あなたもいっしょに「ゲームやろうぜ!」「ゲームやろうぜ!2006」で一獲千金を目指すための支援企画(1/3 ページ)

ソニー・コンピュータエンタテインメントが開催中のゲームクリエイターオーディション「ゲームやろうぜ!2006」。過去1995年から1999年の間にも6回開催され、その第3回合格者であり、「どこでもいっしょ」の開発者として知られている南治一徳氏と、SCEJシニアバイスプレジデントの桐田富和氏に、ゲームやろうぜ合格までの道のりや、今回の復活に至る経緯について話を聞いた。

» 2005年12月08日 18時51分 公開
[聞き手:今藤弘一,ITmedia]

 ソニー・コンピュータエンタテインメントが6年ぶりに開催するクリエイター発掘プログラム「ゲームやろうぜ!2006」。過去に開催されたこの企画の合格者であり、その後「どこでもいっしょ」というヒット作を生み出したのがビサイドの南治一徳氏だ。その合格までの道のりと、今回のゲームやろうぜ!2006の概要について、南治氏とソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン シニアバイスプレジデントである桐田富和氏に話を聞いた。


――「ゲームやろうぜ!」に応募しようと思ったきっかけを教えていただけますか。

南治一徳氏(以下、敬称略) シフトの方が第1回で応募して合格し、活動されていたんですが、TV番組でその特集をやっていて、それを見て「ああ、こういう企画があるんだ」と思って応募しました。わたしが合格したのは第3回ですね。そのときにはほかのゲーム会社に勤めていたのですが、仕事の区切りがついたところで、ちょうどいいタイミングだったんですね。

画像 ビサイド 南治一徳氏

――そのとき応募されたのは「どこでもいっしょ」のコンセプトだったのですか?

南治 いえ、全然違います。「どこでもいっしょ」は企画を出してボツりつつ、合格から1年後くらいに何とか企画が通って始めたものなんですよ。

――ということは、合格したときの企画はゲームにならなかったのですか?

南治 えーと、わたしの場合、企画では通ってないんですよ。企画っぽいものは提出したんですが、「ほんとにこれやりたい?」といわれて、「いやあまりこだわりはないです(笑)」とお伝えしたところ、じゃあまあ、合格してから何か考えようかと言うことになりまして。わたしはチームでの応募だったので、できるだけ良さそうな人を集めてチームを作り、その人たちで「がんばりたいんでよろしくお願いしまーす」みたいな、いま思うと相当無鉄砲なやりかたでした(笑)。企画はとりあえずおいといて、みたいな感じでしたね。当時はいい時代でした……。いや、よかったです。ありがとうございました(笑)

――どのあたりが採用の決めてだったのでしょう?

桐田富和氏(以下、敬称略) “猫耳”の企画を見たときかな。

南治 とりあえず2個くらい持って行ったんですよね。

桐田 その企画をやりたいって言われたらどうしようかと思ったけど(笑)

――猫耳って……どんな企画だったんですか?

南治 ふつうのアクションゲームだったんですよ。キャラの女の子が猫耳だったという……。あともう一つはレースゲームを考えていました。

画像 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン シニアバイスプレジデント 桐田富和氏

――そこから「どこでもいっしょ」が生まれるまではどういう経緯をたどったんでしょうか。

南治 いろいろ考えてはいたんですけど、いいアイディアが浮かばなくて。「どこでもいっしょ」の時は、ちょうどSCEから「ポケットステーション」が発売される、という話があって、これを使った企画もありだよ、と桐田さんがおっしゃったので、それをメインに考えたのが原型だったんですね。久しぶりにそのときの企画書を見たんですけど、ほとんどゲームの内容に触れていないものでしたが……。あの企画でよく通ったなと思います。そのあと、プレゼンを何度か経て、ゲーム化に至ったわけです。

画像

――プレゼンを通すのって大変でしたか?

桐田 それほど大変ではなかったと思いますよ。当時はSCEとしてもソフトの資産がなかったこともあって、ゼロからすべてを立ち上げなければいけませんでしたし。加えて、過去のゲームの延長線上にあるようなゲームを欲しいとも思っていなかったので、企画自体が斬新で、おもしろい“かも”しれないという、(売れるか売れないか)フィフティーフィフティーの企画であればゲーム化していたんですね。

 シリーズものであれば、8割か9割はゲーム化して問題ない、と考えられるわけですが、シリーズものを制作するだけの資産もありませんでしたし、ほかの会社が作っているようなゲームをシリーズ化しても意味がありません。斬新であり、おもしろそうであれば、まずは1回作ってみようというノリだったですね。

――ということは、これまでの「ゲームやろうぜ!」合格者の方々も、応募された作品がそのままゲームになるということはなかったわけですね。

桐田 応募作品がそのまま、というケースはないですね。作品もさることながら、基本的に応募された人なり、チームなりに対して“何か才能があるかもしれない”と、我々が感じてからがスタートですね。それに、わたしがすべてディレクションするわけではありませんので、それぞれのスタッフが“何か”を感じて、この人と仕事をしてみたいと思うか思わないか、ということが一番重要でしょうね。

 はじめは応募された企画をゲーム化しよう、という意図もあったのですが、スタートしてみて、それはちょっと違うかなと思いました。応募されてくる人たちと出会って、そこから新しく生まれてくるものに賭けてみようかと。

 今回は幅広く、いろいろな方面から応募してほしいと思っています。表現の可能性という観点からも、いわゆる“ゲーム”という形態である必要はないかもしれません。斬新なものであれば、応募していただいた作品自体を、いきなり製品化するという可能性もあります。

 お互いに、賭だと思いますよ(笑)。南治さんだって、本当にSCEが最後まで面倒を見てくれるか分からなかったでしょ(爆笑)。

南治 いや、その、一応は“しばらくは大丈夫”といわれていましたけど(爆笑)。

――とはいっても、開発中はSCEからのサポートがあったわけですよね。

南治 それはもうばっちりと援助していただきました(笑)。合格してから事務所がなかなか決まらなかったんですが、3、4カ月後にようやく決まりまして。そこで開発をしていました。応募したときは8人だったんですが、応募したあとに“必要だったら増やしてもいい”と言われていましたので、どこでもいっしょの時は、最終的には12人くらいで作っていましたね。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」