手ごわすぎるぞ中学入試「平成教育委員会DS」レビュー(2/2 ページ)

» 2007年01月16日 00時00分 公開
[立花裕壱,ITmedia]
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手ごわすぎるぞ入試問題

 さて、本作に収録されているモードは全4種類。どれも楽しみながら頭が鍛えられるようになっている。それぞれ紹介していこう。

授業モード

 これはいわばメインとなるモード。オリジナルの番組を再現しており、時間割に沿って国語や算数などの各教科の問題を解いていく。最初に先生の挨拶から始まって、1時間目はお約束の国語。2時間目からは算数、社会、理科のどれかが出題される。3時間目が終わるとホームルーム、ドキドキの成績発表だ。

 出題される問題は、灘中や麻布中といった名門の入試問題から、オリジナルの問題まで幅広い難度のものが出題される。

 思い出せそうで思い出せない理科の用語や、小学生時代だったら絶対出来てたはずの算数の問題、パソコンに頼り切りでいつの間にか書けなくなってしまった漢字……。筆者は自分の頭脳の衰えぶりにがく然としてしまった。でも、灘中の問題があっさり解けたりすると、「ほら見ろ、これが実力だ!」といい気分になったりして。現金なもんだ。

画像 授業モードは北野武先生の挨拶から始まる。特定の日付には特別なメッセージをしゃべることも。ゲームでも、ちらっと毒舌ぶりも見える
画像画像 中学入試でおなじみ、漢字の読みを答える問題や、熟語を作る問題も多数収録。答えは必ず小学校で習うもの。知識よりもひらめきが問われる

 では、みなさんにも4つの教科の入試問題に挑戦してもらおう。スラスラ解けるかな?


国語

問:水を使った慣用句を入れ、言葉を完成させなさい。

[    ]演技に観客はうっとりした。

(慶応義塾普通部)

問:次の漢字の上下左右のどこかにあるひとつの漢字を組み合わせると別の漢字が出来上がります。その漢字を答えなさい。

皮、山、少

(灘中)

 漢字の問題は、答えを聞くと「ああ! なるほど」とうなってしまう良問が多い。できないとものすごく悔しいのが国語の特徴だ。

算数

問:12、18、21の最小公倍数を答えなさい。

(共栄学園中)

問:ある宝石店に2人組のどろぼうがはいり、たくさんのダイヤモンドが盗まれました。分け前に不満を持った子分が親分と言い争っています。

子分「親分、私にもう2個ください。そうすれば同じ数になりますから。」

親分「何言ってるんだ、子分のくせに。俺は親分なんだから、お前こそもう2つよこせ」

子分「じょうだんじゃないですよ。そうしたら親分の分け前が私の2倍になってしまうじゃないですか

親分、子分の分け前はそれぞれ何個ずつだったでしょう。(立教池袋中)


 中学入試の難関といえばやはり算数だろう。計算力だけでは解けない文章題には手を焼かされる。ちなみに筆者は最小公倍数という言葉すら忘れていた。最大公約数と間違う始末……。


理科

問:次の事柄に当てはまる動物を次の選択肢からすべて選びなさい。

【条件】親の乳で子供を育てる。

【選択肢】A:クジラ B:ワニ C:ゴキブリ D:ハマグリ E:ヤモリ F:コウモリ

(東洋英和女学院中)

社会

問:宮崎県の説明に関して、次の事柄から適当ではないものを2つ選び、番号で答えなさい。

【選択肢】1:フェニックス 2:ピーマン 3:鉄砲伝来の地 4:青島 5:リニアモーターカー 6:桜島

(洛南高等学校附属中)


 理科と社会は、単純な知識問題のほかに、上のような凝った出題形式のものもある。ひとつはわかっても、複数となるとグッと正解率が下がってしまう。

 問題の答えはぜひゲームで確かめてほしい。授業モードを何回か受けると、北野武先生から予告があり、次回は「模擬テスト」が実施される。授業で学んだ知識をしっかり生かさないと高得点は難しい。日頃の努力が試されるのだ。

復習テストモード

 授業で1度受けた模擬テストを、もう1回受けることができるモード。やっぱり勉強は1にも2にも復習から。間違えた問題を何度も反復することでしっかりと身に付く。こうした実際の学習に役に立つモードが用意されているところが平成教育委員会らしい。

1分テストモード

 10問連続してさまざまな教科の○×問題を解き、その正解数と時間を競うモード。制限時間は全問合計で1分以内なので、1問であまり考えすぎると時間切れになってしまう。

問:漢字の「凹凸」の「凹」と「凸」は同じ画数である。(平成教育委員会)

問:フナの心臓はエラのすぐ後ろでむなびれのつけ根あたりにある。(早稲田中)

問:国際連合は1992年、国際環境開発会議を京都で開いた。(大妻中・改)


 「あれ? どっちだったっけ」という問題が連続する。1問にかけられる時間は平均6秒。迷っているヒマはないのだが……。

連続問題モード

 ○×問題で今度は100問連続正解を目指すモード。途中で間違うと容赦なく終了。1問の制限時間は10秒。かなりシビアなマラソンモードだ。筆者は10回チャレンジして、最高は16問……。マジですから。

 以上がメインとなる4モードだ。他にも日付データを管理していて、5月5日や12月25日など特別な日には、その日にちなんだスペシャルテストが登場する。こちらは授業モードよりもさらに手ごわい。

画像画像 1分テストや連続テストは「○」「×」を下画面に書いて解答する。○は少しだけていねいに書いて誤認識を起こさせないようにしよう
画像 星関連の問題を集めた7月7日の七夕スペシャル。うーん、ロマンチック。でも、問題は容赦なくシビアだ

DSならではの通信機能が生かされていれば……

 本作にはTVのスペシャルと同様、好成績を修めて「たけし落とし」を集めるという、やり込み要素もある。成績も「国語」、「算数」、「理科」、「社会」と科目ごとに記録され、科目の中でも「漢字」、「文章」、「ことわざ」と各3ジャンルごとに正解数がカウントされる。セーブデータは1つのソフトにつき4つまで。4人家族ならちょうどいいだろう。

 個人的なわがままをいえば、せっかくニンテンドーDSなんだからワイヤレス通信やWi-Fi通信にも対応していてほしかった。問題を他の人とシェアしたり、友人とテストで偏差値勝負ができたりしても面白かったのではないか。問題配信など、TV番組と連動する企画もあったらなあと思った。とはいえ、平成教育委員会らしさは随所に出ている。勉強することの楽しさ、知らないことを知る喜びを教えてくれる1本だ。

(C)フジテレビジョン/イースト (C)2006 NBGI
MUSIC/SOUNDS
マリオブラザーズ:(C)1983 Nintendo
スーパーマリオブラザーズ:(C)1985 Nintendo
スーパーマリオブラザーズ3:(C)1988 Nintendo


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