ハンマーの前ではもはやメガ粒子砲は時代遅れの遺物!?――「SDガンダム スカッドハンマーズ」:+D GUNDAM その5――時代はやっぱりハンマーっスよ!(2/2 ページ)
天才科学者テムのきまぐれなひらめきにもうドッキドキ!
息子のアムロを強引にパイロットにさせ、道中の無理難題をそのアムロに押しつけワガママを通すあたり、いろいろな意味でこのゲームで最も輝いている登場人物は天才科学者のテム・レイだろう。ガンダムにハンマーを持たせた張本人だ。常にマイペースで事を運び、アムロの悲鳴などおかまいなし。それでいて、単なる迷惑キャラかと思えば戦闘後にはホワイトベースの修復をしたり、インスタントアイテムの解析や教育データの吸い出し、そしてジャンクパーツを使って「親父のひらめき」など、ちゃんと天才科学者らしいことをしてくれるのだ。
もっとも、親父のひらめきでできるパーツはきまぐれだし、装備品の解析に失敗して壊してしまうなど実害を被る迷惑な一面もあるが、成功した場合のメリットを考えれば……う〜ん、親父のひらめきはジャンクパーツを失うだけだからまだしも、装備品の解析に失敗した場合のリスクは大きいか。確かに、解析に成功して★をつけないとミッションを失敗した場合に装備品を失ってしまうので、解析を任せたほうがいいのはわかっているが、実際やってみるとかなり高い確率でパーツを壊されてしまう。ので、ミッション失敗で失いたくない★をつけたい優良パーツほど、解析にまわすのをためらってしまうこの歯がゆい感じ。これには困った(笑)。
まあ、ハンマー以外の装備品も多数用意されていて、シールドや強化パーツを選択して出撃するのは楽しいし、インスタントアイテムをたくさん集めて解析が進めば、それが装備品として使用できるようになるのもいい。また、教育データが蓄積していけば、ガンダム以外の新ユニットを入手できるようになる。ガンダムシリーズの劇中でハンマーを使った実績があるモビルスーツとして、あの∀ガンダムも手に入るチャンスがあるのだ。(ボルトガンダムも一応ハンマーが主戦武器ながら登場していないのはさびしいけど……。)それと、一応ハンマー以外の武器として、三連装ミサイルといった便利なアイテムも用意されている。
こういう要素を見つめるだけでも、テムはとてもいいポジションにいるなぁと。戦闘後のリザルト画面に登場するレビル将軍も「ビックリ戦果報告」で味のある存在感をしめしているし、ホント、本来の主人公であるアムロがこのゲームのなかではかなり影が薄い。このままでいいのか、アムロッ!
手首がすでに限界もまだまだやり足りぬ!
ハンマーに魂を込めて(大げさだなぁ)振っていると腕が疲れてきて、手首も限界になり湿布薬のお世話になることも。それでも、ちょっとずつ休みながら、ついついプレイしてしまう中毒性をこのゲームは持ち合わせている。戦いに臨むマップのほとんどが挑戦するたびに形を変えるランダムマップ生成で、毎回新鮮な気持ちでバトルに挑戦できるのが大きいだろう。ゴールポイントを目指しながらエリアを移動しつつ、最後に待ち構えるボス敵を倒すのがミッションクリアへの流れ。いくつものエリアを通っていくので1つのミッションがわりと長く、最後の方で失敗するとアイテムを失うだけではなく時間的な労力も失い、これがまた精神的にかなりイタイ! それにくじけず、ガンガンとハンマーを振り回すわけですわ。
登場人物たちのやりとりもとてもおもしろい。ガウを落とされたガルマがどうなったとか、それを演説で熱く訴えるギレンだとか、黒い三連星との戦いに参加したマチルダさんなどなど、その内容はゲームを実際にプレイして確かめてほしいが、アムロとテムのやりとりをはじめ、他のキャラクターの存在がゲームの雰囲気をグッと明るく楽しいものにしてくれている。一年戦争の流れを知っていると楽しめるのはもちろんだが、ファーストを知らなくてもそれはそれで新鮮な気持ちでゲームに臨めるはずだ。
店舗ではまだまだWiiが手に入らない状況が続いているようなので、これから本体購入を考えている人も多いはず。少しずつ対応ソフトのラインアップも揃い始めてきているが、そのなかでもこのソフトはぜひ押さえておいて欲しい1本だ。「SDはちょっと」と言われてしまえば返せないが、ガンダムが好きならばこれはプレイしておくべきでしょう!
さて、今日もまたハンマーを振り回すぞ!
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