難解になっていく格闘ゲームに辟易している方へ「NARUTO ナルティメットヒーロー3」レビュー(3/3 ページ)

» 2006年01月10日 03時22分 公開
[篠崎薫,ITmedia]
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気分転換のためのフォローもバッチリ

 ただし、クリスタルを集めるためには何度もライバルたちと戦うのだが、戦闘→里を歩きライバルを見つける→戦闘……と、同じ作業を続けなければならないために、飽きがくるのも事実。ライバルが40キャラ以上いるとはいえ、ゲーム進行状況次第では限られた数人とのバトルを繰り返さなければならないこともあるため、どうしても中だるみしてしまうことがあった。そんな時に役立ったのが、短冊街の露店。ここでは、本編中に登場するムービーや音楽などをゲーム中に稼いだお金で購入でき、ナルトの自宅で鑑賞できる。ゲームに飽きてきたら、究極忍術のムービーを見まくってストレスを発散すると、再びやる気が起きるから不思議だ。

戦って負けたライバルたちは別な場所でヘコみ、一定時間が経過すると再び戦えるようになる。そのためストーリーを進めないと、いつまでたっても同キャラばかりと対戦することもある
ここで買い物をすれば、自宅に戻り鑑賞することができる。究極忍術のムービーは、どれもこれも良くできていて感心した

 他にも、白熱の遊技場でミニゲームを楽しむのも面白い。特にお勧めは“木登り修行”。一人または2Pと、どちらが先にてっぺんまで到達できるかを競うだけなのだが、これがやたらと熱くなれる。張り出した枝や降ってくる岩を避けつつ頂上を目指すのだが、枝に気づかずにぶつかったり岩に当たったりと、とにかく燃える。操作方法も左右移動だけと簡単なので、それもハマる一因なのだろう。友人が遊びに来ているときなども、難しい説明いらずでプレイできるため、お手軽接待ゲームとしても最適。残りの2つ、“熱血青春体操”と“テンテンの的当て道場”もルールが単純なので、こちらもしっかり楽しめる。しかし、頭の中を空っぽにして遊べるのは、やはり木登り。これで気持ちをリフレッシュして、再び“究極への挑戦”に挑む気持ちがおきたと報告しておこう。

熱い戦いが堪能できる木登り修行。アイテムを取ってスピードアップすると、枝が見えなくなって当たりやすくなる。それをギリギリでかわす爽快感がたまらない
ミニゲームは3つ用意されている。気分転換に遊ぶにはピッタリだ。

実際に戦って体験できるストーリーは、文字の説明よりもインパクトあり

 数あるモードの中でも便利なのが、これまでのナルトの活躍がわかる“ナルト英雄録”。ナルトというマンガやアニメがあるのは知っていたが、詳しいことはよく分からない……という人には、うってつけのモードだ。ここでは、ライバルたちとの戦闘を繰り返しながら、ナルトのこれまでを振り返ることができる。

 しかも、クリアするごとに“強敵との決闘”などで使用可能になるキャラも増えていくため、一石二鳥。ライバルと戦いながらキャラの相関関係も分かることもあって、非常に理解しやすい内容になっている。文字やムービーでこれまでのストーリーを見せられるより、かなりインパクトがあった。しかも、思った以上に盛り上がる作りになっていることもあり、本編より夢中になってプレイ。おかげで、アバウトにではあるが、ナルトがどのような物語なのかをすぐに理解できた。

ストーリーは全部で4章に分かれている
クリアするごとに、新たなキャラが使用可能になっていくのもうれしい

 この後に“強敵との決闘”を選ぶと、大量のキャラが出現しているので、友人などと対戦プレイしたい場合は、あらかじめこちらのモードだけでもクリアしておくといいだろう。とはいえ1Pvs2Pに限ってのみ、最初から全キャラ使用可能になるなどのサービスはほしかったところ。このあたりはちょっと残念だ。

これだけの数がいると、使いやすいキャラを探すのも大変かもしれない。なお、カラーバリエーションは各キャラ3つ用意されている

手堅くまとまった1本で、格ゲー派にも、純粋なファンも楽しめる仕上がり

 トゥーンレンダリングを用いて描かれたキャラはアニメに近く、見ていても違和感のない仕上がりになっているのは、さすがと言える。ムービーシーンもセル絵を用いずに絵柄を統一しているため、非常にまとまっているという印象を受けた。操作方法も簡単で、ナルトは好きだけど格闘ゲームはちょっと……という人でも、問題なく楽しめる。もちろん、格ゲー上級者でもシステムを堪能できる、なかなかバランスの取れた仕様になっていると感じた。ただし、“究極への挑戦”に登場するライバルはあまり強くないので、経験豊富なプレイヤーにとっては手応えが感じられないかもしれない。それでも、上級者も満足出来るシステムに作り上げられているという部分に関しては、素直に評すべき部分だろう。アニメDVDが同梱されるなどのオマケ要素も充実しているので、まさにファン必携のタイトルと言い切れる。また、このところ3D格闘ゲームばかりプレイしていたので、時には違う格ゲーも遊んでみたい、というニーズにも応えられるはずだ。お正月にもらったお年玉で購入したとしても、かなりの期間は遊び倒せるといえる。もう少しロード時間が短ければ……というのが、残念なところではあるが。

NARUTO ナルティメットヒーロー3
対応機種プレイステーション 2
メーカーバンダイ
ジャンル忍道対戦アクション
発売日2005年12月22日
価格7140円(税込)
(C)岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ (C)BANDAI 2005


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