「うちはメイド喫茶ではありません」――“喫茶店”としてのプライドをかけた再出発

2カ月のリニューアル期間を経て、正統派メイドさんが働くカフェ「Victorian Cafe Emily」か12月24日からオープンした。メニューも大幅に変更された新生Emilyを、1日早く訪問してみた。

» 2005年12月27日 12時03分 公開
[角田氷,ITmedia]

 新宿西口からほど近い、とは言え「こんな所にメイド喫茶が?」といぶかしがるような場所に「Victorian Cafe Emily」(以下、Emily)はある。控えめな入り口ではあるが、確かに中では数人のメイドさんたちが、オープン前に忙しく働いている様子が見える。リニューアルにあたって採用されたメイドさんは全部で7名とのこと。EmilyのWebサイトにも書かれているが、今回は「紅茶とコーヒーに詳しい」ことが採用条件となっており、応募者には何と3種類の紅茶/コーヒーのテイスティングまで行われたそうだ。

画像 白壁に小さな「Emily」の看板があるだけの静かなたたずまいだ

 リニューアルで大きく変更されたのは、何と言ってもメニューだろう。店長の橋本さんいわく「従来のEmilyは何にでもこだわりすぎ、手を広げすぎたのが反省点。これからのEmilyは“喫茶店”であることを重視し、フードとアルコールメニューを全面的に撤廃しました。その代わりコーヒー・紅茶は厳選した自信作ばかりです。他のお店ではなかなかお目にかかれないような、珍しい茶葉等も仕入れました」とのこと。

 確かにメニューを見ると、おなじみのダージリンやアッサムティーに加えて「ダージリン・シルバーニードルズ・マカイバリ」(3000円)、「桐木正山小種」(1200円)なども提供されている。蛇足ではあるが、紅茶の茶葉には白っぽく非常に柔らかい高級品で「シルバーチップス」と呼ばれるものがあり、シルバーニードルズはさらにその上を行く茶葉である。3000円という価格はちょっと立ち寄ってお茶する感覚にはそぐわないかもしれないが、真のお茶好きならばその価値が分かるはずだ。このほかにも、7人のメイドさん達によるオリジナル・ブレンドティーが用意されているのだ。風花さんによる「Couleur de miel」(はちみつくまさん)や椿さんの「Princesse de came'lia」(椿姫)という風に、それぞれの個性やイメージを象徴した紅茶に仕上がっている。こちらは各種1.000円と財布に多少優しいお値段なので、お気に入りのメイドさんが決まったら、オーダーしてみてはいかがだろう?

画像 変わったのはメニュー内容とスタッフのみ。店内の調度品などは以前のままらしい
画像 紅茶をサーブ中のメイドさんは、ななこさん。面接にて店長から「雰囲気がうちに合っている」と即採用だったとか
画像 キッチンで働くメイドさん達の姿、なんとなくグっときます。フードの提供がなくなったため、制服も長袖に統一された

 昨今のメイドカフェやメイドリフレなどと呼ばれる店舗が増殖するブームについてどう思うか、単刀直入に質問してみたところ、橋本氏いわく「うちはメイド喫茶ではありません。ですからメイドブームやメイドカフェブームとは無縁のところにあります」とキッパリ。また、「たとえメイド喫茶であっても“喫茶”と名乗る時点でそれ相応のサービスを提供できなければいけない」とも述べた。確かにメイド服をユニフォームに着て、ご主人様と発言してれば良いだろう、というような投げやりなサービス内容の店舗が乱立する今のメイドブーム。一線を引いてあくまでメニュー内容で勝負するという姿勢は評価できる。

画像 店長の橋本宗明氏
画像 まだまだ不慣れなメイドさん達に、紅茶の扱いや入れ方を指導している。いい絵柄ですよね……

 メイド喫茶のファンサイトなどでは「イスのすわり心地が抜群」などと評価の高いEmily。オリジナルのティーコジーといった小物は従来のままに、メニュー内容を一新して再スタートしている。取材時にはコーヒー用と紅茶用のカップを間違えて出してしまうなど、まだまだメイドさんたちも不慣れなようで、ドジっ子メイドを見たいなら今のうちかもしれない。

画像 店内は全面禁煙なので、スモーカーにはちょっとつらいかも
画像 半そでバージョンの制服は旧型タイプ? エプロンにはEmilyの刺繍入り。ヘアバンドではなくキャップな所が正統派メイドファンにはたまらないはず
店舗名Victorian Cafe Emily(ヴィクトリアン カフェ エミリー)
住所東京都新宿区西新宿7-15-13
営業時間正午〜午後8時

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」