「大戦」? それとも「対戦」? 1粒で2度おいしい、Xbox 360初の「スパロボ」「スーパーロボット大戦 XO」レビュー(1/3 ページ)

Xbox 360に投入された最初のスパロボ、「スーパーロボット大戦 XO」は、ゲームキューブ版である「GC」の移植作品だ。しかし、各種改良と新要素、そしてなにより、ネットワーク対戦モードである「スーパーロボット対戦」の追加によって、独自の魅力を持った1本へとパワーアップを果たしている。

» 2006年12月14日 12時00分 公開
[鷲尾トモノリ,ITmedia]

Xbox 360初にして新世代機初のスパロボ

 これを読んでいる方の中に、「スーパーロボット大戦」シリーズについてまったく知らないという人はほとんどいないと思うが、一応説明しておこう。スーパーロボット大戦……通称「スパロボ」シリーズは、1991年にゲームボーイ用ソフトとして1作目が発売されて以降、リメイク作品や複数の機種への移植作品なども含めると、なんと40本近くが発売されている、息の長い人気タイトルだ。

 その内容は、古今のロボットアニメから選りすぐった多くのメカニックやキャラクターをユニットとして扱ったシミュレーションRPGであり、さまざまな作品のロボットが夢の競演を繰り広げる、ロボットアニメファンにとっては他に代え難い魅力を備えたタイトルなのだ。

 それだけに、このシリーズ作品は、実に多くのハードでプレイされてきた。ファミコン、スーパーファミコン、セガサターン、プレイステーション、NINTENDO64、プレイステーション 2、ゲームキューブ、ドリームキャストと、歴代の家庭用ゲーム機のほとんどに登場し、また、ゲームボーイ、ワンダースワン、ゲームボーイアドバンス、PSPなど、携帯ゲーム機用のソフトも少なくない。他にも変わったところだと、携帯電話のアプリゲーム版などもある。

画像 戦闘時のキャラクターカットインが追加され、いかにもスパロボという雰囲気が高まった

 そして、そんなスパロボシリーズの、新世代ゲーム機初参入となるXbox 360版がついに発売された。それが「スーパーロボット大戦 XO」(以下、スパロボXO)だ。これは、2004年に発売されたゲームキューブ用ソフト「スーパーロボット大戦GC」を移植したものだが、新シナリオや新ユニットが追加され、グラフィック面での強化が図られたことで、より完成度の高いゲームになっている。特に戦闘時の演出に関しては、ゲームキューブ版の時にプレイヤーが物足りなく感じていた部分の多くに手が入れられ、迫力と臨場感が格段に増しているのがうれしい。

基本に忠実なれど、顔ぶれはややマニアック

画像 主人公機は、スーパー系、リアル系ともに「換装システム」搭載。性能と外見を変化させることができる

 そんなわけで、この「スパロボXO」だが、やはり基本的な部分はこれまでの基幹シリーズ同様、スクウェアマップを使ったシミュレーションRPGとなっている。主人公は男女のどちらかを選択でき、その乗機も「スーパーロボット」系と「リアルロボット」系から選択が可能。ただし、主要シリーズ作品の多くにあったようなストーリー分岐は存在せず、代わりにサブシナリオと呼ばれる、繰り返しプレイできる特別なシナリオが、ストーリーの要所に現れるのが特徴だ。それによって、プレイヤーの腕に応じたレベルアップや、より自由なキャラクターの育成といったことができるようになっているのだ。

 他にも、原作でのキャラクターの特徴を反映した「精神コマンド」で戦闘を有利にできる点や、隣接したユニットに対する援護攻撃や援護防御といったお馴染みのシステムは健在。過去のシリーズ作品をプレイしていた人なら、すんなりと入っていけるだろう。

 そして、やはり気になるのが原作アニメのラインアップ。今作に参戦しているのは、「超獣機神ダンクーガ」「蒼き流星SPTレイズナー」「絶対無敵ライジンオー」「銀河旋風ブライガー」「銀河烈風バクシンガー」「銀河疾風サスライガー」「重戦機エルガイム」「無敵ロボトライダーG7」「最強ロボダイオージャ」「機甲戦記ドラグナー」「機動戦士ガンダム」「機動戦士ガンダム第08MS小隊」「機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争」「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダムZZ」「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ」「マジンカイザー」「未来ロボダルタニアス」の全19タイトルだ。

 このうち気になるタイトルとしては、なんといってもブライガー、バクシンガー、サスライガーの「J9」3部作だろう。ロボットアニメファンには根強い人気を誇っている割に、スパロボにはほとんど登場していなかった作品だけに、あの濃ゆいキャラクターたちの活躍は必見だろう。また、水戸黄門がモチーフのダイオージャや、元祖ライオンロボのダルタニアスといった、渋めの作品がチョイスされている点にも注目だ。

 一方、同じスーパーロボット系でも、もはやスパロボの常連といえるマジンガー、ゲッターロボの両シリーズ。しかし、ここでは、どちらもそのOVA版がピックアップされているのがおもしろい。特に、「真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ」を持ってきているあたりは、かなりマニアックだと思う。

 対するリアルロボット作品については、やはりガンダム系タイトルの数の多さに目が行く。初代ガンダムから「逆襲のシャア」までの、原作では十数年の時間の流れがある一連の作品がズラリと並んでいるのだ。これで「0083」が入っていないのが、ちょっと不思議ではある。

 残念ながら「スパロボXO」独自の追加タイトルはないが、もともとストーリーの中での各作品の関わりが、かなりいいバランスでとれていただけに、蛇足がつかなかったことをよしとするべきかもしれない。

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