関西弁でまくし立てる宇宙人が大暴れ!――オリジナルよりも笑える日本版「デストロイ オール ヒューマンズ!」レビュー(2/4 ページ)

» 2007年03月05日 12時24分 公開
[小泉公仁,ITmedia]

脳波スキャン、サイコキネシス、人間に変身など、宇宙人らしいアクションが楽しい

 このゲームの舞台となっているのは、1950年代のアメリカ。「クリプト136」を探すことと、人間からエンドルフィンを集めるという2つの使命を託された「クリプト137」が地球に降り立つ。ストーリーは全23話で構成され、ステージごとに与えられるミッションをこなしていくアクションアドベンチャーだ。

 主人公が宇宙人という設定もあって、単に武器で敵を倒していくだけでなく、脳波スキャンでその人間が考えていることを読み取ったり、サイコキネシスで物を空中に持ち上げるなど、宇宙人らしい超能力アクションを繰り出せるのがこのゲームのおもしろいところ。また、ゲーム中のいたるところにギャグやパロディが盛り込まれているが、これもオリジナル版とは異なり、完全な日本仕様。オリジナル版のアメリカンジョークやブラックユーモアをそのまま翻訳されても、日本人にはあまりピンとこないだろうと思うが、それを日本人だけが分かるものに徹底して置き換えている。

画像 第1話のタイトルは「クリプト大地に立つ!」。いうまでもなく、あの名作ロボットアニメが元ネタだろう。ちなみに海外版では「Destination Earth」(目的地、地球)というわりと普通のタイトルだったりする
画像 クリプトが地球に降り立って、最初に出会った生物が牛。この牛が地球の知的生命体と勘違いしたのか、かしこまった挨拶をするクリプトだったが、牛は「もー」としか言わない(そりゃそうだ)

画像 牛のある行為が原因で、クリプトの怒りが爆発。L1ボタンと△ボタンで発動できるサイコキネシスを使い、柵の中にいる牛を“どついたれ”ということに……
画像 その後、クリプトを発見した農民がショットガンを手に襲いかかる。クリプトは初期装備のザッパー(R1ボタン)で対抗。ポックス博士曰く、「自衛のための反撃は宇宙憲法第9条で認められている」とのこと(笑)

 クリプトの操作は、左スティックで移動、右スティックで視点と照準の移動という3Dアクションではオーソドックスなタイプ。R1ボタンでの武器発射のほか、脳波スキャンやサイコキネシスといった多彩なアクションもあるので、使用するボタンや組み合わせはかなり多いが、プレーヤーが混乱しないように、ステージを進めるにつれて使用できるアクションが段階的に追加されるよう工夫されている。新しいアクションや武器を入手した際には、操作方法の解説や、音声(ポックス博士)によるレクチャーが挿入されるのも親切だ。

 また、クリプトにはHPにあたるシールドゲージと、サイコキネシスなどのアクションで消費する精神力ゲージがあるが、これらのゲージはなくなっても一定時間が過ぎると回復するので、この手のアクションゲームとしてはそれほどシビアな内容になっていない。

 元々、残酷さを売りにしたゲームではないと思うものの、それでも海外版にはやや強い表現もあったのが気にかかるところだったが、日本版ではそのあたりにも配慮してか、表現や描写をやわらげている部分が見受けられる。例えば、オリジナルだと「人間の脳を引きずり出してDNAを収集する」という設定は、「人間からエンドルフィンを抽出して集める」というものになっていた。シナリオを日本独自のものに改変したり、クリプトやポックス博士のセリフを関西弁でしゃべらせているのも、残虐性の緩和という面で一役買っているように思う。ビジュアルに大きな変更がなくても、言葉の言い回しを変えるだけで印象はずいぶんと変わるものだ。

画像 画面の右上が防御シールドのゲージで、ダメージを受けるごとに減っていくが、一定時間、戦闘を回避すればゲージは回復する。左上は精神力のゲージで、サイコキネシスや変身などのアクションに必要。これも一定時間が経てば自動的に回復する
画像 人間に照準を合わせて、L1ボタンを押しながら○ボタンを押し続ける(または連打する)とエンドルフィンを抽出でき、集めたエンドルフィンで武器のアップグレードが可能になる。このあたりの描写は、海外版よりも残虐性を抑えてある

 クリプトのアクションの中でも特におもしろいのが、ターゲットにした人間の姿形をコピーできるという変身能力だ。本来の姿のまま活動していて人間に見つかると騒ぎになり、警官やら軍隊やら「マジェスティック」と名乗る謎の黒服集団などが大挙してクリプトに襲いかかってくるが、人間にカムフラージュしている間は宇宙人だと気づかれないので、堂々と活動できる。ミッションによっては、この変身能力を使って要人になりすまし、市民の動揺を鎮めたり、重要な会議に潜入する必要がある。ほかにも、催眠術で人間を操ったり、UFOに乗って地上の建造物を豪快に破壊したりと、さまざまなアクションを駆使しながらミッションを進めていくのが実に楽しい。

画像 人間に照準を合わせて○ボタンを押すと、その人間と同じ姿に変身できる。この状態なら、人前に出ても宇宙人と悟られることなく行動できるが、精神力ゲージが切れると変身が解けてしまう
画像 あるステージでは、クリプトが市長になりすまして市民の動揺を鎮めるといったものも。選択肢の中から適切と思われる声明を選ぶと……

画像 市民から拍手と歓声があがる。逆に不適切な声明を出してしまうとブーイングを浴びせられる
画像 UFOに搭乗して、地上を攻撃することもできる。UFOに搭載されている武器は、クリプトが持つ武器よりもはるかに強力

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  2. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/25/news043.jpg 娘の給食の献立表を見たら…… 正体不明の“謎の料理名”が「これはわからんw」と話題に その意外な正体に納得!
  5. /nl/articles/2404/25/news129.jpg プロ野球チップスでまた“不良品”流出 伊藤大海「176m」表記に続き…… カルビー謝罪「深くお詫び」
  6. /nl/articles/2404/24/news018.jpg 1年半ケージに引きこもっていたシャーシャー猫が、ある夜布団に入ってきて…… 感涙の行動に「まるで別猫」「こんな日が来るなんて」
  7. /nl/articles/2404/24/news017.jpg メルカリで300円の紙モノセットを買ってみたら…… 出品者のあたたかな心遣いに「利益は考えていないんでしょうね」「見ててわくわくします」
  8. /nl/articles/2404/23/news185.jpg 子どもに高級キーボードのパーツを捨てられた → 公式の“先読みしすぎた対応”が話題「そういうこともあろうかと」
  9. /nl/articles/2401/18/news015.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
  10. /nl/articles/2404/22/news124.jpg ダイソー「マルチ万能ほうき」が家事ラクの救世主 名前負け知らずの便利さに「これやばっ!!」「220円に驚き」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」