レビュー
2006年09月06日 12時00分 更新

「こころを休める大人の塗り絵DS」:レビュー

脳と心にしみいる塗り絵の世界を、“大人”のあなたへ (1/3)

8月31日にアーテインから発売された「こころを休める大人の塗り絵DS」は、その名の通り「塗り絵」ゲーム。もはやゲームともいえないツール的なこのタイトルに実際に触れてみた。

携帯ゲーム機に移植(?)された「大人の塗り絵」

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 「グラディエーター ロードトゥフリーダム」、「メガミの笑壺」など、特徴のあるタイトルを世に送り出してきたアーテインの最新作が「こころを休める大人の塗り絵DS」だ。ニンテンドーDSで“塗り絵”ができるという、これまたなんとも異色作。河出書房新社から出版されベストセラーとなった「大人の塗り絵」シリーズを題材に、数々の塗り絵が収録されている。

 題材となった河出書房新社の「大人の塗り絵」シリーズは、2006年7月の時点で総計121万部を突破している人気の書籍シリーズ。「美しい花編」、「フランスの風景編」など数々のカテゴリーに別れており、それぞれ見本の絵画が掲載されたページと、見本をもとに塗り絵ができるページとが用意されている。

 昨今のゲーム業界で“大人の”と言えば「東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング」などに代表される一連の「Touch! Generations」関連のものが想起されるが、この「大人の塗り絵」もそれに近いスタンスを持っている。「塗り絵は子供が遊ぶもの」という従来のイメージを覆して、塗り絵によって脳の活性化をしよう、大人も塗り絵を楽しもう、と提唱しているのだ。

 色を選んだり塗る順番を考えたりすること、昔見た絵の記憶を思い出すことなどが、脳を活性化させる、と言う。一時よりは「脳の活性化」ブームも落ち着いてはきているようだが、それでも“大人”たちにとって若く健やかな脳を維持すること、脳年齢を若返らせることへの関心は高いようだ。「大人の塗り絵」シリーズがヒットした背景には、やはり“大人”たちの需要があったのだと思う。

画像画像画像 10点以上ある絵画はシンプルなものから緻密なものまで様々。どれから手をつけるかはプレーヤーの自由だ

 そんな「大人の塗り絵」シリーズがニンテンドーDSのタッチペン機能と手を組むというのは、実に違和感がない。ゲーム機としては革新的であるニンテンドーDSのインタフェースは、書く行為や描く行為とは相性がいい。

 ジャンルが「塗り絵」となれば、もはやゲームではなくツールである。しかし昨今のニンテンドーDSは、脳が鍛えられたり、英語をマスターできたり、辞書として活用できたり、料理のレシピを教えてくれたり、ということで、すでに何でもありの状態で多機能ツールとして活用されている。そんな万能型の優等生なDSくんは「塗り絵だってできちゃうんだぜぃ」と余裕の笑みを浮かべているようにすら思える。さてさて。携帯ゲーム機で塗り絵。そんな今までになかったジャンルを切り開いた本作は、いったいどのようなものに仕上がっているのだろうか。

リアルな質感とリアルな演出にこだわる、充実の「塗り絵モード」

画像画像画像 塗り太くんはことあるごとに登場する。かわいらしい小リスだ

 本作には大きく分けて、「塗り絵モード」と「ラクガキモード」がある。塗り絵モードは本編で、ラクガキモードはミニゲームなどを遊べるオマケ的な存在だ。

 塗り絵モードにはチュートリアルとチュートリアル(パレット)という項目があるので、突然プレイを始めても安心だ。チュートリアルでは基本操作方法を、チュートリアル(パレット)ではパレットの使用方法を、それぞれ本作のマスコットキャラであるリスの塗り太くんが説明してくれる。

 新規作成で塗り絵をする場合は、数ある絵画の中から好きなものを1枚選び、キャンバス地に使用する用紙を選択するところから始まる。その後、色鉛筆、水彩絵具、油彩絵具から使用する具材を選択し、BGMを数曲の中から選択したら、いよいよ塗り絵スタートだ。

画像画像 上画面にお手本が、下画面に塗り絵部分が表示される。タッチペンで塗っていこう。Lボタンを押せば画面の倍率が変わる。細かく塗りたいところは2倍表示で取り組むといいだろう

 筆者はまず「リンゴ」という絵を選び、色鉛筆で塗り絵をしてみた。もはや当たり前のような話だが、タッチペンによる筆運びは直感的という言葉を通り越して「まさに色を塗っている感覚」と言っていいほどに、すんなりとなじむ。最初のうちは、なぞろうとしているところと画面上のなぞられた部分がずれたりしてうまくいかないときもあったが、色がはみ出て気になる場合は消しゴムを使えばいい。画面右のアイコンで消しゴムを選択すれば、タッチペンが消しゴムに早変わりだ。

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[仗桐安,ITmedia]

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