レビュー
2006年07月11日 15時37分 更新

「メタルスラッグ」レビュー:

3Dになった「メタルスラッグ」はアリなのか? (2/2)

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多彩な武器の使い分けで生まれる幅広い戦術性

 伝統を継承している世界観に対し、3Dになったことでシステムはどう変化したのか。2Dから3Dになったのだから、大きく変わったように感じるのが普通かもしれないが、見た目を除けば、実質的にはそれほど大きな変化はない。これまでにもあった駆け引きの面白さを3Dで再現しているのだ。その意味で、従来からのファンでも十分に楽しめると思う。

photo 威力は低いが、弾数無限のハンドガン。相当数撃ち込む必要こそあるが、トラックはもとより、装甲車、戦車、ヘリなどもこれだけ破壊することができる。ある意味、最後の頼みの綱だ

 駆け引きというのは、多彩な武器を状況によって使い分けていく、という戦術性。最初から使用可能なハンドガン以外の武器には弾数制限があって、好き放題撃ちまくれるというわけにはいかない。そこで、敵の数やタイプ、装甲の硬さなどを踏まえて、もっとも効果的な武器を選ぶ必要が出てくる。貴重な弾薬をどこで使えばいいのか。この選択が面白い。そしてそれは、3Dになってもしっかり受け継がれているのである。

 ハンドガン以外の武器としては、マシンガン、ショットガン、火炎放射器、ロケットランチャーなどの実在する武器から、レーザーガン、弾が敵を自動追尾してくれるエネミーチェイサーなどの架空武器までを含め、10種類以上が用意されている。これらの武器を使うには、ゲームを進めながら、捕虜を救出するなどして弾薬を入手する必要がある。

photo 威力と速射性に優れ、オート照準も可能なヘビーマシンガン。弾も100発単位で手に入るので使い勝手も抜群である

 武器に関してもっとも気を付けるべきことは、何と言っても銃弾の残り弾数だが、それ以外に照準機能も重要だ。照準をオートで合わせてくれるか、プレーヤーがマニュアル操作で合わせなければならないかが、武器によって異なっているのである。これもゲームに大きな影響を与える。

 例えば、ヘリのように高さが違う場所にいて、しかも動きが早い目標を相手にした場合、与えるダメージという点ではロケットランチャーがベストなのだが、この武器はマニュアル照準なので、その分、操作が難しい。ヘビーマシンガンならそれなりの弾薬を消費しないと落とせないが、オート照準なので扱いは楽だ。では、どちらを選べばいいのか? 特定の武器でないと壊せない、という目標はほとんどないので、その分、プレーヤーが考える余地が生まれてくる。この選択の幅の広さがメタルスラッグの面白さの核なのだ。

 さて、ここまでに紹介した武器は、まとめて「メインウェポン」と呼ばれ、□ボタンで射撃することになる。これに対し、○ボタンに割り振られているのが手榴弾、火炎瓶などで、こちらは「サブウェポン」と呼ばれる。

 複数の敵にまとめてダメージを与える武器が多いので、数で押され気味の時に役に立つ。加えて爆発時の威力も高いので、戦車などにも有効だ。数はそんなに手に入らないが、破壊力を考えれば補って余りある。これも捕虜を助けるなどして補充できるので、うまく使っていきたい。

photo 懐に飛び込まれた時には、下手に銃を撃つよりナイフのほうが便利だ。なお、血のエフェクトはオプションでオフにすることもできる

 ところで、サブウェポンにはストーンもある。何か新種の武器か? などと思ってはいけない。その名の通り、ただの石だ。これしかないなどという事態には陥りたくないが、実際の戦場でも銃弾が切れ、石を投げ合ったという。石は太古以来、戦争の中で使われてきた身近な武器なのだ。こうしたリアリティとジョークが混じり合ったアイディアが盛り込まれているのも、このシリーズらしい。

 また、ストイックさを追求したい人にはナイフがある。これは△ボタンに割り振られており、回数無限で使用できる。戦車などの車両兵器にはいっさい効果がないのは仕方ないとしても、敵の歩兵に対してなら十分に役に立つ。銃弾を節約するという意味でも、念頭に置いておきたいところだ。

陸海空にまたがって繰り広げられる大バトル

 メタルスラッグにおける戦闘は、歩兵戦だけではない。その戦いは、機動兵器に乗り込むことで陸海空へと広がっていく。マルコたちは、歩兵であると同時に、各種の最新兵器の扱いにもたけているというわけだ。まさにエリート軍人である。

 こうした機動兵器の中でも、もっとも代表的なのが、シリーズ全体のタイトルにもなっている高機動小型戦車メタルスラッグだ。これは、1人乗りの小型戦車で、なんとジャンプをすることができる。キャタピラで移動するのだが、段差があれば、ひょいと飛び越えてしまうのだ。ちょっと余談になるが、この戦車がジャンプするというのは、軍事常識から考えれば、相当な衝撃である。それだけに第1作がアーケードに出た時の驚きはかなりのものだった。しかし、逆にここまでぶっ飛んだ設定だからこそ、ミリタリーファンを大喜びさせたという優れたアイディアでもあったのだ。

 メタルスラッグは5つの部位から成っている。エンジンなど、駆動部分の中枢である「CORE」、移動力に関わる「CATERPILLAR」、メインウェポンである「CANNON」、補助武器である「VULCAN」、走行に関係する「ARMOR」の5つで、それぞれ新たなパーツを開発し、プレーヤーの戦術に合わせて組み替えることが可能だ。

 新パーツを開発するためには、ゲーム中を進め、設計図と鉱石を手に入れる必要がある。中盤あたりまではそれほどたくさんの設計図が手に入らないが、後半になるに従ってパーツがそろってくると、いろいろな組み合わせが考えられるようになっていく。一度クリアしたミッションは何度でもリプレイしてハイスコアを狙うことができるので、パーツがそろってきた段階で過去にクリアしたミッションに再チャレンジしてみるのもいいだろう。

photo 空中戦で活躍するのが高性能V-TOL機(滑走路なしでその場で垂直離陸ができる機体のこと)スラグフライヤー。戦闘機とのドッグファイトも陸上への攻撃も可能な空の勇者だ
photo シリーズの顔というべきメタルスラッグだが、決して無敵なわけではない。一定の耐久力があり、それ以上に敵の攻撃を受ければ破壊されてしまう。なお、もう持たないと思ったら、敵に突っ込ませて自爆させることもできる
photo パーツの交換だけではなく、カラーリングも変えられる。どんな装備で、どんなカラーにするか。好みと戦術の中であれこれ考えるのが楽しい

丁寧なチュートリアルやクリア後のお楽しみも完備

 可愛らしい4頭身キャラたちがちょこまかと動き回る本作。一見すると、おもちゃの兵隊が奮闘しているような、ちょっとファンシーにすら思えるグラフィックだ。しかし、その中身はこれまで紹介してきたように、正統派で手応え十分のアクションゲームである。武器の選択、歩兵戦闘、機動兵器による戦闘、メタルスラッグのカスタマイズなどがプレーヤーのさまざまな戦い方を可能にし、勝利へのアプローチが人ぞれぞれに編み出されてくる。試行錯誤と、それが成功した時の喜び。これは、ゲームのもっとも大切な魅力と言えるだろう。

photo チュートリアルでは、移動方法からさまざまな武器の使い方まで、アイカワ伍長のナビゲーション付きで丁寧に教えてくれる。ゲーム開始後、好きな時に再確認することもできる

 それを10年に渡って継承してきたシリーズの発展系である本作は、元もとアーケードゲームで発展してきただけに、1つのミッションはせいぜい1時間程度でクリアできるという、コンパクトで切れ味のいい作品に仕上げられている。しかも、懇切丁寧なチュートリアルやクリア後のエキストラゲームなども搭載されて、初プレイのフォローや繰り返し遊べるだけのボリューム感もたっぷりである。さぁ、後は戦場に行くだけだ。モーデンの野望をあなたの手で打ち砕いてやろう!

メタルスラッグ
対応機種プレイステーション 2
メーカーSNKプレイモア
ジャンルアクションシューティング
発売日発売中
価格7140円(税込)
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[水野隆志,ITmedia]

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