2周目感覚でどうぞ――「オフライン専門」にやさしくなった完全版：「モンスターハンターポータブル」レビュー（2/3 ページ）

» 2005年12月28日 17時41分公開

[池谷勇人，ITmedia]

「オフ専」プレーヤーにも光明、大充実のオフラインモード

　「モンハンポータブル」の最大のウリ、それはなんといっても「オフラインモード」が大充実している点だ。“離れた友達や、見知らぬプレーヤーと力を合わせて戦う”という要素がなくなってしまったのは残念だが、かわりに従来は「ネットワークモード専用」となっていたクエストやアイテム、G級飛竜といった各種要素が、ついにオフラインでも解禁されているのである。

　良くも悪くもオンライン優遇で、オフライン専門プレーヤーとの格差が叫ばれ続けてきた本シリーズだが、これでようやくオフ専プレーヤーでもG級クエストに出撃して“赤フルフルきもっ！”とか鳥肌を立てたり、伝説の黒龍のブレスで一撃死したり、G級装備を作って“切れ味＋1ヒャッホーイ！”（切れ味が悪いとダメージも少なくなる上、攻撃をはじかれる）とかできるようになったというわけだ。

こちらがフルフル。分かりづらいかもしれないが、その姿はモンハンの中でも群を抜いて異様。これがさらに赤くなるというのだから……

　具体的には、これまでネットワークモードで拠点となっていた「街」がなくなったかわりに、これまで街が持っていた機能のほとんどが、オフラインの拠点である「ココット村」から利用できるようになっている。

　例えば従来のオンラインクエストは、新たにできた「集会所」で受注することが可能だ。街のショップで売られていたアイテムは、ドでかい荷物を背負った「行商ばあさん」が運んできてくれるし、組み合わせによって一時的なパワーアップが行える「食事」も、自室の奥にできた「アイルーキッチン」で可能――と、ココット村は以前のさびれ具合がウソのような充実ぶり。これまでオフ専で遊んでいたプレーヤーにとっては、涙が出るほどうれしいバージョンアップとなっている。

村長の後ろにある家が集会所。オフラインかオンラインか選ぶことができる

プレーヤーにやさしい新要素

　新たに追加された要素としては、先ほど触れたアイルーキッチンと、「ココット農場」がある。アイルーキッチンは、街のゲストハウスで行っていた食事に代わる要素。料理人としてアイルー（小さなネコのようなモンスター）を雇い、彼らが出してくれる料理を食べることで、一時的なステータスアップや特殊スキルの発動などの効果を得ることができる。

　アイルーたちにはさまざまな種類があり、それぞれ得意料理や使える食材、発動する「ネコの気まぐれスキル」が異なる。レベルを上げることで使える食材が増えたり、複数のアイルーを雇う場合には、シフトを組んで管理する必要があったりと、ゲームとしても楽しめるものになっているのが面白い。何より、軽快な音楽に乗ってフライパンを操るアイルーの姿はかわいらしく、殺伐とした狩猟生活にひとときの“癒し”を提供してくれることうけあいだ。

　また、ときおり発動するネコの気まぐれスキルには、スタミナ消費量が減少する「ネコの体術」や、はぎ取り回数がたまに増える「ネコの解体術」など、通常のスキル（防具の組み合わせで発動）にはない効果が得られるものもあり、狩りの強力な助けになってくれるはずだ（狙って発動させることは不可能、あくまで“ネコの気まぐれ”なので……）。

ネコの気まぐれスキルはあくまでランダムなので、まずは食事によるステータス効果をしっかりと覚えたいところだ

　村はずれにできたココット農場では、植物、虫、魚、キノコ、鉱石といったフィールド素材を自由に採取することができる。いずれも一定回数採取すると“枯れて”しまうが、クエストから戻ってくればまた復活する。

　回数制限付きとはいえ、これまでは飛竜狩りのついでに行うしかなかった素材集めが、手軽に村の中でできるようになったのはかなりありがたい。マメに通っていれば、序盤で不足しがちな「鉄鉱石」や「マカライト鉱石」といった素材も自然とたまっていくし、いちいち素材集めのためにフィールドで寄り道する必要もない。プレーヤーにとってはいいことづくめの追加要素と言えるだろう。

　また、農場の各施設は、村で買い物することで得られる「ココットポイント」を使って拡張していくことも可能だ。最初は採取回数も少なく、得られる素材も下位のものだけだが、拡張を重ねることで、虫系素材なら「のりこねバッタ」や「ランゴスタの刃羽」、鉱石なら「ドラグライト鉱石」や「ノヴァクリスタル」といった、かなり貴重なものも採取できるようになっていく。レベルや経験値といった成長要素が一切ない「モンハン」だが、プレーヤーの代わりにすくすくと広がっていく農場を見るのは、やはり楽しいものだ。