11回目のプロポーズ――やっぱりオレ……「KOF」が好きッス「ザ・キング・オブ・ファイターズ イレブン」レビュー(1/3 ページ)

2005年にアーケードに登場し人気を博している「ザ・キング・オブ・ファイターズ イレブン」がPS2に移植された。11作目の「ザ・キング・オブ・ファイターズ」は、前作「ザ・キング・オブ・ファイターズ2003」の正常進化版として楽しめる、ファンなら買いの一作だ。

» 2006年06月22日 15時01分 公開
[仗桐安,ITmedia]

「2005」じゃなくて「イレブン」なのです

 「ザ・キング・オブ・ファイターズ」(以下、KOF)シリーズは、1994年にアーケードに登場した「KOF'94」を皮切りに、12年の長きに渡って続いている2D対戦格闘ゲームだ。「KOF'94」は当時のSNKタイトル(「餓狼伝説」、「龍虎の拳」、「怒」など)の人気キャラが集まった3対3の新機軸作品として注目を浴びた。キャラクターが一堂に会するお祭り的な要素は強かったが、各国(「KOF'94」ではそれぞれのチームが国の代表という設定で、当時は自由にチーム編成を組むことができなかった)ごとのストーリーやキャラ設定もしっかりとしていた。

 ストーリーに関しては「KOF'95」でさらにディープなものになる。向こう3年をかけて語られるオロチ編がスタートしたのだ。主人公・草薙京とライバル・八神庵を中心に描かれたオロチ編は「KOF'95」、「KOF'96」、「KOF'97」の3部作で幕を閉じた。そして「KOF'98」は、ストーリーがない代わりに人気キャラ勢揃いのお祭り色の強いドリームマッチ的な作品だった。

 「KOF'99」からは新章・ネスツ編に突入した。主人公は草薙京からK'(ケイダッシュ)にバトンタッチ。謎の組織ネスツの野望を描くネスツ編は、以後「KOF2000」「KOF2001」と続き、オロチ編同様に3部作モノとして「KOF2001」で完結した。その次にリリースされた「KOF2002」は、「KOF'98」と同じスタンスのシリーズ総決算的な作りで、非常に楽しめる作品となっていた。

「KOF XI」の主人公はもちろんアッシュ! 筆者は彼が登場したときにしばらく女性キャラだと思っていた。「KOF2003」がリリースされたころにはクセの強い風貌に「こいつが主人公かよ」と違和感があったが、最近は慣れてきたので不思議なものだ

 そして「KOF2003」では、これまでの流れ通りに、3つ目の新しい物語が始まった。新主人公はアッシュ・クリムゾン。翠色に輝く特殊な炎を扱う謎多き青年だ。アッシュを中心に「KOF2003」で語られたストーリーは、オロチ編と因縁の深いものだった。ここまで実にKOF本編が10作品。毎年リリースされては2D対戦格闘ファンを夢中にさせてきた「KOF」シリーズだったが、2004年の正式なシリーズ続編のリリースは、残念ながらなかった(2004年には「KOF2002」をベースにした番外編的タイトル「THE KING OF FIGHTERS NEOWAVE」がアーケードで稼動し、翌年プレイステーション 2でリリースされている)。そしてファン待望の「KOF2005」は……と思ったら、「ザ・キング・オブ・ファイターズ イレブン」(以下「KOF XI」)が2005年にアーケードに登場。ナンバリング方法を変えて装いも新たに生まれ変わった新生「KOF」が誕生したのだった。

 ナンバリングは改められた「KOF XI」なのだが、そのシステムは前作「KOF2003」を土台に細かく改良が加えられていて好感の持てる仕上がりになっている。また、ストーリーのほうも当然のごとく「KOF2003」の続編。今までの流れから推察すればアッシュ・クリムゾンを主人公にしたアッシュ編3部作の中間に位置する作品だと言うことができる。オロチの存在を絡めた物語はさらに深みを増し、大勢の登場キャラクターの個性も際立っている「KOF XI」は、ファンなら押さえておいて間違いないタイトルだ。

前作をベースにしつつも、新要素満載

 アーケードで稼動中の「KOF XI」をプレイしている人なら、すでに前作「KOF2003」からどういった点が変更されているかはご存じだろうが、改めて紹介していこう。


 「KOF XI」で新しく導入されたシステムといえば、まずは「スキルゲージ」。これは対戦中にたまっていき、最大2ポイントまでためることができるもので、特殊な行動をする際に消費される。スキルゲージを1ポイント消費する行動は「クイックシフト」、「通常技キャンセル緊急回避」、「スーパーキャンセル」、「ドリームキャンセル」、2ポイント消費する行動は「セービングシフト」と「ガードキャンセルシフト」だ。

 これらをうまく利用することで、3対3の対戦を有利に展開させることができる。細かい仕様変更ではあるが、戦略には大いに影響を与えているシステムだと言えるだろう。特に超必殺技からリーダー超必殺技へと技をつなぐことができるドリームキャンセルは、一発逆転を狙える重要かつ面白い要素なので、積極的に狙っていきたい。

クイックシフトは技の戻りのモーションをキャンセルして控えキャラと交代できるスキル。攻撃の途中で間断なく別キャラにシフトして、さらに攻撃を加えることができるので、うまく使えば一方的な展開が期待できる

セービングシフトは、ダメージをくらっているモーションの途中で一瞬無敵状態になり、控えキャラと交代できるスキル。ボッコボコにコンボをくらっていても、これを駆使すれば抜け出すことができる。ピンチの時には重宝するありがたいスキルだ

ドリームキャンセルを決めることができれば、敵キャラに大ダメージを与えることは必至。パワーストック(超必殺技を出すために必要なゲージ)が十分にたまっていてスキルポイントが1ポイントたまったら、ドリームキャンセルで華麗に逆転だ!

画面中央上にご注目。インジケーターが赤い場合は1P、青い場合は2Pの勝利となる。とにかく、いかに効果的に相手に攻撃を与えていくかが重要。もちろん相手に連続技などを決められれば、インジケーターは相手側に傾く。コンボや必殺技を駆使してタイムアップ時の勝利を勝ち取ろう

 また、タイムアップ時に判定で勝敗を決める「ジャッジメントインジケーター」も「KOF XI」における新要素だ。画面中央上に、対戦中にどちらが優勢でどちらが劣勢なのかを示すインジケーターが表示される。優勢なプレイをしている側に傾くインジケーターがタイムアップ時にどちらに傾いているかで勝敗が決まる、というものだ。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/17/news023.jpg 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  2. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  3. /nl/articles/2404/17/news136.jpg もう別人じゃん! miwa、大胆イメチェンで面影ゼロに「まさかのこんな色になってるとは」「だれー!?」
  4. /nl/articles/2404/17/news111.jpg 「ぶち抜きたいです」 辻希美、懇願拒否された13歳長男が“荒くれ反抗”……息子の室内破壊に嫌悪あらわ「言葉が出ない」
  5. /nl/articles/2404/16/news185.jpg 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  6. /nl/articles/2404/17/news029.jpg 「キュウリが冷凍できるとは76年も生きて来て知らんかったなあ」 野菜ソムリエプロが教える冷凍&活用アイデアが328万再生
  7. /nl/articles/2404/17/news117.jpg 「虎に翼」、壮絶過去演じた16歳俳優に注目の声「違国日記の子か!」 「ブラッシュアップライフ」にも出演
  8. /nl/articles/2404/17/news025.jpg 築36年物件の暗くてボロいトイレをリメイク→ぐーんと垢抜け! 驚きのビフォアフに「すごいですね!」「天才」の声
  9. /nl/articles/2404/15/news081.jpg 【今日の計算】「13+8×2−11」を計算せよ
  10. /nl/articles/2211/26/news054.jpg 辻希美&杉浦太陽、15歳迎えた長女のレアな“顔出しショット”でお祝い 最近は「恋バナ」で盛り上がることも
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」