FFXI「アトルガンの秘宝」2006年10月バージョンアップ体験記──全般的に考察してみる:「ファイナルファンタジーXI アトルガンの秘宝」(2/2 ページ)
アトルガンミッションには、ウィンダスの人気キャラクターも登場
今回のバージョンアップで追加されたのは、「泡沫の宝冠」以降のストーリー。ウィンダス連邦からやってきた、特命全権大使のカラババ(Karababa)にまつわる話で、今回PCは彼女に振り回されることになる。
追加されたミッションにはバトルフィールドでの戦闘もあり、そこではカラババと共闘できる。個性豊かな彼女の言動を是非楽しんでほしい。
新しい傭兵階級も追加
新たな傭兵階級として、“軍曹”、“曹長”が解放され、これにあわせて対応するアサルトがそれぞれ追加され、また、皇国軍戦績と交換で入手できる新たなアイテムも追加されている。
筆者も追加されたアサルト、軍曹以上で参加できるレベロス風穴の“アプカル繁殖指令”にリンクシェルのメンバーと挑戦してきた。フィールド内にいる16匹のアプカルのオスとメスの中から、相性の良いものを組み合わせカップルを作る、というのがこの作戦の目的だ。内部にはいると早速アプカルを発見。話しかけると、クァークピッなどと鳴き声をあげる。とりあえず、カップルを成立させるために他のアプカルを探すと、つれて歩くことができるアプカルを発見。が、ここでどうやってアプカルの相性を調べるのかという問題がでてきた。とりあえず、パーティ全員で手分けしてすべてのアプカルの鳴き声を聞いて回り、同じ鳴き声をしているアプカルがいないかを探してみる。PTチャットで座標と鳴き声、連れて歩けるかどうかを報告しながら回るが、同じ鳴き声のアプカルは存在せず。結局すべてのアプカルを調べるまもなく、制限時間の15分が過ぎ、失敗してしまった。
ここで作戦会議。全部のアプカルを調べたわけではないが、おそらく同じ鳴き声はいないだろうと判断。また、ボムが徘徊しているため、インビジなどのやり過ごす方法が必要なこと、1度失敗したらアプカルが元の位置まで戻るまで話しかけることができない上に、足が遅いため間違ってしまうと2度目のチャレンジなどが難しくなること、などの情報を出しあい方策を練った。結果、動かないメスの1匹に狙いを絞り、すべてのオスを連れてきてみるという作戦を採ることにした。ついでにこのときの鳴き声をメモしておき、後々法則性を見つけるために、成立した組み合わせを記録しておくことにした。結果、時間内に1組しか成立させることができなったが、一応、クリアすることができた。
なお、得られた不確定アイテムは???イヤリング。鑑定結果はシルバーピアスだった。
新タイプのクエスト“アシュタリフ号”
「アトルガンの秘宝」にて追加された要素で、人気の高いもののひとつとしてアサルトがあるが、それに似たタイプのクエストとして、“アシュタリフ号”に関するクエストが今回追加された。まず、アトルガンミッションをある程度進めておくことが条件。これにより、アサルトと異なり、参加に必要なアトルガン貨幣を用意することで誰でも参加が可能になる。アトルガン貨幣はギルにより売買できるため、これまでのバトルフィールド戦に比べ、格段に参加するための敷居が低くなっている(ただし、10月24日のバージョンアップによって、1日に1回しか参加することができなくなっている。ちょっと残念)。
このクエストは3段階に分かれており、1段階目をクリアすると次の段階のものを受けることができるようになっている。ただし、先ほどの1日に1回の参加制限はこの3段階すべてで共通となっている。
遠距離攻撃が使いやすく
以前、遠隔攻撃に、適正距離の概念が導入された。これは、銃や弓、クロスボウなどの遠隔武器それぞれに最高ダメージ・最高命中率が出せる敵との距離がかなり限定され、それ以外の距離では大きくダメージや命中率が減少されるというものだった。しかし、今回のバージョンアップにより、最高ダメージが出せる距離が広がり、さらに、ダメージの減少率が小さくなった。以前であれば、適正距離をはずれた場所から攻撃した場合、適正距離の6割程度のダメージしかでなかったものが、8〜9割くらいのダメージが出るようになっている。まだまだ距離による修正があるとはいえ、遠隔武器で戦う狩人などにはうれしい変更だろう。
侍と召喚士に大きな調整
今回のバージョンアップで侍に“八双”と“星眼”というふたつのジョブアビリティが追加されている。八双は両手武器使用時に攻撃間隔、命中率、STRにボーナスを得られるというもの。一方の星眼は少々複雑で、両手武器使用時に“心眼”を使った際、「心眼の再使用までの時間が半分になる」、「通常1回回避すると消える心眼の効果が消えないことがある」、「カウンター攻撃を行うことがある」という3つのボーナスが得られるようになる。ただし、八双と星眼を同時に使うことはできず、さらに魔法詠唱時間が1.5倍になるというペナルティがある。
あわせて、これまで1度修得した後効果の上昇のなかった“残心”も、修得レベルが60から20へと大幅に引き下げられ、以降は段階的に再攻撃の成功確率が上昇するように変更が加えられ、全体的に大きく強化された形となっている。
召喚士はこれまで1つだった召喚獣に特殊技を使わせる“契約の履行”が攻撃技を行わせる“契約の履行:幻術”と、補助技を使わせる“契約の履行:験術”の2つに別れ、これまでよりも攻撃技を使いやすくなっている。もっとも、使用するMPの量が減ったわけではないので、特殊技を使える機会は増えたが回数が増えたわけではないというところが悩みのようだ。
加えて、召喚魔法スキルが、各レベルのスキル上限値を超えている場合、さまざまな契約の履行に良い影響を与えるように修正が加わり、これまで召喚を行ったときにしか上昇しなかった召喚魔法スキルが契約の履行:幻術と契約の履行:験術を使ったときも上昇するようになっている。とはいえ、低レベルではスキルを上限値以上にするのは難しく、この修正の恩恵を得られるのは高レベルの召喚士となるだろう。
その他の変更点
今回のバージョンアップでは、ビシージや、ジョブの調整などが目立ったが、その他の変更点で個人的に良かったと思うのが、他のPCよりチャットモード“Tell”で話しかけられた際に、アラームを鳴らす機能。ちょっと画面から目を離したときなどに、タイミング悪く話しかけられて、気がつかないで無視してしまう、といったことがなくなるのは便利だろう。そのほか、今回触れなかったバージョンアップの詳しい内容は、オフィシャルサイトで随時公開されているので、そちらもあわせてチェックしておいて戴きたい。
進化し続けるヴァナ・ディール
FFXIは長い間、高レベルに達したユーザーに対する新要素として、難易度の高い様々な障害を用意してきたように思う。そして、その障害を突破した成果として高性能なアイテムが手に入る(「プロマシアの呪縛」で全ミッションをクリアするともらうことのできるリングや、デュナミス、リンバスなどが実例としてあげられるだろう)という面が色濃く出ていた。確かに、そういった歯ごたえのある戦いが楽しいのも事実だ。実際、筆者もミッションのBF戦でどうやったら勝てるのか、いろいろと作戦を考えたりするのは楽しかった。だが、そればかりでは、息が詰まってしまうのも事実だ。
アトルガンの秘宝以後、そういった面は少し和らいできたように感じる。新エリアのほとんどが高レベル向けではあるが、1度そのポイントにまで達していれば、以降はどんなジョブでもそこまで簡単に移動できるようにワープが用意されていることでも分かる。例えば、6人パーティで編成を選び、さらに薬品などの準備をしても勝てるかどうかに運が絡むような強力なモンスターとの戦闘が(今のところは)ないアトルガンミッションなど、アトルガンの秘宝以前の高レベル向けの高難易度のミッションやクエストなどとは明らかに方向が変わっているように感じた。
今回のバージョンアップにしても、ビシージをさらに盛り上げようと、単純に敵方を強化するだけでなく、PC側にも強化を行い、バランスを取ろうとしている。各ジョブへの調整も、ゲーム内で不遇といわれているジョブをなんとかしようと努力を感じる(これに関してはまだまだ調整が必要に思えるが)。アブゾタックの調整やアシュタリフ関係のクエストへの修正、追加されたアサルトの難易度など、一部旧来どおりの方向性を感じるが、7月のパッチでビシージの難易度が一時的にはね上がったのを、2週間程度で緩和されていることを考えれば、それらはあくまで例外。全体的にはユーザーの要望に応えようとしているバージョンアップだと思う。
アトルガンの秘宝以後、今回のバージョンアップまでを見ていると、開発サイドは、PC側がさまざまな能力を得て強くなっていくのにあわせて、それでも苦労するようなイベントやモンスターを追加していくような、歯ごたえのありすぎるゲームからの脱却を目指しているように感じる。それが果たしてうまくいくのか、今後のヴァナ・ディールの進化に期待しよう。
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