“初めて天外魔境をプレイする人がうらやましい”と愚痴もこぼれるほどのデキ「天外魔境 ZIRIA 〜遥かなるジパング〜」レビュー(2/2 ページ)

» 2006年04月07日 20時28分 公開
[小城由都,ITmedia]
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召喚、連携技がさらに戦闘を熱くする

photo 自来也の召喚獣であるガマ

 Xbox 360版になってもうひとつの大きな変更点は、主要キャラクターである自来也、大蛇丸(おろちまる)、綱手(つなで)の3人に、それぞれ召喚獣がいるということ。自来也はガマ、大蛇丸はヘビ、綱手はナメクジを召喚できるのだが、これは先に述べた3すくみ属性とリンクする。

 召喚獣は一緒に戦闘を行うことが可能で、主人公たち同様に経験点を取得して成長していく。この際、主人公たちがレベルアップすると、自動的に攻撃力や防御力といった数値が上がっていくのとは異なり、召喚獣は自分で上昇させるポイントを割り振ることが可能なのだ。つまり、主人公よりも召喚獣のほうが好きなキャラクターに育てることができるのである。


photophoto 主人公は自動的にレベルアップが行われるが、召喚獣は20ポイントを好きな項目に割り振ることが可能だ

photo 召喚獣が強力な炎を敵にぶつける「火炎蝦蟇」

 戦闘ではほかにも、召喚獣を呼び出しているときに繰り出せる「奥義」や、仲間とともに協力して繰り出す必殺技「連携技」がある。奥義にかんしては、それほど深くプレイしきれていないため、最終的にどのような技まで出せるようになるのかは分からないが、少なくとも初期の奥義はかなり強力だ。出し惜しみせずに、ひんぱんに利用していいだろう。

 一方の連携技は、とにかく種類が豊富だ。先にも述べたように、自来也たちはモンスターの属性にあわせて陣形を組み替えることができるのだが、その組み替えた陣形ごとに、複数の連携技が用意されている。陣形を変更させるコマンドや連携技を使用するには、「霊力」というMPに似たポイントを消費することになる。しかし、本作のすばらしいところは、これらを繰り返し何度も使用することで、消費する霊力のポイント数を減らせられることにある。仲間との連携度の上昇を、具体的な数字で体感することができるという仕組みになっているのだ。


photo 自来也の冒険はまだまだ続く。冒険の果てに何が待っているのか。また、PCエンジン版ZIRIAではエンディングのあるタイミングで何かをすると、ちょっとしたオマケがあったのだが……果たして本作ではどうなっているのだろうか?

 このように目覚しい進化を遂げた戦闘モード。一番近い感覚でいうと、昨今大人気のカードゲームだろうか。“あの属性はこっちに強くて、でもこの属性が弱いから、こうやって戦って……”と考えながら戦うのは、過去のZIRIAを知るものとしては、何とも新鮮な感覚だった。

 総括していうならば、これは新作だと思う。リメイクなんて甘っちょろい代物ではないのだ。昔のZIRIAをプレイしたことがある人なら、その大きく変化した部分に着目しながらドップリつかってほしい。Xbox 360版で、初めて天外魔境の世界に踏み込む人がいるなら……筆者はとても幸せなことだと思う。むちゃな話ではあるが、筆者はPCエンジン版をこのクオリティで遊びたかった。この感動を新鮮な気持ちで味わえるのだから、本当にうらやましいものだ。

天外魔境 ZIRIA 〜遥かなるジパング〜
対応機種Xbox 360
メーカーハドソン
ジャンルRPG
発売日発売中
価格7140円(税込)
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