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2006年11月14日 21時30分 更新

NEXONにとって日本は特別――オンラインへの可能性があれば器は関係ない (2/2)

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ネクソンはさまざまな可能性を実現していく、次なるステップへ飛躍した

wk_0601111nexon17.jpg ネクソンジャパンCEOのデビッド・リー氏。10日の発表会の様子

 「G★ 2006」開催中、デビッド・リー氏と話す機会をいただいた。その際にも「KartRider」を含め、日本で展開するタイトルについて、認知度を高めるためにもマーケティングは必要で、先日発表した北米市場での展開と同様に、日本では日本向けにゲームパブリッシング事業のほかに、コンソールゲームやアニメ、グッズ販売などへの展開が必然だと強調していた。

 例えば11月10日に発表された韓国内の開発体制を「スタジオ体制」にしたことからも見えてくる。これは従来からあった開発本部を独立的、かつ専門的なものへと確立し、それぞれの個性を尊重させることが目的とされており、日本や北米では導入されているシステム。また、9日に発表した北米市場展開の強化にともないアレックス・ガーデン氏をNPNAのCEOに迎えたことも、事業展開していくことの強い意思表示であり、余裕ができたという表れでもあるという。組織的に幅ができたというべきだろうか。

 「2007年の上半期には発表したいが、日本でも新しい展開があります。それはスタジオ化ということではなく、今までにない変化を感じられるものにしたい。ネクソンジャパンに専任となったのも、例えばアニメ化であったり、アレックス氏のNPNAのことであったりと、グローバル展開と日本展開に集中したかったから。ゲーム開発スタジオが傘下にある状況は変わらないので、やっていることは実は変わらないんだけど」(デビッド・リー氏)

 この度発表されたXbox 360とニンテンドーDSへのコンソールゲームへの参入は、ネクソンがエンタテインメント会社として、当然の成り行きだったと説明する。ニンテンドーDSは、今までゲームをやっていない人や、今はやっていない人をゲームに呼び込んだ。オンラインゲームでも「KartRider」がそうだったと振り返る。

 「Xbox 360は北米市場展開を考えても、現状のコンテンツ的に可能性があると踏みました。Xbox Liveでの展開などビジョンが分かりやすく提案できるものだったんです。また、ニンテンドーDSは日本での状況を分析してもカジュアルテーストなものがウケがいい。そういうテーストであれば、ネクソンとしても可能性を感じるし、第一Wi-Fiに対応させることで、オンラインとはいかないまでも同様のノウハウで太刀打ちできると踏んだんです」とデビッド・リー氏は解説する。

 韓国市場はコンソール機が普及していないことから、あくまでもこれらの施策は、日本や北米展開のひとつ。だが来るべき将来、韓国でも遊びの指向が変化し、コンソールものが活性化するかもしれない。そんな時、これらのゲーム開発やマーケティングのノウハウは絶対に無駄にはならないだろう。

 そしてデビッド・リー氏は「来年は面白くなる」と予言する。「コンテンツメーカーとしては、オンラインの可能性があれば、モバイルも含め“器”は関係ない。プラットフォームメーカーではなくコンテンツメーカーが勝つ時代だから、我々はその時節にあった、ネクソンじゃないとできないことをするだけ。どのプラットフォームでもネクソンのタイトルが遊べるようにしたいんだ」と熱く語ってくれた。

 もちろん日本市場が難しいことは十分に理解している。例えば「メイプルストーリー」は非常に簡単でやりやすいタイトルだが、これらをうまくオンラインゲームを遊んでいない人に説明できるかが日本での課題だという。日本のユーザーは多彩な趣味趣向をもっており、しかも細分化している。そのため、他国に比べ分析や傾向など推し量るのが難しいというのだ。しかし、一度迎え入れさえすれば、一気に拡がる可能性があることも知っているとか。質が高く、価値を分かってくれたら惜しげもなくお金をかけてくれるのも日本のユーザーだから、そのきっかけを多く用意できるかが我々の仕事なのだと答えてくれた。

wk_0601111nexon18.jpg 取材に趣いた韓国のネットカフェ“PC房”でも「KartRider」で遊ぶ姿を多く見ることができた。「リネージュII」などのMMORPGやカジュアルスポーツの「フリースタイル」を差し置き、最近の流行は「スペシャルフォース」などのFPSとのこと。デートコースの定番のなっているPC房にはカップルも多く、男女関係なくゲームに興じる姿が見られた。1日の利用者数は500人程度で、1回の滞在時間は地域にもよるが1時間ほどだという。やはり夕食後の19時から21時くらいが一番混み合う時間

 ゲームクリエイターが新しい技術で自分の能力を試したいと、次世代機でのゲーム開発を夢見ることはできるが、現状開発費の高騰で中々実験的なタイトルに会社側はゴーサインを出せるほどどのメーカーも余裕はない。映画業界もそうだったように、ゲーム業界も続編主義が横行している。だから実験的であったり意欲的なタイトルは、モバイルコンテンツに多い。オンラインゲームであればまだクリエイターの能力を飛躍させる余力があるのではないかと、今後の可能性をアレックス・ガーデン氏が加わったことを例にして述べる。

 今後、コンソールゲームにおいても、パッケージが無料でアイテム課金というビジネスモデルが出現してもおかしくないという。もちろんネクソンもそれはやぶさかではないと、さまざまな可能性を検討しているのだとか。一瞬リスクが多いように思うが、次世代機もオンライン常時接続が基本となった今、プラットフォームメーカー次第というところも否めないが、オンラインゲームにあった潮流は、コンソールゲームにもやってくるのかもしれない。

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[加藤亘,ITmedia]

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