっかり踏襲している。パット同様にやればやるほど自分の知識とスキルがたまっていくので、必然的にスコアも伸びていく。

 筆者はゴルフといえば打ちっ放ししかやったことのない門外漢だが、おそらくこの感覚は実際のゴルフに近いのだと思う。最初はバーディーなんて無理だと思っていたホールで鮮やかにバーディーが決まったときの嬉しさ、グリーン手前のラフに落ちたボールを自分なりの計算に則って打ったらチップインしたときの達成感。計算がシビアでショットの不確定要素も多い今作だからこそ、そういった楽しさもよりいっそう大きく感じられた。

初めてバーディーをとったときは、思わず「よっしゃあ」と言ってしまった。

遊び応えのあるチャンピオンシップ

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