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2006年11月14日 21時15分 更新

NEXONは5つの新作を発表――事業戦略発表会でスタジオ設立など説明

「G★ 2006」で一番元気だったNEXONが、開発スタジオ制を導入している。それに伴いさまざまな施策がとられている。新作発表を含み、NEXONは確実に次なる段階へと飛躍しようとしている。
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 11月9日から12日まで韓国国際展示場で開催されていた「G★ 2006」において、NEXONは事業戦略発表会を行い、自社開発体制をスタジオ制に移行したことを発表した。また、新作についてもステージイベントなどで発表された。

 冒頭、挨拶に立った開発本部長のソ・ミン氏から、現状ある4つの開発スタジオについて説明を受ける。すでに自社開発チームをスタジオ制へと、ゆるやかな移行は行われていたが、今後はよりクリエイティビティを発揮できるものとして、開発の独立性と新規プロジェクトの立ち上げがしやすい環境構築を目指すとしている。

 北米や日本のゲームメーカーが、オンラインゲーム開発に進出している現状で、先発メーカーとしての成果に甘えることなく、開発に最善を尽くすという意思表示だとソ・ミン氏は語る。後述するが、品質管理と開発状況の把握のために“ハードルシステム”の構築も押し進めている。

wk_0601114nexon02.jpg これは前日の発表会での資料より。これだけの開発スタジオが動いている

 発表会ではまず、4つの開発スタジオが紹介された。これらの開発スタジオでは、すでに新規タイトルの開発が行われており、2007年には10本以上の開発ラインが整うとしている。開発ラインの安定のほかにも、プロジェクト終了に伴いあぶれるスタッフ救済の意味もあるとのこと。プロジェクト終了後にも迅速に次の新規プロジェクトに挑戦できるし、常にスタジオ内では新規プロジェクトが立ち上がり、確固たる基準の下、品質管理が行われるというわけだ。

  • 開発第1本部:MMORPGとFPSを担当。既存のタイトルとしては「風の王国」や「アスガルド」、「テイルズウィーバー」など。8月から韓国で正式サービスが始まり、日本でのサービスも予定されているMMORPGの「ZerA」もこの第1本部が担当している。チーム名などは今後決定されるとのこと。
  • 開発第2本部「ロドマニスタジオ」:は、日本でのサービスを予定している「KartRider」のほかに、「BnB」、「Big Shot」などを担当している。10日に公開された「Project BF」(プロジェクトバブルファイター)もここが担当する。今、一番元気がいいスタジオともいえる。上記のタイトルのほかにも2〜3つの新作を着々と準備している明かす。
  • 開発第3本部「デブキャットスタジオ」:すでに日本でもサービスインしているファンタジーMMORPG「マビノギ」の開発を担当。現在は第3の種族関連の大型アップデートに向けて鋭意開発中とのこと。北米市場展開が明かされた前日の戦略発表会では、Xbox 360版の「マビノギ」開発も公にされたこともあり、今後はコンソールタイトルも担当することになった。
  • 開発第4本部「ウィゼットスタジオ」:主に「メイプルストーリー」を担当。8月に買収したDOOBIC ENTERTAINMENTのスタッフを取り込んで、新作「プロジェクトブラック」などを担当する。

 これら開発スタジオ制の導入に伴い機能するのが、品質管理と開発状況を把握できる“ハードルシステム”となる。これは、開発スタジオ制という独立した規制を受けない自由な開発環境を構築しても、肝心のゲームそのものが独断的な狭い視野で製作されていたり、一定のクオリティに達することなく進んでいくことを防ぐ安全装置の役目を担う。

 このシステムは、内部開発スタジオでは細かく設定されたマイルストーンごとにチェックを受け、開発続行か中断かの判断がなされる。外部の開発スタジオの場合は、サービス開始時期の延長を含め、インフラの援助などを行い、ハードルを越えるプロセスを踏んでもらうとしている。安定した運営のためにも、この“スタジオ制”と“ハードルシステム”は競争していくために必要な両輪というわけだ。

 発表会では国内事業のパブリッシング展開の一環として、開発スタジオとは別にNEXON本社直轄の“クオリティマネジメントチーム”が設立されていることも紹介した。これはスタジオが開発したゲームのサービス時期やパブリッシングを、これまで培った12年間のオンラインゲームビジネスのノウハウに照らし合わせ、戦略的にどう売っていくかを決定する部署となる。目先の流れに惑わされることなく、長期的にゲームが運用できるようにしていく試みだ。

ステージで発表された新作紹介

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 「G★ 2006」のNEXONブースにおいてステージイベントが催され、5つの新作タイトルが公開された。すでに会場でプレイアブルにて出展しているカジュアル格闘ゲーム「Koong Pa」や、映像での公開もされたフル3DMMORPG「プロジェクトSP1」、オンラインサッカーゲーム「KickOff」のほかに、「KartRider」のキャラクターを使用してのシューティングゲーム「プロジェクトバブルファイター」、そしてリアル指向のFPSとして期待がかかる「プロジェクトブラック」だ。

「プロジェクトバブルファイター」

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 「BnB」と「KartRider」のキャラクターが自らの足でステージを駆けずりまわるかくれんぼシューテングアクションゲームが「プロジェクトBF」。会場ではイメージショットとティザー映像だけの公開となったが、発表の瞬間会場から歓声が上がったことから、期待度も相当高いことがうかがえる。武器アイテムやステージを多彩に準備していると壇上の開発第2本部“ロドマニスタジオ”のソ・ドンヒョン氏。

 「KartRiderの背景の中でシューティングが行われるというイメージです。今回、KartRiderで重要な開発陣が集結して製作されています。楽しみにしてほしい」と挨拶。2007年以降でのサービス化を予定しているが、内容についてはまだヒミツと明かさなかった。公開された映像からはKartRiderの可愛いキャラクターたちが水鉄砲を持って隠れんぼしながら攻撃しているようだったが……。


「プロジェクトブラック」

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 こちらも当日発表されたFPS。開発4本部の“ウィゼットスタジオ”が担当している。元々は8月に買収したDOOBIC ENTERTAINMENTが開発を進めていたもので、リアル指向の軍隊ものとなるようだ。

 会場ではイメージショットが公開されたのみ。ステージでは開発のために120丁もの銃器を資料として分析し、さらにそれぞれ“音”に固執し収録を行っているとのこと。銃声や戦場でのさまざまなノイズも再現されるかもしれない。現在、公開はしたものの、2007年以降のサービス化を予定しているとだけ明かすに留めている。


「プロジェクト SP1」

 Silverpotionが開発を手がける「プロジェクト SP1」は、1950年代の文化的モチーフとして、技術的には進歩した機械文明を仮想設定としたスリラー映画のようなMMORPG。フル3DMMORPGの本作は、シナリオに沿ったミステリー要素たっぷりなストーリー展開を、クエストと連携したプレイスタイルを提供したいとしている。

 刑事、ギャングスター、サラリーマン、記者、ボスの女、ボヘミアンと6種類の職業に則したシナリオを土台に、恐怖ただよう退廃的な広大な世界を漂うことになる。

 サービス開始時期などは未定で、2007年以降とのこと。

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「KickOff」

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 開発元はCYBER REVOLUTION SPACE。フットサルを題材としたカジュアルサッカーゲームである。組織的協力プレイと派手な個人技を具現化したリアルストリートサッカーを標榜している。

 キャラクターの体型や色、顔、髪型など、多用な変更ができ、プレイ経験やポイント獲得によって成長方向も決めることができる。3対3、5対5の人数で対戦することが可能だ。

 選手の動きはモーションキャプチャーで取り込まれ、カジュアルといえ本物志向。プレイが決まった時のアクション(ブレークダンスなど)も取り込まれている。


「KoongPa」(クンパー)

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 「君主」の開発を行ったNdoorsが手がけるスーパーヒーローによる変身コミック乱闘対戦アクションゲーム。最大8人までの対戦プレイに対応しており、コンソールやアーケードに見られる格闘ゲームの主要技術が適用されているため、コンボ技術やアクションを通じて、Free For Allまたは4:4 Teamプレイが楽しめる。

 格闘することで怒りゲージがたまるとランダムでスーパーヒーローへと変身し、一撃必殺の攻撃を繰り出すことができる。スーパーヒーローによって持ち技は異なり、その時々の運も重要なファクターとして勝負にからんでくることになる。選べるキャラクターは4種類。自分の格闘スタイルに照らし合わせ、まだ見ぬ変身後のスーパーヒーローの姿を夢想して戦いに望む。

 平面横スクロール格闘ラインをいくつか配置し、8人が同時に格闘できるマルチラインマップを採用。サウンドビジュアリゼーションシステムも組み込まれている。韓国国内では11月中に1回目のクローズドβテストが開始される予定。

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 どれも韓国国内だけでなく、グローバルな展開が計画されている。既存のタイトルについてもワンソールマルチユースの観点からライセンス事業などの多角展開を押し進めている。12年間のオンラインゲームノウハウをフルに効率的に使用していくことで、新たな市場開拓を睨んでいる。

 NEXONはすでに今年度、2600億ウォン以上の売上が見込まれており、国内だけでなく海外進出についても独自の方程式に則り粛々と進めている。北米市場への強化はもちろんのこと、日本市場のさらなる展開も約束しており、ますますその動向に目が離せない。

[加藤亘,ITmedia]

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