ド派手なアクションで、決めろ、スペシャルショット!「マリオバスケ3on3」レビュー(3/3 ページ)

» 2006年08月07日 18時44分 公開
[仗桐安,ITmedia]
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いずれも熱く楽しい4つのモード

 本作には大きく分けて「チャレンジゲーム」、「トーナメント」、「エキシビジョン」、「たいせん」という4つのモードがある。

画像画像 とにかく何回もやって失敗から学習しよう。己の限界に挑戦だ

 チャレンジゲームでは「プラクティス」、「スペシャルショット」という項目でそれぞれ技の練習ができるほかに、「ドリブルレースタイムアタック」という項目でドリブルの技を磨けるミニゲームを遊ぶことができる。文字通りタイムアタック要素のあるミニゲームで、ちらばる「?」マークから効率よくコインを回収してコインが100枚たまったらゴールできるというシンプルなもの。ルールはシンプルだが用意された各コートはそれぞれひと癖もふた癖もあり、最初はうまくコイン稼ぎができないはずだ。慣れてくると自分なりのルートや必勝法も見つかるだろう。何の気なしに初めてみたこのモードが筆者のツボにはまったようで、やり出したらけっこうムキになってやってしまった。本編の箸休め的にたまに遊んでタイム更新を狙ってみるといいかもしれない。熱いミニゲームである。

画像画像 最初のうちは弱い敵ばかりなのだが… 最後のほうのバトルは熾烈を極めるはず。腕を磨いてぜひクリアしよう

 トーナメントでは、これまたマリオカートなどでおなじみの「キノコカップ」に始まり、「フラワーカップ」、「スターカップ」とトーナメントを勝ち進んでいくことになる。各カップで遊べるコートはそれぞれ趣向が凝らしてある。中にはボスパックンの口にボールを入れるコートなどもあり、飽きさせない工夫がふんだんに盛り込まれているのだ。勝ち進んでいくと使えるキャラが増えるので、1人でのプレイではまずやり込んでおきたいモード。最後に立ちはだかる「レインボーカップ」の最終戦では、開発がスクウェア・エニックスだからこそ登場させられた刺客たちも登場する。その姿は実際にプレイして確かめてほしいが、かなり強い相手なので心してかかってほしい。

 エキシビションは、対戦タイムやコンピュータの難易度を自由に設定して遊べるモード。気軽にいつでもコンピュータ対戦ができるのが魅力だ。また、たいせんではDSワイヤレスプレイとDSダウンロードプレイが可能。注意したいのは、本体と本作を2つずつ用意するDSワイヤレスプレイでなければ本編のエキシビションは遊べない、ということ。DSダウンロードプレイで可能なのはドリブルレースとコインハンターのみだ。

 ドリブルレースは、前述したドリブルレースタイムアタックの対戦版と考えてもらえればいい。複数人でのドリブルレースはタイムアタックとはまた違った面白さがあって、けっこう白熱する。また、コインハンターは手持ちの50枚のコインを奪い合うバトル。いかにもマリオのミニゲームといった感じで、アイテムを駆使しての容赦ないコイン争奪戦が繰り広げられる。これらはこれらで十分に面白いのだが、願わくばダウンロードプレイでも本編のエキシビションがプレイできるようにしてほしかった。更に贅沢なお願いをさせてもらえるなら、Wi-Fi対戦をしてみたかった、というのが正直な感想だ。敵がいて、相手がいてなんぼのスポーツゲームなだけに、Wi-Fiで無限に対戦環境が広がれば、より長く遊べる良作になっていたと思う。

画像画像画像 対戦プレイはやっぱ熱いっす。点の取り合い、取られ合いが楽しすぎます

気になるところはあれど、秀逸なスポーツ系アクションゲーム

画像画像 個性的なコートの数々も魅力のひとつ。氷のコートはめちゃくちゃすべるので攻守ともに大変!

 本作はバスケットボールのゲームというよりも、「マリオバスケ」という名の「バスケをモチーフにしたアクションゲーム」という印象が強い。これは筆者の場合、褒め言葉であって、リアルなシミュレーターとしてのスポーツゲームよりも、こういうゲームだからこそ体感できるスポーツゲームというのが個人的に大好きなのである。マリオのスポーツゲームはいずれにもそういった「ゲームだからここまでやっちゃってOKっしょ!」というはっちゃけたものが盛り込まれているのだが、本作でもそれはいかんなく発揮されている。操作系統も良好で、各キャラの個性や性能もバランスよく練りこまれていると思う。

 ただいくつか残念な部分もある。前述したWi-Fi未対応というのも残念だった。トーナメント後半の鬼のような難易度も正直たまらなかった。某強豪チームに何度戦いを挑んだことか。全体のゲームバランスは非常によいと思ったが、このトーナメントのラストあたりだけは突出して難易度が高いので、非常にもったいない気がしたものだ。

画像画像

 とはいえ、タッチペンによるアクションという点においては、かなりよくできている作品であることは間違いない。スクウェア・エニックスと任天堂のコラボレーションと聞くと話題先行な感はあるが、内容としてはしっかりと楽しいマリオスポーツシリーズとして、その責務はまっとうしていると思う。ここでは言えないが魅惑の隠しキャラや隠しコートも多く存在し、やり込み甲斐も十分。バスケに興味がない人でも、「マリオの新しいアクションゲーム」だと思ってプレイしてみれば、その楽しさは感じてもらえるはずだ。ニンテンドーDSでしか体験できない軽快なタッチペンアクションで、回転するダンクシュートやスペシャルショットの気持ちよさをぜひ味わっていただきたい。

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