良作に賞味期限なし――帰ってきたあいつらをやってみたPSP4本まとめてレビュー(3/3 ページ)

» 2006年03月14日 17時09分 公開
[篠崎薫,ITmedia]
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サイコロを転がすだけなのに、なぜかハマる「XIコロシアム」

ルールはすぐに飲み込めるのに、実際にサイコロを転がしてみると、なかなか思い通りに動いてくれない。しかし、もどかしいのは最初のうちだけで、すぐに上達する

 ルールは単純なのに、プレイするとなぜかハマってしまうという、不思議なソフト。その代表格としてあげられるのが、この「XIコロシアム」だろう。1998年の6月に、PS用として発売された「XI[sai]」がベースとなっていて、本作はその続編を元に作られている。

 ルールは非常に明快で、フィールドにあるサイコロを転がして、目の数だけ縦横につなげれば消える。これを繰り返し、フィールドがサイコロで埋まらないようにするだけだ。例えば、3の目であれば縦横に3個、6の目ならば縦横に6つのサイコロをくっつければ、そのまま地面へと沈んで消えていく。その途中に、同じ目のサイコロを頃がしてくっつけるとチェインとなり、連鎖が発生するのだ。

コツをつかんできて、チェインが確実に出せるようになると、おもしろくてやめられなくなる

 しかし、ルールがはっきりと分かっているにもかかわらず、実際にサイコロを転がしてみると、なぜかうまくいかない。プレイしてみると分かるのだが、1の裏が6で2の裏が5、3の裏は4だと理解していても、隣り合う目がいくつなのかは即座に出てこないのだ。しかも、移動できる場所が限られているので、「あと1つ5の目をくっつければ消えるのに!」などということが、しょっちゅう起きる。ここでイライラするわけだが、それは自分の腕が、まだまだ下手だから。しばらくプレイすれば何となくコツがつかめてきて、上手に消せるようになる。すると、それまでのイライラやストレスが嘘のように霧散するのだ。こうなると、もう延々と中毒のように続けてしまい、やっぱりヤメ時を見失うことになる。この爽快感は、プレイした者でなければ分からないだろうから、是非とも遊んでみてほしい。

パズルモードを地道にクリアしていくと、テクニックを覚えるかもしれない?

 なお、用意されたモードは、1人で延々とプレイできるトライアルモードと、コンピュータまたは通信対戦相手と遊ぶバトルモード。5人までの対戦が可能なウォーズモードにパズルモードと、バリエーション豊かにある。日々、トライアルモードのSTANDARDでレベル100目指すのもいいし、LIMITEDを選び限られた時間内にどれだけのスコアを出せるか、自分自身との戦いを繰り広げるのも楽しい。

「レミングス」以外に共通するミニゲームは、小粒でも美味しく遊べる

「レミングス」を除く3本には、ミニゲームとしてアクイちゃんがボウリングに挑戦する「XIコロボウル」と「麻雀」が、最初から収録されている。2本とも、ゲームシェアリング機能を使えば相手に送れるので(後述のチケットをダウンロードしたミニゲームもすべてゲームシェアリング対応)、PSPを持っている人にプレゼントするのもいい。特に麻雀は、これだけでも普通に楽しく遊べるので、なかなかお得だと言える。

アクイちゃんが一生懸命ボールを投げる姿が可愛いXIコロボウル。しかし、見た目とは裏腹になかなかストライクは出せない
普通の麻雀だけに、延々と遊べてしまう。電車の中で手持ちぶさたになったときにはピッタリ

 また、オフィシャルサイトからチケットをダウンロードし、メモリースティックに保存することで、新しいミニゲームが遊べるようになるユニークな試みがなされている。最終的には15本まで増えるのだが、サイトに接続してダウンロードし、メモリースティックにコピーして……が、意外に面倒。無線LAN環境がなく、PSPとPCを接続するケーブルも持っていない人は、それらをそろえる必要があるため、タダでという訳にいかないのも惜しい。最初からミニゲームは収録されていて、チケットでロックを解除するだけなのだから、時限式にしても良かったと思うのだが。または、パッケージにPSPとPCを接続できるケーブルを同梱して発売するのが、一番ベストだったと考えるのは都合良すぎだろうか。いずれにせよ、もう少し敷居の低い方法であれば沢山の人がプレイしようと考えるのでは、と思われるだけに残念だ。

これがサイトからダウンロードできるチケット。もちろん、これを落としてコピーしても、ミニゲームは増えない。このような試みは評価できるが、もう少し敷居を落としてほしかった

 なお、「I.Q Mania」には「ボンバーマン 爆風戦隊ボンバーメ〜ン」と「XIコロシアム」の、「ボンバーマン 爆風戦隊ボンバーメ〜ン」には「I.Q Mania」と「XIコロシアム」、「XIコロシアム」には「ボンバーマン 爆風戦隊ボンバーメ〜ン」と「I.Q Mania」の体験版が、それぞれ補完し合う形で入っている。さわりの部分しかプレイできないが、少しでも遊べることに意味があるわけで、こういった点は大いに評価できるだろう。これをきっかけに、UMDの容量に余裕があるタイトルには、自社タイトルの体験版を入れられるだけ詰め込んでくれれば、他のソフトにも興味を持つ機会が増えるのではないだろうか。

温故知新という単語を思い出して、名作にふける春の夜を過ごすのもいいかも?

 元々がおもしろいタイトルだっただけに、プレイすればどれもハマることは間違いない。しかも、値段も税込みで3990円とリーズナブルなので、据え置き型ゲーム機用のソフト1本控えれば、うまくいくと今回の4タイトル中2本も買えてしまう計算になる。また、収録された体験版同士でも、誰か1人が製品版を持っていれば対戦が楽しめるのは、サービス精神旺盛と言えるだろう。この機会に懐かしの名作をプレイして、そのおもしろさに改めてハマってみるのもいいかもしれない。

 ちなみに、今回リリースされたタイトルでの、個人的なお薦め順位は「XIコロシアム」>「I.Q Mania」>「レミングス」>「ボンバーマン 爆風戦隊ボンバーメ〜ン」だ。ただし、あくまでも個人的な感想なので、ぜひとも体験版をプレイするなりして、自分の目で確かめてほしい。良いソフトに、賞味期限などはないのだから。

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