三国志演義のテーゼ「三國志II」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(4/4 ページ)

» 2005年12月14日 12時00分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

「三國志II」の戦略を現代に生かす

画像 もう1つ「三國志II」で加わった要素が「新君主」。オリジナルの君主を作って、三国志の世界に殴り込みをかけられる

 ゲームには出てこないが、三国志演義にはまだまだ数多くの策略が使われている。

 王允が董卓と呂布を離間させた美人の計。周瑜が黄蓋をわざと鞭打って、黄蓋の偽りの投降を曹操に信じ込ませた苦肉の計。曹操が漢の献帝を招き入れ、皇帝の名のもとに諸国に命令を発した「借屍還魂」。司馬懿がぼけたふりをして曹爽を油断させた「仮痴」の計等々。

 先ほど、「三国志の策略は、実戦で役に立つこともある」と書いたが、策略を生かせる場は、何も戦場だけとは限らない。

 孫子の兵法は現在、ビジネス書として読まれることも多いが、歴史書(または演義)に書かれた計略も、ビジネスの戦略・戦術に置き換えることができるだろう。

 社員の引き抜きや独立は日常茶飯事だし、企業同士の提携や合併も、広い意味での同盟策といえるかもしれない。

 イメージキャラクターに昔のアイドルを起用したり、昔のゲームを復刻して発売したりというのも、曹操が献帝を利用したような「借屍還魂」の応用とも考えられる。

 また、ここではとても書けないような、容赦ないライバル蹴落とし策もいくつか考えられるだろう。

 ただし「三國志II」では、あまり無茶なことをしすぎると“信用度”が下がる。信用度が低いと、武将の引き抜きが成功しにくくなったり、他国との交渉がうまくいかなかったりする。

 同盟国を攻撃したり、同盟国がどこかに派遣した使者をつかまえたり、同盟国と共同で他国に攻め込む約束をしながら、部隊を派遣しなかったりすると、信用度が下がる。また、他国の武将を引き抜いたり、他国に計略を仕掛けて失敗したりすると、その国から敵意を持たれる。

 現代でも、企業の信用度が低いと、なかなか商品が売れないし、マスメディアでも良くは書かれない。うまく立ち回ってイメージを良くすることが必要だ。

 ゲーム業界では、世間一般に対するイメージアップ戦略を苦手とする企業が、やや多いように感じられる。

(プロモーションで意味もなく芸能人を呼んでも、「借屍還魂」が成立するわけではない)。

 同業他社のみならず、マスメディアもいわば“戦い”の相手。同盟すべきときは同盟し、そうでないときは攻撃に備えて準備を行なう。そして戦いを未然に防ぐ(あるいは戦いを有利に展開する)ためには、計略も辞さない心構えが必要ではないだろうか。

(参考文献)
「三国志 人物事典」小出文彦監修・新紀元社
「兵法三十六計」守屋洋著・三笠書房
「全訳武経七書3 六韜・三略」守屋洋編著・プレジデント社
(C)KOEI Co., Ltd. All rights reserved.


前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  2. /nl/articles/2404/18/news025.jpg 生後5日の赤ちゃん、7歳のお姉ちゃんから初めてミルクをもらうと…… 姉も驚きの反応がかわいい
  3. /nl/articles/2404/18/news057.jpg 9カ月の赤ちゃん、バスで外国人の女の子赤ちゃんと隣り合い…… 人生初のガールズトークに「これは通じあってますね!」「ベビ同士の会話、とろけます」
  4. /nl/articles/2404/17/news037.jpg 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/17/news034.jpg 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
  6. /nl/articles/2404/18/news155.jpg 大谷翔平選手、ハワイに約26億円の別荘を購入 真美子夫人とデコピンとで過ごすかもしれないオフシーズンの拠点に「もうすぐ我が家となる場所」
  7. /nl/articles/2404/17/news179.jpg 「ケンタッキー」新アプリに不満殺到 「酷すぎる」「改悪」の声…… 運営元「大変ご迷惑をおかけした」と謝罪
  8. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  9. /nl/articles/2404/17/news129.jpg 「ハーゲンダッツ硬すぎ!」と力を入れたら……! “目を疑う事態”になった1枚がパワー過ぎて約8万いいね
  10. /nl/articles/2404/16/news175.jpg 「そうはならんやろ」をそのまま再現!? 「ガンダムSEED FREEDOM」のズゴックを完全再現したガンプラがすごすぎる
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」