武者ガンダムの参戦も明らかに――「ガンダム無双」完成記念試遊会

バンダイナムコゲームスとコーエーは、3月1日に発売予定のプレイステーション 3用ソフト「ガンダム無双」の完成記念試遊会を開催した。早くも飛び出したPS3用ソフトの第2世代の真価とは?

» 2007年02月23日 19時04分 公開
[加藤亘,ITmedia]

 バンダイナムコゲームスの「ガンダム」と、コーエーの「無双」シリーズの奇跡的な出逢いを実現した、プレイステーション 3用ソフト「ガンダム無双」の完成記念試遊会がメディアを対象に開催された。

 「ガンダム無双」は、プレイステーション 3(以下、PS3)上で“かつてない爽快なガンダム”を標榜するとおり、従来の銃撃をメインとしたガンダムゲームとは異なり、無双シリーズにある得物による攻撃をメインとした、簡単操作による「一機当千」の爽快感を演出しているタクティカルアクションゲームである。

 発売を3月1日に控えた本日2月23日(金)、帝国ホテルにおいて行われた完成記念試遊会では、バンダイナムコホールディングスから代表取締役社長の高須武男氏やコーエー取締役名誉会長の襟川恵子氏、そしてソニー・コンピュータエンタテインメント 代表取締役会長兼グループCEOの久夛良木健氏が登壇。早くもPS3用ソフトの第2世代が登場したのではないかと宣言した。

 冒頭、本作が開発するに至った経緯を高須氏が簡単に述べ、PS3の機能を最大限知ってもらえるソフトとして製作されたことを説明。バンダイナムコゲームスがパッケージソフトとして発売する3本目のPS3用ソフトであり、今後も開発していくことを約束。

 続いて登壇した襟川氏は、コーエー側からガンダムゲームを作りたいと打診した際、当初は反応が渋かったと内情を明かして会場を沸かせる。実はコーエーの29年間の歴史の中で、他社とのコラボレーションは本作が初めてのことだった。襟川氏も驚愕していたが、ゲームの開発者が一様にガンダムについての想いが深く、ここはコーエーなのかと疑問に思うほど熱い議論が飛び交ったと、その熱い想いでどうにか開発に漕ぎ着けたと、初コラボに挑んだ経緯を説明する。襟川氏は、本作によってPS3人気が沸騰してくれることを期待していると、「グローバルで100万本、いやその2倍は販売したい」と意欲を見せた。

 それを受けて登場した久夛良木氏は、幅広いファン層を持つガンダムと、無双のゲームエンジンが組み合わさったPS3タイトルの開発を最初に聞いた第一印象が、「大それた仕掛けだ」と驚嘆し、そしてPS3にとって大きなプレゼントになると感謝したのだそうだ。しかも、かなりの短時間で早くもPS3ソフトの第2世代と言える内容となっており、開発現場の進化を感じ、今後発売されるソフトを早くこの目で見たいと元気にしてもらったと語る。ヨーロッパにおいて100万台の初回出荷台数を予定しているPS3は、現在トータルで400万台以上を出荷しているとのこと。また、プレイステーションが1億台を越え、プレイステーション 2が1億1500万台、PSPが2500万台を出荷し堅調だと強調する。久夛良木氏は、日本のゲームソフトメーカーの高いクオリティがある限り、最大限のサポートをすると述べた。

バンダイナムコホールディングス代表取締役社長 高須武男氏
コーエー取締役名誉会長 襟川恵子氏
ソニー・コンピュータエンタテインメント代表取締役会長兼グループCEO 久夛良木健氏

ワールドワイドで100万本を目指したいと鵜之澤伸氏。やはりPS3の第2世代ソフトだと実感しているとのこと

 続いて「ガンダム無双」の内容について説明する。まずは、バンダイナムコゲームス代表取締役副社長の鵜之澤伸氏が、改めて本作開発の経緯を語る。鵜之澤は当初、この企画にドン引きだったと仰天発言。しかし、コーエーの29年目にして初のコラボという意欲と、確実にいいものを作ってくれるという信頼が、こうして作品となって結実したのだと振り返った。

 本作は、「機動戦士ガンダム」、「機動戦士Zガンダム」、「機動戦士ガンダムZZ」の3作品をベースにして、各作品のキャラクターの視点で宇宙世紀を楽しむことができる「OFFICIAL MODE」と、「機動武闘伝Gガンダム」、「新機動戦記ガンダムW」、「∀ガンダム」の3作品から登場するキャラクターやモビルスーツが入り乱れて戦う「ORIGINAL MODE」が存在する。

1年戦争時に生産されたザクIIF型は3000機と公式資料にはあるのだが、明らかに5倍はザクが登場していると堀内氏と鯉沼氏

 バンダイナムコゲームス「ガンダム無双」チーフプロデューサーの堀内美康氏と、コーエー「ガンダム無双」チーフプロデューサーの鯉沼久史氏の2人が、実際にプレイ画面を見ながら詳細に説明する。簡単に紹介すると、本作は基本的には「無双」シリーズをベースにしているため、ゲームスタートしモードを選択すると、キャラクターセレクト画面へと進むことになる。選んだキャラクターの背景などは、知らない人のためにもあらかた説明され、戦況マップへと進む。ここで獲得していたウェポンやアイテムなどカスタマイズしたあと、戦闘となる。

 操作は□ボタンで通常攻撃をし、△ボタンでチャージ攻撃、○ボタンでスペシャルアタックを放つ、と、基本的には「無双」シリーズを踏襲している。ただし、×ボタンはジャンプではなくスラスターによるダッシュが割り当てられており、攻撃と組み合わせることで連携攻撃につなげることができる。

 戦闘はフィールド制を取っている。そのため、雲霞の如く攻めて寄せてくる敵機を駆逐しながらフィールドの制圧を行い、途中条件によって起こるイベントをこなしながら勝利条件のクリアを目指す。フィールド上には施設やザクタンクなど破壊可能なオブジェクトがあり、雰囲気を盛り上げてくれる。戦闘で敵機を破壊していくとエネルギーパックやシールドなど、「無双」シリーズではおなじみの効果を持つアイテムが現れる。自機はそれを回収しながら、戦況に合わせてフィールドを東奔西走し、味方の勝利に貢献するわけだ。場合によっては次回、自分にとって役に立つ装備などが入手できることもある。

 主要なキャラクターと対した時などは、アニメでもおなじみの名場面シーンが再現されたり、相性のいいキャラクターとの会話や攻撃など、細部に渡ってファンもうれしい仕掛けが施されている。もちろん、宇宙ステージでは遠い敵は上下に散っているよう工夫し、なるべく宇宙空間に漂っている雰囲気を出し、わざわざ宇宙用のモーションまで入れていると説明する。

会場大画面の横にも存在感たっぷりにアピールしていた武者ガンダム。後半開催されたゲーム大会でもラスボスとして登場した

 最後に本作には、SDガンダムで育ったユーザーには馴染みの深い、「武者ガンダム」が最強の敵として登場することも明かされた。ラスボスとして存在感を出すため、新たにカトキハジメ氏に依頼し書き下ろされた武者ガンダムとのこと。こちらは「オリジナルモード」で登場する。


敵機が攻撃すると徐々に分解していく姿も見られ、細かいこだわりが見て取れる

 試遊会と銘打っているとおり、イベント後半は本作の試遊が行われた。また、舞台ではイベント参加者対象の、「VSモード」による撃墜数競争を利用したゲーム大会も行われた。ゲーム大会では今回のために、最後の敵として武者ガンダムが登場するバージョンで行われ、豪華賞品をめぐって熱いバトルが行われた。

 実際に遊んでみた「ガンダム無双」は、「無双」シリーズのノウハウをふんだんに取り入れているだけに、特に「無双」シリーズで遊んでいた身としてはすんなり世界に没入することができるものだった。新たに加わった×ボタンによるダッシュが、攻撃のバリエーションを実現してくれているし、“本作らしさ”も十分感じることができた。ゲームシステムも熟成されており、まさに“爽快”という感想。

 ガンダムという国民的キャラクターと、完成された無双アクションの素敵な出逢いは、もしかしたらこのPS3の現状では早すぎたのかもしれない。ただ、この時期に本作のようなキラータイトルとなりえるソフトが世に送りだされることは、PS3にとっても我々にとっても幸せなことかもしれない。久夛良木氏の言にもあったように、PS3タイトルとして早くも迎えた第2世代ソフトとはいかなるものなのか、実際確認してみるのもいいかもしれない。

会場の左右には試遊台がずらりと並ぶ
入口に構えるガンダム2機
「ガンダム無双」
対応機種プレイステーション 3
メーカー発売元:バンダイナムコゲームス、開発:コーエー(ω-force)
ジャンルタクティカルアクション
発売予定日2007年3月1日
価格7800円(税込)
(C)創通エージェンシー・サンライズ


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