石の上に3年ならば、ぷよの上にも15年――熟成された最新のぷよぷよをあなたに:「ぷよぷよ!」レビュー(1/2 ページ)
「ぷよぷよ」は昨年15歳を迎えた。というわけで昨年末から相次いで登場した「ぷよぷよ! 」。ニンテンドーDS、PSP、PS2という3つのプラットフォームで同じ作品が楽しめるのです。アーケード版初代「ぷよぷよ」からプレイしてきた筆者が、PS2版を熱烈プレイしてみました。
15周年記念! 3つのプラットフォームで「ぷよぷよ」最新作
「ぷよぷよ」が生まれて15年の月日が経過した……。う〜ん、いやはや感慨深い。アーケード版「ぷよぷよ」を夢中で遊んだ日々は15年も昔のことだったか。そりゃあ歳もとるもんだ。と、遠くを見てしまう筆者のようなファンもいれば、「ぷよぷよ」生誕時にはまだ小学生にもなってないよ! という若いユーザーもいることだろう。とにもかくにも「ぷよぷよ」生誕15周年である。
「ぷよぷよ」はコンパイルが製作した落ち物パズルゲームである。「ぷよぷよ」が登場した当時は「テトリス」、「コラムス」などの落ち物パズル市場が活況を帯びていた時代。そんな渦中において、かわいらしいキャラクターとプレイ次第でいくつもつなげられる“連鎖”、白熱する対人戦が好評を博し、その後何作も続編が続く息の長いシリーズとなった。ざっと歴代の主なタイトルを列挙してみよう。
- 「ぷよぷよ」:言わずと知れた元祖「ぷよぷよ」。アーケード版、メガドライブ版のほか、スーパーファミコンに移植された「す〜ぱ〜ぷよぷよ」、ゲームボーイ版「ぷよぷよ」など、移植ハードは数知れず。
- 「ぷよぷよ通」:相手から送られてきたおじゃまぷよを打ち消すことができる“相殺”システムが導入された。
- 「ぷよぷよSUN」:連鎖に巻き込んで消すと攻撃力が上がる“太陽ぷよ”が登場したシリーズ3作目。
- 「ぷよぷよ〜ん」:キャラによって異なる「特技」を使うことができた。また、「ステージ」の概念が導入され、1人用モードでは敵を倒していくとステージが変化し、ゲーム中の背景と細かいルールが変更されるようになった。2人用モードでは任意にステージを選ぶことができた。
- 「みんなでぷよぷよ」:「ぷよぷよ通」をベースに作られたゲームボーイアドバンス作品。セガのソニックチームが開発した。
- 「ぷよぷよフィーバー」:新システム「フィーバーモード」を搭載 。"連鎖のタネ"で一発逆転できるようになった。キャラにより組ぷよのパターンや攻撃力が異なるのも新要素。
- 「ぷよぷよフィーバー2【チュー!】」:対COM戦でのみ使用できる「アイテム」が導入された。アイテム収集や各キャラからメールが届くシステムなどで、キャラの存在を際立たせる演出が盛り込まれた。
それぞれのタイトルがさまざまなプラットフォームで発売、移植、リメイクをされているのですべての対応ハードは記載しなかったが、これらに目を通せば1つや2つくらいは「ああ、これやったなあ」というタイトルがあるのではないだろうか。そのほかに「なぞぷよ」や番外作品も入れると枚挙にいとまがない。長く広く愛されてきたシリーズなのである。
ちなみに1998年以降は著作権がコンパイルからセガに移り、その後はセガが続編を作っている。歴史をさかのぼると「ぷよぷよ」はMSX2とディスクシステム(発売は徳間書店インターメディア)で、1991年10月25日に産声をあげたタイトルだ。ここから換算すると2006年が15周年ということで、セガは昨年9月に「ぷよぷよ!」の製作を発表した。そして2006年12月14日のニンテンドーDS版発売を皮切りに、2007年3月21日にプレイステーション 2版、PSP版を発売するに至った。
ニンテンドーDS版ではワイヤレスプレイやダウンロードプレイで最大8人でプレイできるうえにWi-Fiコネクションで2人〜4人による対戦が可能。プレイステーション 2版ではマルチタップ使用による4人対戦、PSPではアドホックモード・ゲームシェアリング対応での4人対戦を実現している。数ある落ち物パズルゲームの中でもとっつきやすさ、対戦の熱さはピカイチな「ぷよぷよ」なので、パーティーツール、接待ツールとして大活躍しているのではないだろうか。
プラットフォームが3つもあって、どれを買ったらよいか迷ってしまう「ぷよぷよ!」ではあるが、筆者はこのたびプレイステーション 2版を手にとる機会を与えられたので、プレイステーション 2版の内容について次項からお伝えしていくことにしよう。
さまざまなモードとクセモノ揃いのルールを遊び倒そう
1人用モードには「ストーリー」、「じゅぎょう」、「とことん」、「フリーたいせん」の4つのモードがある。
本作はタイトル通りに15周年記念作品ということもあって、初代「ぷよぷよ」からのキャラも参戦し、新旧作品から選ばれた総勢22名のキャラが一挙登場。「ストーリー」では、それら22名のキャラによるそれぞれの物語が展開する。
基本的には対COM戦を繰り返していくのみではあるが、対戦前に入る恒例の“まんざいデモ”は健在で、ここでキャラ同士の関係性、やりとりの妙を楽しむことができる。対戦は12あるルールからステージごとに決められたいくつかのルールの中からルーレットで決定し、勝利すれば次の対戦相手が登場し、敗北すればゲームオーバー(もちろんコンティニューがあるので再チャレンジは可能)、という流れだ。
初代からやっている身としてはアルル(初期の主人公)がカーバンクルのカーくんを連れているその絵にグッと来たので(とは言ってもイラストとしてはフィーバー以降のポップなトーンに統一されているが)、アルルでプレイして感慨にふけったりもしてみた。伝統芸ともいえる“まんざいデモ”はフルボイスかつ各キャラごとに用意されているのでかなりバリエーション豊富。すべての組み合わせを確認しようと思ったらけっこう大変かもしれない。
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