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2006年08月21日 00時43分 更新

「アニス&フリッキー」韓国メディアツアー(その3):

ローカライズと運営は開発とユーザーとの架け橋となること (1/2)

「アニス&フリッキー」のために現地韓国で、ローカライズおよび運営のために日夜勤しむローカライズ&運営チームの3人にインタビュー。あくまでも開発されたものをベースに安定したサービスを追い求めると語る。
wk_060821c01.jpg 左から日本から出向してきているGMO Games運営チーム吉本真也氏。中央が、ネットクルーローカルチーム部長カン・ボンソック氏。そして通訳もしてくれたローカルチームリーダーキム・サンウ氏

 ネットクルーは「アニス&フリッキー」を日本で展開するにあたって、現地韓国に数人のローカライズおよび企画・運営チームを設立している。元は韓国語で製作されているだけに、単純にテキストの翻訳から微細な表現まで、日本向けにどうしたらいいのかを日々検討している。開発元となるActoz Softとは車で数分の位置にあり、週に幾度かの打ち合わせはかかせないとローカライズチームは語る。

 実際、現地でローカライズを担当するネットクルーローカライズチーム部長のカン・ボンソック氏と、ローカルチームリーダーのキム・サンウ氏、そして日本から出向しているGMO Games運営チームの吉本真也氏の3人に簡単ではあるがインタビューを行った。

「アニス&フリッキー」はこうしてローカライズされる

―― まず、どういう流れでローカライズが行われているのか教えてください。

カン 簡単に説明しますと、韓国でのゲームを日本語に翻訳。しかるのち日本のスタッフがリライトします。テキストに関してはキムさんが。リライトを吉本さんが担当しています。流れとしては最初、ネットクルーを運営するスタッフが韓国のサーバーからどういうゲームなのかを徹底的に検証。2段階目がテキストやアップデートされるシステムを翻訳して、それを日本スタッフにより検証してもらいます。のち、テストサーバーでパッチをあてる。もちろん、ここでのテストサーバーはユーザーに公開されていないものです。最後に、テストサーバーで不具合をチェックし、システムを改善。サービスできるものへと調整します。そしてテスト終了後にユーザーへ公開するといった具合です。これは特に特別なものではありません。

―― ローカライズする立場で「アニス&フリッキー」をどう見ていますか?

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カン 我々ネットクルーは「コラムオンライン」の次の柱となるべくタイトルのライセンスを取得すべく、多くの新規タイトルを選出し協議しました。中には契約までいきかけたものまでありました。我々が精査する際、もちろん日本のオンラインゲーム市場も分析したのですが、どうも主人公はとことん格好良くて、女性はひたすら可愛くキレイなキャアクターであることが主流だと感じました。韓国のタイトルが日本でサービスする際、その特徴を見誤ったため失敗したところも多いと聞きます。アニフリの場合、日本が今まで主流と思われたものではなく、コミカルなキャラクターで、コントロールも難しいアクション性豊かなのが特徴と思います。だからこそ選んだわけですが。

―― なぜ日本では主流ではないと思ったアニフリを選んだのですか?

カン 現在日本のユーザーに多く支持されるキャラクターの主流は、これから変わるのではないかと推測しています。また、今まで日本で成功したタイトルは、これまで日本にはなかったものをサービスしたところだと思っています。だからこそ、あえて差別化されたジャンルで挑戦したかったんです。それにキャラクターは最初の企画段階でのイメージがよかったんです。アニスはボーっとして優しい子。フリッキーはひとりで何でもやっていく独立心ある感じ。現代の日本の若者と似ているかなと思ったわけです。ゲーム中役割分担がしっかりできるのもそうです。

―― ローカライズするにあたって気にしていることや、大事にしている点などありますか? 日本向けのサービスであったり、単なる翻訳以外に大切に思っていることがあると聞きましたが。

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カン 発表会で公開されましたが、イラストも日本向けだし、コスチュームはもちろん、顔やヘアスタイル、アイテムに至るまで、日本独自の要素が入ります。しかし、これは日本に限ってだからというわけではありません。他の国でも同様のことをします。本作はグローバルターゲットですから、どこの地域でも通用するものだと自負しています。まずは企画段階のものを崩さないということを前提と考え、そして作品の品質を高め、サーバーの安定を第一としています。

ローカライズや運営の基本――オリジナルの重要性

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―― オリジナル要素だけが際立って前面に出て、それからサーバーや運営の安定とするところも見受けられますが。

カン 我々としては、クオリティやサーバーの安定化など、基本的な部分を一番とし、独自要素はその次に考えるべきものだとしています。そして、もっとも重要なのが、開発者とパブリッシャーとの共通認識ではないでしょうか。韓国で開発されたものがそのままの形で日本でサービスされることもありますが、やはり日本のユーザーが必要としていることに耳を貸し、それを企画として開発に依頼したい。それには、パブリッシャーの力がどれだけあるかにかかっていると思うのです。調整がうまくいかないと依頼を受けてくれない場合もある。日本で成功するためにも、両社の関係がうまくいくよう力を入れていますし、近所ということもあり、頻繁にディスカッションを重ねています。ローカライズと運営は開発とユーザーとの架け橋になるべきですから。

―― 韓国ではオープンβテストが行われていますが、本作のゲーム性をどう受け入れられているのですか?

カン やはりマップが難しいとか、コントロールが難しいという声はありましたが、概ね好評のようです。日本では発表しただけに留まっていますが、今後は現状のティザーサイトではなく、公式サイトを製作し、ユーザーからの要望を広く募りたいと考えています。できれば8月末にはオープンを目指したいですね。

―― 現状ではどのような要望があるのですか?

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カン チャットのしやすさであったり、ゲームパッドへの対応などです。レースマップや○×クイズなどは、日本バージョンのみの機能を追加する予定なのですが、今後皆さんからのアイディア次第では、順次採用されることもあるでしょう。しかし、まだ日本ではサービスを行っていないので、なにを求めているかを入念にリサーチし、現在分析をしています。あくまでもユーザー中心の意思は変わりません。我々ローカライズチームは、もっと簡単に楽しくできることがなんなのかを常に考えています。できることならば、公式サイトから学ぶのではなく、ユーザーがユーザーに教え学ぶというコミュニティーができることを切望します。その助けとなるよう専用のブログなども企画しています。日本では情報や評価の共有化などもこちらと違って活発ですから、コミュニティー強化は責務ですね。

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[加藤亘,ITmedia]

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