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2006年04月20日 00時00分 更新

ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」:

ファンタジーなのにヘルメット魔界塔士Sa・Ga (1/2)

記念すべき第20回の「レトロゲームが大好きだ」ですが、取り上げるゲームはダジャレで決めました。とはいえ、この魔界塔士Sa・Ga(1989年・スクウェア)は、単に“ゲームボーイ初のRPG”というだけにとどまらない、個性的なゲームでした。

Sa・Ga県

画像 佐世保から特急みどりでやってきた。後ろの像は、はなわさんっぽく見えるが、「面浮立」という郷土芸能らしい

 前々回前回、ハウステンボスで撮った写真を載せたが、ハウステンボスから東京に帰る途中、佐賀駅で途中下車して、写真を撮ってみた。

 佐賀で写真を撮ったというただそれだけの理由で、今回取り上げるゲームを「魔界塔士Sa・Ga」に決めたのだが。

 こういう理由で取り上げるのが心苦しくなるくらい、このゲームはいいゲームだし、業界にもたらした影響も大きい。

画像 グラフィックの描き込みがすごい。当時のゲームボーイソフトの中では群を抜いていた

 魔界塔士Sa・Gaは、ゲームボーイ初のRPGである。

 このゲームが出るまで、ゲームボーイといえば、「テトリス」に代表されるような、シンプルなゲームの専用機といった印象が強く、RPGには向かない機種だと思われていた。

 しかし、これだけクオリティーの高いRPGが生まれたことで、ゲームボーイというゲーム機の価値が高まった。以降、ゲームボーイ用RPGは数多く発売されたし、RPG以外でも、ファミコンソフトに負けない本格的なゲームが多数作られた。

画像 使う武器によって、敵にヒットしたときの演出も異なる

 ただ魔界塔士Sa・Gaは、“ゲームボーイ初のRPG”というだけの作品にとどまっていない。

 “ゲームボーイのRPG第1弾”なのだから、とりあえず普通のRPGにしても、十分な売り上げは見込めるだろう(ましてや、「ファイナルファンタジー」シリーズのスクウェアだし)。だが魔界塔士Sa・Gaは、決してそんなゲームではなく、数々の意欲的な試みを行なっている。そしてそれらの試みが、強烈な印象を残したのだ。

Eat the meat

画像 力(攻撃力)、素早さ、HPをアイテムで成長させる。防御力は防具でアップする

 まず、システム面から見ていこう。

 前回の「百の世界の物語」でも感じたが、RPGの大きな魅力は、キャラクターの成長にある。ストーリーやグラフィックばかりに目が行くと、ついつい忘れそうになるが、優れたRPGは、成長システムも個性的だ。

 魔界塔士Sa・Gaは、成長システムを大きな売りとした。成長のしかたが異なる、3種類のキャラクターを用意したのだ。いずれも、「経験値を貯めてレベルアップする」という、普通の成長システムを採用していない。

 まずは“人間”。「ちからのもと」などのアイテムを使って成長する。アイテムは店で売っているので、成長させるためにはお金が必要になる。

画像 敵を攻撃できる特殊能力があるとないとでは、戦闘のやりかたにかなり違いが出てくる

 続いて“エスパー”。ファンタジーRPGにおける魔法使いと考えていい。戦闘後にランダムで能力が上がる。基本的に成長は早いが、力が弱く、直接攻撃でのダメージが少ない。そのかわり魔力は高く、店で売っている魔法の本を買えば、強力な魔法を使える。

 特殊能力を身につけることもあるが、戦闘後に別の特殊能力に変わっていたり、失われていたりすることも多々ある。

画像 せっかく肉が落ちてるんだからと、ついつい食べたくなってしまう。ちなみにレッドブルの肉を食べても翼はさずからない

 そして、最も個性的なのが“モンスター”。なんと、倒した敵の肉を食べて成長するのだ!

 敵の肉を食べることで、別のモンスターに変化する。前より弱くなることもあるので、肉を食べさせるかどうか、判断は難しい。

 4人のパーティーを、どのキャラクターで構成するかは自由。人間が多いと成長は堅実で、持てるアイテムの数も多いが、成長させるためにお金がかかる。おすすめはエスパーを多めに入れること。成長が早いうえに、サイコダガーやサイコソードがあれば、直接攻撃にも威力が出てくる。

 モンスターが多いと、成長もしづらいし持てるアイテムも少ないし、不利。ただ、モンスターがまったくいないパーティというのも寂しい気がする。モンスターを使えるというのは、このゲームの大きな特徴でもあるし、1匹は入れておきたいところだ。

 成長システム以外では、ほとんどの武器に、使える回数の制限があるのも大きな特徴だ。例えばロングソードなら、50回使った時点で壊れてしまう。魔法の本も同様に、使える回数が限られる。

 後半はあらかじめ予備の武器を持っておかないと、攻撃手段がなくなってキツくなる。

 それから、携帯機用のRPGということで、屋外でのプレイを考慮して、戦闘中とイベント中以外、どこでもデータがセーブできるようになっている。

 今でこそ、携帯機のゲームがいつでも中断できるのは当たり前だが、当時は画期的だった。

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