あの感動が再び蘇る。「VOICES music from FINAL FANTASY」DVD発売先行試写会

6月3日、「VOICES music from FINAL FANTASY」のDVD発売に先がけ、プレミアム試写会が行われた。開演前、FFシリーズの作曲を務める植松伸夫氏や、歌手のアンジェラ・アキさんが登場。出演者の絶妙なトークで、参加者は笑いの渦に巻き込まれた。

[塙恵子，ITmedia]

　2006年2月、2年ぶりにFFコンサート「VOICES music from FINAL FANTASY」が開催され、大盛況に終わった。そのコンサートが6月21日DVDとなって再びファンのもとへ届けられる。

　DVD発売に先がけたプレミアム試写会が、6月3日都内で開かれた。開演前FFコンサートの製作総指揮を務めた植松伸夫氏と、司会の片山理恵子さんのお二人が作務衣姿で舞台に登場。スペシャルゲストにアンジェラ・アキさんを迎えてのトークショーが行われた。

「MCはカットしたほうが良かったのでは……恥ずかしい」と片山さん（左）

　これまでファンクラブでの提供はあったものの、FFコンサートシリーズDVD化はこれが初めてのこと。今回用意された客席320席に対し、応募総数はなんと5000通を超えたという。およそ15倍の確率で当選した幸運な観客に、植松氏が「今年のつきはこれで終わったと思ってください」と冗談を言って会場を笑わせていた。熊本や兵庫など遠方からの来場者には、オリジナルTシャツが配られた。中にはうまいダジャレを言ってTシャツをゲットしていった人もいて盛り上がる。

　話は植松氏とアンジェラさんが共演した、ゲーム音楽コンサート「PLAY！」（シカゴで開催）に及んだ。その時の感想を「日本から来てくれてありがとうと言われて、とてもうれしかったです。アウェー感があったから、日本代表みたいな感じもありましたね」とアンジェラさんは語った。さらにアンジェラさんは「師匠（植松氏）に日本語で『大好きです』と話かけたり、FFが好きだから日本語の勉強を始めたという人がたくさんいました。師匠のファンは、みんな（興奮して）『はぁはぁ』している。日本だけかと思ったらアメリカでもそうなんです（笑）」とエピソードも明かし、会場は笑いが絶えなかった。

片山さんは「最近FFXIIをクリアして、アンジェラさんの曲がかかった時はうれしかった」と満足気だったが、アンジェラさんは「まだクリアしていないのでその時が待ち遠しい」と話していた

　その後、シカゴのTower Recordsで行われたインストアライブの模様と、アンジェラさんの4枚目のシングル「This Love」のプロモーションビデオを鑑賞する。貴重な映像に観客は釘付けだった。植松氏が「興奮してくると、アンジェラさんは半腰になるよね」と指摘すると、アンジェラさんは、「尊敬するTHE BLACK MAGES（植松氏自身のロックバンド）の興奮気味を若干パクらせていただいてまして。ひとりなので観客の中に飛び込むことができないのは残念なんですが……」と返すなど、最後まで絶妙なコンビネーションを披露していた。開演が近づくと、植松氏は「アンジェラさんとの会話は楽しくていつまでも終わらない」と名残惜しそうにしていた。

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左から植松氏、アンジェラさん、片山さん

　舞台挨拶後、共同記者会見が行われた。DVD発売の感想を聞かれると植松氏は、「コンサート終了直後は“サイコー”と思っていただけでしたが、DVDを見て反省点も見つかった。次につながる何かが見えてきました」とコメント。アンジェラさんは「自分のライブがDVD化されるのは初めてのことなんですが、植松さんとの出会いを大切にしているので、一生の思い出になると思います」と話してくれた。

　アンジェラさんに曲を提供する予定は？と問われると植松氏は「お話をいただければいくらでも。でもシンガーソングライターに自分の曲を歌ってもらう、そこの一点が気になるところ。やりづらいだろうなと思う」とアンジェラさんへの気遣いを見せる。一方アンジェラさんは「シンガーソングライターとして10年間以上活動してきて、これまでソングライターという部分にフォーカスしてきました。植松さんに曲を提供していただいて初めて、人に書いてもらった曲だろうが、自分の曲だろうがそれを自分のものとして表現することが大切なのだと分かりました」と植松氏に尊敬を表し、また次回作への意欲を見せていた。

　今後の予定として、植松氏は「具体的には発表できない」としつつも、近々コンサートも企画していると教えてくれた。その発表を楽しみにしたいと思う。