PS3だからこそ設計できた“リアリズム”「RESISTANCE(レジスタンス) 〜人類没落の日〜」開発者インタビュー(2/2 ページ)

» 2006年10月02日 00時00分 公開
[聞き手:今藤弘一,ITmedia]
前のページへ 1|2       

――Xbox 360への移植は可能なのでしょうか。

プライス これだけプロセス集約的なタスクをこなす形でのゲームデザインができたのは、おそらくプレイステーション 3があったからだと思います。

 敵の動きを例に挙げると、それぞれがAIを持って行動しています。物理的な部分だけでなく、ナビゲーションについてもそうです。そこに手りゅう弾を投げると、1フレームごとにFPUへ情報が送られます。空間の位置情報や、どこを照準に狙っているのか、ものに当たってはね返った場合も、その情報がすべて送られ、その物理特性がどう変わったのかを演算しています。

 手りゅう弾がさく裂して50の武器に変わるんですが、この段階で50個のルーティンがFPUに送られています。1つずつの突起物がどこに当たるのか、どこに行くのか、そしてその突起物が次のルーティンとして何をトリガーにしているのかといった情報が、50個バラバラにFPUへ送られます。

 そして敵側は、撃たれたことによってまったく違うルーティンの動きをしなければなりません。それぞれの体の部位ごとの情報がFPUへ送られていて、打たれたことによっての反応でどう倒れ込むか、言うなれば床にどの部位が当たったことによって、どれくらいはね返ってくるのかという演算も全部、FPUへ送られることになります。

――体の部位はどれくらいのパーツに分けて考えているのですか?

プライス 28程度の部位に分けて計算しています。それぞれが違う動きをしますので、爆風で箱が破壊されるのを見るのも楽しいですし。いろいろなことが同時進行で起こっていきます。たとえば車を破壊するにしても、タイヤを撃ったらパンクして車体が地面にあたり、その反動でドアが開いたりと、細かいところまでこだわったゲーム設定をしています。これだけの現実味を帯びたゲーム設定ができたのは、プレイステーション 3があったからだと思っています。

画像画像 写真左 左下に写っているのが手りゅう弾。これをさく裂させると50に分かれたパーツがそれぞれの体の部位に当たるわけだが(写真右)、28にも分かれた体の部位ごとの情報それぞれについて演算しているという

――オンラインではどのように遊べるのでしょう。

プライス オンラインでは5つのモードで遊ぶことができます。「デスマッチ」、「キャッチザフラッグ」、「ブリーチ」、「メルトダウン」の4つのほかもう1つありますが、5つめのモードはまだ明かしていません。最大40人のプレーヤーとオンラインで遊ぶことができます。それぞれのモードごとで参加できる人数が違うのですが、40人から32人、16人、8人といった形で、モードによって変わってきます。

 「ブリーチ」モードは、20人の2チーム編成で、相手方の「リアクター」を狙って戦い合うというものです。もちろん相手方の「リアクター」を直接食い止めることもできますが、マップに柱がありまして、その柱を自分のチームが取っていくことで、機能を増強することもできます。これを使って相手に攻め込むこともできます。

 「メルトダウン」もチーム編成で対戦するのですが、「ノッド」と言われる柱を狙っていきます。相手方の陣地にある「リアクター」を狙うのではなく、「ノッド」を取っていくことによって、相手のエネルギー源を吸い取っていく、といったゲームになっています。ですので相手方の「ノッド」を全部取れば相手方のパワーがゼロになり、自爆してしまうというゲームです。「ブリーチ」は40人での対戦です。「メルトダウン」は40人、32人、16人で遊べます。

 オンラインゲームではカスタマイズが可能ですので、それぞれのプレーヤーが独自の味付けをすることができます。たとえば兵器を選ぶ際に「この武器で戦う」という制限を付けたり、強力な武器に対して時間制限を付けたりして戦う、といったことが可能です。

 なおオンラインでは「格付けシステム」が用意されています。自分が参加して勝利を収めればそれだけ自分のレーティングが上がります。またマッチメイキングにより対戦ができますので、初心者が熟練者と当たらないようにシステムが考えられています。

 また、オンラインモードを経験すればするほど経験値がたまりますので、ランクを上げることができます。軍隊のランクと同じです。自分のランクが上がるごとに「賞金」をもらえます。また、友達リストが用意されていますので、友達を集めてチーム編成をすることも可能です。その際には「パーティ」と「クラン」の両編成が用意されています。

 「レジスタンス」では100以上の統計数値を集積しますので、自分がどれくらいうまくなったのか、ライバルに対してどれくらい戦績を挙げているのか、何人くらい倒したのか、ノッドを何本取ったのか、フラグはどれくらい取ったのかと行った情報を、統計学的に集計できるようになっています。

 ここまで話したのはオンラインでのマルチプレーヤーモードですが、このほかにオフラインのマルチプレーヤーモード、協力してプレイするモードもあります。ですので、多様な遊び方ができると思いますよ。

画像

――オンラインモードには特別なマップが用意される、ということですね?

プライス そうです。オンラインのマルチプレーヤー専用マップをいくつか用意しています。ただしまだ最終的には固まっていないのですが、たとえば「デスマッチ」のマップを選んで、そこでどのような対戦場を選ぶのかといったことになるかもしれません。ただし、プレイしたいゲームをすぐに見つけられるということも重要だと思いますので、そこには注意しています。

――オンラインでは海外のプレーヤーとも対戦できるんでしょうか。

プライス 今のところは、日本のサーバは日本で、欧州は欧州、米国は米国といったように、それぞれの地域ごとでの対戦となります。ただし東京ゲームショウ2006のブースでも試しましたが、日本対米国といったこともできますので、技術的には可能です。

 しかし全世界的にユーザーがプレイするとなると、ラグが生じます。ただしラグは、今のところはそれほど大きな問題にはなっていないんですが、問題は言語でしょう。ヘッドセットのチャットをするときに、コミュニケーションには壁がありますよね。

――ただ、Xbox 360では海外のプレーヤーとも対戦できますし、チャット中に海外のプレーヤーの話が聞こえるのも、それはそれで楽しいと思います。

プライス 確かに今後は十分に検討すべき項目だとは思います。プレイステーション 3のいいところはアップデートをダウンロードできることです。将来的にそう言ったオプションを付け加えるのであれば、ダウンロードで対応できます。



前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」