インタビュー
2006年05月02日 20時36分 更新

KOFマキシマムインパクト2:FALCOON氏インタビュー

「MI2」のプロデューサーになぜ大抜擢されたのか? (1/3)

3Dの新しい“KOF”はどう作られていったのか。「KOFマキシマムインパクト2」プロデューサーFALCOON氏に話をうかがった。イラストレーターからプロデューサーへの転身、そして氏の中にあった葛藤とは。

限定版に付属するアニメDVDを手に入れるチャンスは今だけ?

wk_060502mi201.jpg FALCOON氏

―― まずは「KOFマキシマムインパクト2」(以下、MI2)の発売おめでとうございます。おおむね好評な売り上げでスタートした、ということらしいですね。

FALCOON ありがとうございます。

―― 今回、初回限定パッケージには、MI2のオリジナルアニメDVDが付属していますが、これはもう完全限定ですか? 再販や、他のパッケージとして売る予定はないんですか?

FALCOON そうですね、再販分に付ける予定は今のところありませんから、本当にこれだけです。まさに探すなら今だ、と。ここはぜひアピールしておきたいですね。

―― それでは早速ですが、FALCOONさんは今回プロデューサーとしていろいろなイベントに登場されていましたが、前作ではキャラクターデザインのみ……でしたよね?

FALCOON そうですね。

―― 今回はプロデューサーでもあり、デザイナーでもありますが。

FALCOON さらに、ゲーム内のさまざまな部分のチューニングを行って、プロモーション戦略も考えてと、プログラミング以外の業務はほとんど全部携わりました。

―― そもそも、デザイナーがプロデューサーになる、というのは相当珍しいことだと思うのですが、どんなきっかけがあったんでしょうか。

FALCOON 実は、MI2のプロデューサーになる前、僕はスロット機の開発部署にいたんです。実際のゲーム開発に携わってこなかったということで、ほとんど社内的な認知もなくて。ただ、社内でもイラストのお仕事をちょこちょことやっていたので、絵の方は少し知られていたんですけれど、「あの人なにをしてるの? へー、スロットなんだ」っていう感じが続いていて。それで……実は、MI2のプロジェクトが始まる前に「切りがいいところで会社をやめようかな」と思っていたんですよ。

 実際、やりたいことが明確にあるわけではないんですけれど、知り合いの会社から「来ないか」という話があって。それにこたえようかな準備を進めてた矢先に、今の上司と知り合って、素直に自分の気持ちを話したら、慰留されることになったんです。そのときに「ゲームを作らないか」と言われまして。でも、そこで「作るならせっかくだし、中身も全部やりたいですね!」とワガママをずっと言っていました。

 僕はずっと格闘ゲームが好きで、いろいろなゲームをプレイしてきました。もちろん、自社のタイトルもやってきまして。SNK(プレイモア)から出るものには不満もあり、好きな部分もありで、いろんな思いがあったんですよね。ただ、自分の中に明確に「自分がもし格闘ゲームを作るならこうしたい」というのがあったので「それをやらせてくれるのなら、残りましょう」と。そうしたら、会社もそれに答えてくれて……たぶん「まぁ好きにやったらいいよ」みたいな感じだったんでしょうけれど……。ただ、「そのかわり成功してくださいよ」みたいな。2004年の10月くらいでしたね。

―― ちなみに、引き抜きの話はどんなところから?

FALCOON 某ゲームメーカーさんと、あとほかに3つ。ひとつはイラストレーターとして、アニメの製作に関わるか関わらないかというのがあって。あとは、自分の好きな方向性でやってみたいので、アメリカに行ってみようかなと。その頃に手がけていたスロット機の開発が、ちょうど節目のタイミングだったので、いろいろと考えていた時期、というのもありました。

―― その時期にMI2の企画が立ち上がったんですか?

FALCOON いや、プロジェクト自体はもう存在していたんです。実は前作のキャラクターデザインを担当するにあたっても、おかしな話がありまして。もともと、「マキシマムインパクト」は、KOFの10周年に何かしましょうという企画があってシリーズを立ち上げたんですが、KOFを2Dから3Dに変えていく課程で、開発を外部の会社に委託しているんです。当時の僕はそんなことも知らなかったんですけども。

 それで、スロット機の開発をしているときにプライベートのメールアドレスにその開発委託先から「KOFのデザインしませんか」という依頼が来たんですよ。「今度KOFの3D格闘ゲームを作ることになったので、その衣装デザインをしてもらいたいんですけど」って。「FALCOONさんはフリーのイラストレーターさんでしょー?」みたいな(誤解)。

 「いやいや、僕は(SNKプレイモア)所属の、内部の人間です」というやりとりをしまして。スロット機の開発と並行してできそうな作業量だったので、同時進行でやっていきました。それで前作は、キャラクターデザインだけで終わったんですが……商品ができて、ふたを開けてみれば、社内で予想してたよりは売れた。じゃあ、これは2作目だろうということになったはいいものの、開発担当も決まっていないし、誰がやるのかということも決まってなくて。

―― ただ、2作目を作ることだけは決まっていたということですか。

FALCOON そう。「1がこれだけ売れるんだったら、2でもビジネスになるんじゃない?」ということで立ち上がって。それが、僕がやめるかどうかという瀬戸際のタイミングだったんです。ただ、僕は外に出ても「デザインだけなら外注として受けますよ」という話はしていたんです。

―― そうしたら「プロデューサーになれ」と?

FALCOON その時、部長に「MIはどうなんだい?」と聞かれて、正直に答えたんです。「いや、ゲーム的にはバランスうんぬん、ボロボロですね」と。「僕はデザインでは関わっていますがゲームの調整には関係していないので言っちゃいますが、プレーヤーとしての評価を言ったらあのゲームボロボロですよ」と。そうしたら、部長が「どうやれば面白くなるかわかっているの?」と言ったので「どうしたら面白くなるかまではわからないですけど、何が悪いのかはわかります。まずはそれを直さないと商品としてはだめですね」と言ったところ「じゃあ作れ」ということになったんです。

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[松井悠,ITmedia]

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