実写映画と見まがうばかりの豪華キャストが登場――アニメ映画「銀色の髪のアギト」セレモニー(2/2 ページ)

» 2005年12月21日 14時43分 公開
[ひろいち,ITmedia]
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 続いてはじまったトークでは、出演者全員がアニメ映画初挑戦ということもあって、アフレコの難しさについて語られた。本作がアフレコ初体験という勝地さんは、「とにかく緊張した」とのことで、特に最初のうちは緊張から身体が熱くなり、洋服を脱いでズボンを捲り上げ、裸足になってアフレコに挑んでいたそうだ。緊迫したアフレコ現場でひとり裸足のまま収録に臨む勝地さん……。本人はいたって大真面目なだけに、想像すると少し笑えてしまう。しかしそこに、この仕事にかける意気込みと気合が魂を感じとれるだけに、その演技にも期待がつのらせてしまう。

 また、宮崎さんも「アフレコ経験が少ないために、自分に引出しやテクニックがなくて難しかったですね」と明かす。「体での表現と声での表現というのは、やはり大きな違いがある。言葉の演技というのは、セリフの強弱だけでなく、タイミングや息だけの演技など、とても幅広いものが要求されて大変でした」と、声だけで演じる難しさを強調した。

 そんな中、濱口さんだけが「演技を褒められまくりました」と自信満々。「この映画は僕のセリフで始まり、僕のセリフで終わるんです。成功か否かは僕にかかってます。ねぇ、監督」と、自らの役どころの重要性を熱く語った。ところが監督からは「濱口さんは、とにかく最初から元気がよかったですね。ぶっとんでました(笑)」と、その演技については深く触れなかったのが気になるところ。さらにはポソリと「最近の音響技術というのは進歩してましてねぇ……」と付け加えて、会場の笑いを誘っていた。しかし実際のところ、濱口さんはアドリブの演技が多かったそうで、芸人らしさを発揮してバシッと決めていたようだ。「僕がこんなに自信をもって勧められる作品は少ないです。ぜひ見てください。公開したらこっそり見に行きます」とは濱口さんの弁。

 その後のトークでも濱口さんは冴えていた。自らの着ているブルーのスーツを自慢げに見せながら「あおいちゃんに、似合うと褒められました。今日はディナーショーだと勘違いして意気込んできたんですけど(笑)」と、自らの天然ボケぶりを披露。続いてクリスマスの話題になると、「クリスマスはどう過ごすの?」と勝地さんに鋭く突っ込んで戸惑わせる一幕も。さらには「カインがため息をつくシーンがあるんですが、僕はリアルに演じようと気合入れて臨んだんですよ。演じたときも手ごたえ十分で、“よっしゃー”って思ってたら、“今のため息はおっさんぽかったので……”とNGをくらいまして。魂を込めすぎて実年齢が出ちゃいました(笑)」と、自らの演技についての面白エピソードも語ってくれた。さすがというべきか観客の心をつかむのがうまく、要所要所で笑いをとっては会場を和ませていた。

 続いては、杉山監督自身が役者の演技について触れた。「勝地くんが演じるアギトはとてもまっすぐな性格の少年で、実際の勝地くんに近いものがある。その演技も“アギトが実際にいるのでは?”と思えるほどでした」と絶賛。宮崎さんに関しても「映画への向き合い方、演技に対する姿勢というのが、僕自身も勉強になりました。演技ひとつに対して悩み抜く姿に、素晴らしい女優魂を感じました」と、感心しきりの様子だった。そして「映画の匂いのある人を使いたいと思ってのキャスティングだったので、顔ぶれにも演技にも大満足。ここまで凄く長い時間でしたが、素晴らしいスタッフに恵まれ、音楽・映像全てに胸をはれる作品になりました」と今の心境を語り、セレモニー前半のトークに幕を閉じた。

 後半は、本作のオープニング曲「調和 oto〜with reflection〜」と、エンディング曲「愛のメロディー」を歌う、KOKIAさんによるスペシャルライブが行われた。「温かく壮大な母性のなかに、切なさや優しさなどいろんなものを詰めこんだつもりです。映画に描かれている愛情の温もりを感じながら作りました」という「愛のメロディー」を熱唱してくれた。彼女の透き通る歌声と壮麗な雰囲気漂う曲に、集まったファンは映画への期待がさらに高まったことだろう。

 そして最後は会場を2階に移し、勝地氏と宮崎さんがグラスにシャンパンをそそぐグラスタワーのセレモニーを行い、イベントを締めくくった。豪華キャストのトークや、KOKIAさんによるスペシャルライブなどのクリスマスプレゼントもあり、ファンには一足早いクリスマスを満喫できる大充実のセレモニーとなった。

  • 2006年1月よりロードショー
  • 監督/杉山慶一 原案/飯田馬之介 脚本/椎名奈菜・柿本直子 音楽/岩崎琢 キャラクターデザイン/緒方剛志 アニメーションキャラクター設定/山形厚史 メカニックデザイン/安藤堅司・前田真宏 音響監督/若林和弘 副監督/吉川浩司 作画監督/山形厚史・恩田尚之 エフェクト作監/増尾昭一 美術設定/佐藤肇・中原レイ・菊地正典 3D監督/増尾隆幸 アニメーション制作/GONZO
  • アギト/勝地涼 トゥーラ/宮崎あおい ヨルダ/古手川祐子 カイン/濱口優(よゐこ) ハジャン/布川敏和 シュナック/遠藤憲一 アガシ/大杉漣
(C)GONZO/銀色のアギト製作委員会


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