“進化”した「アイドルマスター」の魅力を、プロデューサーに聞いてみました「アイドルマスター」インタビュー(1/3 ページ)

ゲームセンターで多くのファンを生み出した「アイドルマスター」。Xbox 360版の生みの親であるプロデューサーの坂上陽三氏と、ディレクターの小野田裕之氏に、アーケードからXbox 360へ舞台を移した「アイドルマスター」の魅力を語ってもらった。

» 2007年01月25日 00時00分 公開
[聞き手:磯野正学、雛見沢秀一,ITmedia]

 新人アイドルのプロデューサーとなり、レッスンやコミュニケーションで女の子たちを育成するシミュレーションゲーム「アイドルマスター」。

 アイドルたちはダンス、ビジュアル、ボーカルの3つのパラメータを持ち、レッスン(ミニゲーム)で能力を鍛えていく。幾多のライバルたちが集まるオーディションでファンを増やし、最終的にはトップアイドルになることが目的だ。プレイを重ねるとアイドル同士でユニットも組むことができる。

 オンラインで全国のプロデューサーとオーディションで競わせたり、ケータイサイトに加入すると本物の携帯電話にアイドルたちからメールが届くなど、新しい試みを多数行った意欲作だ。アイドルたちの可愛らしさはもちろん、彼女たちが歌う楽曲の魅力などで人気を集めた作品だ。

 Xbox 360版は新キャラクター、星井美希の参入や、「GO MY WAY!!」ほか新曲が6曲も追加され、大幅にボリュームアップしていることが大きな魅力だ。

 今回の移植作業中に直面した困難や、作品に込めた思い、そして気になるアーケード版との違いを、Xbox 360版のプロデューサーである坂上陽三氏と、ディレクターの小野田裕之氏に伺ってみた。

画像 バンダイナムコゲームス 小野田裕之氏(左)、坂上陽三氏(右)

Xbox 360を選んだのは、オンライン環境が決定打

――まず、本作の生い立ちから教えてください。Xbox 360版の開発が決定したタイミングは、いつ頃なのでしょう?

坂上陽三氏(以下、敬称略) プロジェクトが発足したのが、2005年の5月です。アーケード版の稼動が7月なので、実はその2カ月前から動き始めていました。プロジェクト発足後に、小野田が双海亜美・真美の持ち歌である「ポジティブ!」の作詞を担当したと聞いて、Xbox 360版のディレクターとして引き込みました。

――ハードをXbox 360にした理由は何でしょう?

坂上 ネットワーク環境の充実ですね。本作はアーケード版からオンライン対戦に対応していたので、家庭用でオンラインが充実しているハードを検討した結果、Xbox 360が候補として挙がりました。Xbox Liveは、初代Xboxから運営されてきた実績を持つ、完成度の高いオンラインサービスですからね。運営側もユーザー側も使いやすい。

 また、グラフィックやモーションといった映像面を、次世代機のクオリティーに進化させたかった理由もあります。本作は、トゥーンシェードというアニメ的な映像を作り出す技術を採用しているのですが、アーケード版は画面解像度が低いので、キャラクターの輪郭線が太くなってしまう局面があった。いわゆる次世代ハードならば解像度が高いので、この輪郭線を細くでき、よりキレイな映像を作り出せたのです。

画像画像画像

 細かいところですが、キャラクターの輪郭の付近、例えば腕の上部などに、光が当たったような明るい表現も付け加えています。こうすることでよりアニメらしい表現を再現することができています。

――ということは、オンライン対応は最初から検討していたのですね。一時期、「Xbox 360版はオフライン専用ゲームになってしまった!」なんて噂が飛び交いましたが……。

画像

小野田裕之氏(以下、敬称略) ありましたね、そんな噂(笑)。事の発端は、公式サイトにアップしたXbox 360版のサンプル画像です。元々、アーケード版では、オンライン状況を表すアイコンを画面の左下に表示させていました。最初、Xbox 360版も同じように考えていたのですが、そのアイコンをプレーヤーが意識する必要性があまりなかったので、アイコンを消去したのです。そうしたら、「Xbox 360版はオフライン専用なのか!?」って、すごい話題になりました。すっごい小さい画像なのに(笑)。そんな経緯なので、Xbox 360版は最初からオンライン対応を考えていましたよ。

――なるほど。オンライン対戦であるオーディションの仕組みは、アーケード版から変わったのでしょうか?

小野田 基本的には同じですが、いくつか追加された要素があります。受けるオーディションは、2分間という制限時間の間に選択するのですが、このとき他プレーヤーとボイスチャットすることができます。また、プレーヤーの情報を表す部分に、“アピール文”という一口コメントを書くことも可能です。自分でメッセージを記入するのですが、面倒な人向けに定型文も用意しています。

――アーケード版のファンは、違和感なく楽しめそうですね。オンラインでの要素は、ほかにはありませんか?

坂上 Xbox Live マーケットプレースで、新しい衣装やアイテムを購入できます。だいたい、1カ月に一度、アイテムを10個前後配信していく予定です。

画像画像画像

――追加楽曲も登場! ……なんて予定はありませんか?

画像

坂上 実は一時期検討しました。絶対売れるハズですからね(笑)。でも、オンラインでのみ入手できる楽曲を増やしてしまうと、オフライン環境でのみ遊んでいるユーザーさんは、新曲を楽しめないじゃないですか。そんな理由でボツにしました。

 Xbox 360版は、アーケード版の10曲に加えて、新曲を6曲も追加していますからね。本作は10人のアイドル別にこれらの楽曲を収録しているので、実際の数は160曲収録していることになります。当初からこれだけボリュームがあるので、あえて曲を増やす必要もないか、という理由もあったりします。そうそう、アイドルたちのメールアドレスも、マーケットプレースで購入する形になります。

――自分の携帯電話にメールが届くシステムですね。もう少し詳しく教えていただけないでしょうか?

坂上 はい。まず、アイドルからメールが届くというシステム自体は、アーケード版からありました。アーケード版では、ケータイ専用サイトに登録すると、アイドルたちから本当の携帯電話にメールが送られてくるんですよ。当時は「もっとユーザーにゲームセンターに来て欲しい」という思いがありましたので、ゲームと連動させたりしました。「○○時〜○○時にレッスンしてください!」なんて内容のメールが送られてくるんです。

 Xbox 360版は、Xbox Liveマーケットプレースでアイドルのメールアドレスを購入すると、ゲーム内の携帯電話にメールが届くように変更しました。また、ゲームセンターとは違って24時間いつでも遊べるので、時間の指定も無くしました。ただし、いつでも届いてしまうのも不自然なので、ゲーム内で1週間(1ターン)が経過したときに届くよう調整しています。

画像画像画像

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/01/news077.jpg ミュージカル『ディズニー くまのプーさん』、舞台が見えづらいとの指摘に謝罪 「視認性の改善を講じる」
  2. /nl/articles/2404/30/news015.jpg 【今日の計算】「500×99」を計算せよ
  3. /nl/articles/2404/30/news156.jpg 「葬送のフリーレン」の勇者一行、ネモフィラ畑に現る 名場面にちなんだコスプレが「これを花畑を出す魔法か」と23万いいね
  4. /nl/articles/2402/21/news158.jpg 業務スーパーの“高コスパ”人気冷凍商品に「基準値超え添加物」 約1万5000個販売……自主回収を実施
  5. /nl/articles/2405/01/news092.jpg “スケスケ成人式コーデ”が物議のモデル、「3度見される服」を披露 「コレは見ちゃうわ」「洗っても大丈夫なのか」の声
  6. /nl/articles/2405/01/news095.jpg 秋元康、AKB48卒業の柏木由紀に送った手紙が物議 “冒頭の一文”に「昭和丸出し」「嫌すぎる」
  7. /nl/articles/2405/01/news014.jpg 1歳娘、ちょっと目を離したら衝撃の光景が……! リアル過ぎるワンオペ現場が190万再生「わかりみすごすぎです」
  8. /nl/articles/2404/29/news009.jpg 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  9. /nl/articles/2403/21/news104.jpg 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  10. /nl/articles/2405/01/news011.jpg 息子「あしたから下敷きいるって」母「ええやつあるで(ドヤ」 母の愛がつまった手作り下敷きに「なにこれめっちゃほしい!」と注目集まる
先週の総合アクセスTOP10
  1. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  2. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  3. しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
  4. 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  5. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  6. 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  7. 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  8. 顔の半分は童顔メイク、もう半分の仕上がりに驚がく 同一人物と思えない半顔メイクが860万再生「凄いねメイクの力」
  9. 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  10. スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評