良作に賞味期限なし――帰ってきたあいつらをやってみた:PSP4本まとめてレビュー(2/3 ページ)
頭の回転力が試される!? 「I.Q Mania」
「I.Q〜インテリジェント・キューブ〜」は1997年にPS用のソフトとして発売され、そのシュールな世界観と奥深いパズル性が人気を集めた、PS時代を代表するアクションパズルゲームだ。その後、PSで「I.Q FINAL」、PS2にて「I.Q REMIX+」と発売されたが、本作はI.Q FINALをベースに、I.Q REMIX+やオリジナル問題も多数加えた、マニアもうなるI.Qシリーズ最新作として仕上がっている。その総ステージ数は7000以上にも及び、1日に3問ずつクリアしたとしても、すべてを解くまでには軽く7年を超える計算になるほど。
こちらもルールは簡単で、画面の奥から迫ってくるキューブを地面に捕獲するだけ。○ボタンを押すと地面にマーキングが現れ、キューブが乗ったときにもう一度○ボタンを押すと、捕獲に成功する。キューブは、ステージと同じ色のモノと緑、黒の3種類。緑のキューブを捕獲すると、△ボタンを押せばその周囲9マスに存在するキューブを、一度に捕獲することが出来る。しかし黒いキューブを捕獲してしまうと、フィールドが1ライン削られてしまい移動範囲が狭まる。
この、緑キューブを捕獲した後の9マス捕獲できるチャンスと、黒いキューブとの位置関係を素早く把握できるかどうかが、勝負の分かれ目ともいえる(PH09入る)。キューブは時間とともに、容赦なく奥から転がってくるので、一瞬の判断と決断力がゲームの行方を左右する。
真っ暗な空間の中、キューブだけが存在するフィールドで、黙々とキューブを捕獲する。このシュールな世界観が、プレイしてみるとピッタリとハマる。あらかじめ設定されている規定歩数内にクリアできたときなどは、思わず「やった!」と声を上げてしまうほど。プレイしているうちにドンドンとコツをつかんでいくので、気づくととんでもない時間が経過していることもしばしば。
用意されているモードは、効率よくキューブを捕獲しI.Qを高めていくI.Q Maniaと、用意された100問をクリアする100 Attack、プレーヤーがフィールドから落とされるまで、どれだけ長時間キューブを捕獲し続けられるかを競うSurvivalの3つ。特に、Survivalは上手になるほど、いつまでもプレイし続けられるので、時間を吸い取られること間違いなしだ。
気になったのが、マーキングした床の位置が分かりづらい点。フィールドの左右どちらか端に移動すれば分かるのだが、中央に立ったりすると思った以上に分かりづらい。そのため、せっかくのチャンスを失ってしまうことも多かった。横幅が有り余っているのだから、真上から見た地図などを表示できる機能があれば、もっと快適に遊べたのでは? と思うのだが。また、間違ってマーキングしたのを解除するのには再び○ボタンを押すのだが、これも別のボタンに割り当たっていれば、もっと快適に操作できただけに残念だ。ひょっとすると、それが制作者サイドの意向なのかもしれないが、だとしたらそこまで意地悪にする必要はない、と思ってはいけないのだろうか?
位置関係が若干把握しづらいという部分はあるが、慣れればハマってしまうことは間違いないタイトルだけに、時間のあるときにプレイするのがいいかもしれない。実際、飽きるどころか、遊ぶほどに熱中してしまうゲームだといえるだろう。PSPで良質なアクションパズルが遊びたいという人には、ピッタリな1本だ。
爆弾男がPSPでも大暴れ!? 「ボンバーマン 爆風戦隊ボンバーメ〜ン」
今ではすっかり有名になったボンバーマンだが、オリジナルは20年以上前に稼働していた8ビットパソコン用に発売された作品「爆弾男」。ファミコンへの移植に際し、タイトルがボンバーマンへと変わっている。その後、PCエンジン版でマルチプレイでの対戦が確立し、パーティゲームの1スタンダードとしての地位を確立。人気を不動のものとしたタイトルだ。
本作は、ベースがボンバーマンであるものの、爆風戦隊という設定を採用しストーリーを盛り上げている。基本的なルールはボンバーマンと同じだが、アングルが手前から覗き込んだような感じの3D気味なので、これまでとは違って新鮮に見える。また、ストーリーモードでは、登場する敵が最初はドットなのだが、ステージが進むとリアルになっていくなど、いかにも今風といった感じだ。ほかにも、効果音などが英語で表記されているので、海外向けを狙って作られている? と思ったのだが、そのあたりに関しては残念ながら不明だった。
ルールは、爆弾の爆風を敵に当てて全滅させ、フィールドのどこかにある出口に到達するだけ。障害物を壊せば、お馴染みのパワーアップアイテムも登場するので、これを回収して効率よく敵を倒そう。ただし、あまりパワーアップしすぎてしまうと、プレーヤーキャラが炎に焼かれてしまうことになるので、ほどほどにしたい。
実際にプレイしてみると、基本がボンバーマンだからおもしろいのだが、フィールドが非常に見づらい。そのため、爆弾がうまくセットできなかったり、炎を避けきれなかったりするなど、弊害が多く発生した。しかも、炎の当たり判定も厳しく、1ドットでも主人公に触れていればアウトという感じで、かなりきつい。さらに、ロード時間が長いだけでなく、その回数も多いため、テンポのいいプレイにはほど遠いと感じるほど。自機が1人設定になっているため、やられると即ゲームオーバーになってしまうことも、大きな要因の1つだろう。チャレンジモードでクラシックを選んだ場合、ゲームオーバーから再び始めるまで、実測で45秒ほどかかっている。残念ながら、これではロードが遅いと言われても仕方がないだろう。
とはいえ、爆風戦隊という新機軸を狙ったことは評価できるし、何よりもボンバーマンなので、おもしろさは保証付き。見づらいのも、何度もプレイすれば感覚がつかめてくるので、そうなればそれほど問題にはならないだろう。年内に発売される予定のXbox 360版ボンバーマンも似たような視点で物語が展開されるので、その予習にプレイするのもありだ。
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