インタビュー
2007年05月08日 12時00分 更新

“ジャパンオリジナル”を目指した新生「R.O.H.A.N」のヒミツを聞いてみました

「新生R.O.H.A.N」と題し、これまでのサービスを一新して4月26日よりフリーテストを開始したMMORPG「Renaissance of Human and Nature(R.O.H.A.N)」。正式サービス後のフリーテストという珍しいサービス展開の意図とはどのようなものなのか、運営責任者のトップである:ソウ・ジウォン氏にアレコレ聞いてみた。
画像 YNK GamesのCOO(運営最高責任理事)である:ソウ・ジウォン氏。日本だけでなく、韓国や台湾での「R.O.H.A.N」運営を統括している。「R.O.H.A.N」以外に、「シールオンライン」にも深く関わっていた

―― 一度サービスをスタートした後、再びフリーテストを行うというのは、ある意味冒険だと思います。なぜフリーテストを実施することになったのか、教えてください。

ソウ・ジウォン氏(以下、敬称略) 2006年11月から「Renaissance of Human and Nature(R.O.H.A.N)」を運営してきましたが、これまで日本のユーザーのみなさんから、さまざまな不満や要望を頂きました。韓国や台湾では、好評をいただいているのに、なぜ日本では広く受け入れられなかったのか。なぜ「R.O.H.A.N」が日本のユーザーに愛されないのか? 愛されるようになるには、どのように変えていくべきなのかを考え、議論してきました。その結果、日本のユーザーには、独自の感覚や趣向があるのだということが分かりました。日本のユーザーを本当に感動させるには、日本だけのエディションの開発が必要だと考えたのです。

―― フリーテストを実施するにあたり、社内でもかなりもめたのではないですか?

ソウ そうですね。YNK JAPANでもそうですけど、韓国のYNK Gamesの方ではもっともめました。日本オリジナルの要素を作るのは大変ですが、YNK GamesとYNK JAPANの両方で、「日本のユーザーに楽しんでもらいたい」という意志があったため、最終的にはフリーテストを行うプランが決定しました。

――フリーテストを行うと決めたのはいつ頃ですか?

ソウ 新生「R.O.H.A.N」について悩み始めたのは去年の暮れですが、実際に動き始めたのは3カ月前からですね。それから、YNK GamesとYNK JAPANとの間でやり取りが始まりました。

――フリーテストのスケジュールについて教えてください

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ソウ いつまでフリーテストを行うのかは、現在まだ決まっていません。長く引っ張るつもりはありませんが、新しいクライアントを導入するので、たくさんのパッチをひっきりなしに当てている状態です。段階を見て決めていこうと考えています。

 課金やゲーム内容など気になる点は多々あると思いますが、新生「R.O.H.A.N」に対するユーザーの声を聞いてからでなければ決められない、というのが正直なところです。フリーテスト開始後、アンケートやログを取るなどの方法で意見を集め、それから練り直そうと思っています。お恥ずかしい話ですが、新生「R.O.H.A.N」もまだ自分の中で、完璧だとは思っていません。実際、発表会以降も、変えなければならない部分が見つかっていますし。今回のフリーテストは、完成したものを披露するものではなく、ここから新生「R.O.H.A.N」をスタートさせていきたいと考えています。

――日本での新生「R.O.H.A.N」の開発チームは、韓国とは別に用意するという形なのでしょうか?

ソウ いいえ、韓国「R.O.H.A.N」と同じ人が開発に携わっています。韓国と日本、それぞれで好まれるコンテンツはどのようなものなのかを、「R.O.H.A.N」の根幹を作った人間が把握する必要がありますから。中心人物が両国のコンテンツをしっかり把握しておけば、今後のコンテンツのクオリティもより良くなると考えています。

ユーザーの意見を最重視したゲーム作り

―― 日本のユーザーに気に入られなかった理由は、ズバリどこにあると思いますか?

ソウ さまざまな面で“難しい”という意見が多く、そこから派生する問題が多いです。開発者サイドで聞いた話によると、“これを直したらうまくいく”という具体的な案よりも、全体的な視点から見たマクロの意見が多かった。

 レベルアップ、アイテム取得など、すべての問題について、テンポ良く楽しめるようにし、もっと気軽にユーザーが楽しめる形にしようと考えています。フリーテストで実装予定の日本だけのクエストや「平和モード」(編集部注:通称“赤ダン”。ダンは種族名。一定時間内に5人をPKして名前が赤く表示されているダンは赤ダンと呼ばれる。ダンの種族だけはキャラクターの名前を隠すことができ、PKで有利なスキルを多数持っているということもあって、PKをする人が続出した。)などPK問題に関することも、今はまだ調整が必要だと考えています。

――「R.O.H.A.N」のひとつの区切りであるLV30まで、成長しやすくなると聞いています。これは、クエスト自体の経験値が増加するのでしょうか、それともレベルアップに必要な経験値が少なくなるのでしょうか?

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ソウ 両方とも考えています。クエストでもらえる報酬に関しても、アイテムや経験値などの量は、バランスのよい程度に多めにしています。バランスは、これまでに得たデータを分析して調整していますが、より良いバランスにできるかどうか、現在も開発陣が検討しています。

―― レベル30以降の楽しみとはなんなのでしょうか?

ソウ それこそが、新生「R.O.H.A.N」のポイントだと自分は思っています。キャラクターがある程度成長したあとで、どのようなコンテンツを楽しめるかは、大変重要です。例えば韓国では、先日“タウン争奪戦”というシステムが実装されましたが、日本でもこのようなコンテンツを盛り込んでいこうという構想があります。逆に、このようなシステムを楽しむために、ある程度のレベルまでキャラクターを育成してもらう必要があると感じています。韓国と日本では、レベルアップのスピードが違うので、詳細は検討中です。韓国では正式サービスから1年8カ月が経ちまして、最高レベル98というプレイヤーが存在します。日本での最高レベルは、70ぐらいだったでしょうか……。トータルでのプレイ時間の差というのは当然ありますが、韓国の場合は1人のキャラクターを2人でプレイするということもありますから、単純にサービス開始時期の差だけの問題ではないと思いますね。また、一番ユーザーの多いレベル帯も、韓国ではレベル60〜70ぐらいですが、日本ではレベル30〜40ぐらいです。今は、このレベル帯のユーザーに、どうアプローチするかを考えています。

PKのネガティブさを払拭したい

―― レベル30からPKの対象になりますが、PKに関してはどのように考えていますか?

ソウ PKについては、本当に何度も何度も検討しました。決闘のように、両者の間で合意できた場合だけ対人戦を行えるようにしよう、というアイデアも出ましたが、結果的にはPKシステム自体は盛り込んであります。

元々「R.O.H.A.N」では、リベンジシステムをはじめ、相手を倒すと自分が強くなれるという構想を盛り込んで作成していました。これらをすべて無くしてしまっては、「R.O.H.A.N」ではなくなってしまうからです。そのような理由で、オリジナルにあった要素は最小限残しています。

 もちろん、PK問題に対しての取り組みをやめたわけではありません。PKシステムのチューニングは絶対に必要だと感じています。特に、PKする側と、PKされる側の意識の問題をクローズアップして取り組んでいきたいと考えています。PKをやることはネガティブに受け止められがちですが、それを変えたいと思っています。

―― 韓国では、PKはどのようにとらえられているのですか?

ソウ これは「R.O.H.A.N」だけでなく、オンラインゲーム全体に言えることですが、韓国でもPKの問題はすごく多いです。相手を倒したときにドロップするアイテムを狙ってPKをする人も多いですから。「R.O.H.A.N」では、そういうPK問題に対して対処はしてきました。5人以上ほかのプレイヤーを倒したときは犯罪者としてペナルティを受け、PKされた側が復讐できるようなリベンジシステムを作りました。新生「R.O.H.A.N」でも、システムとしてPKを制度化するような段階にあります。

―― 日本でも韓国でもPKの問題は変わらないのですね。

ソウ 韓国ではオンラインゲームでのPKを発端として、最後にはプレイヤー同士が直接ケンカをするといった事件も発生しています。そのため、PK問題は常に繊細に考えています。PK自体を無くしてしまうか、でもそうすると「R.O.H.A.N」ではなくなってしまう……。この葛藤のくり返しです。フリーテストの期間中に1〜2回はPK問題でのチューニングはしなくてはならないとも思っています。フリーテストの間に意見をもらえるようなら、反映をさせていきたいです。

テーマパーク構想で、新たな楽しみを

―― グラフィック面では、どのような変更が加えられましたか?

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ソウ これは、一気に変わるものではないんですよ。今もパッチで細かく修正を行っている状況ですので、フリーテスト公開時で、準備しているものをすべて反映できるとは思っていません。日本オリジナルのクエストや、乗り物、コスチュームなどもまだ開発中です。フリーテストが始まったら順次、アップデートしていきます。

 まだ未確定ですが、釣りやカードゲームとは別の、ミニゲームが出来るテーマパークのようなものも構想としてはあります。これに関しては、日本のユーザーが楽しめるようなオリジナルのものを作るべく着手したところです。

―― そのテーマパークは、まだ構想の段階だと思いますが、アイテムがもらえたりするのでしょうか?

ソウ テーマパークは、アイテムを求めて集まる場所ではなく、ユーザーがみんなで楽しめるコミュニティ空間にしたいと考えています。チャットやミニゲームを通じて、ユーザー間でコミュニティを広げて楽しんで欲しいですね。実は、すでに外観は完成しているのですが、中身となるコンテンツで、まだ完成していない部分がありまして……。本当はもっと早く導入したかったのですが、開発と相談しつつ、出来る限り早く完成させて、ユーザーの皆様にお届けしたいです。

―― 仕組みができていない部分とは一体なんなのでしょうか?

ソウ テーマパークで、ユーザー同士がどうやって出会うか、というシステムを開発中なのです。部屋を作って人を集めるのか、それとも他の方法にするか。このシステム面を完璧にしてから、実装したいので。

―― 日本独自ということで、日本風の装備が先日のリリースで発表されましたが、すべて実装されるのでしょうか? 実装されるのでしたら、入手方法も教えていただきたいです。

ソウ これまでに発表した分は、一応はフリーテスト開始時にすべて実装する予定です。ただし、ゲーム内で入手できるのか、それともアイテム課金で購入していただく形にするのかは、まだ未定です。本作がアイテム課金というシステムにするかどうかも協議中なので、入手方法はこちらが決定してからですね。

―― アイテムのデザインコンクールに関してはどうでしょうか?

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ソウ 「R.O.H.A.N」の世界観を壊さないようにやっていきたいと思っています。これは、YNK JAPANと検討したうえで、是非やってみたいとは思っています。

―― 発表からこれまででも、問題点が浮かび上がってきたと思いますが、なにがありますか?

ソウ 今回、日本では新生「R.O.H.A.N」を発表しましたが、本家である韓国と台湾で、なぜ自分たちののために新生「R.O.H.A.N」を作ってくれないのかと言われないかが心配です。また問題というより、フリーテストが日本のユーザーに受け入れられるか、不安で仕方がありません。26日は作った物をお披露目する場と考えては駄目で、僕らの悩みとか苦悩を発表して、1年なりを通して変えていく期間のスタートを切りたい。そうとらえています。

―― 最後に日本のユーザーへ、メッセージをお願いします。

ソウ 今回の新生「R.O.H.A.N」というのは、オリジナル作品がある中で、それと同じタイトルを別のオリジナルとして作るという、YNK Gamesの歴史の中でも初めての試みとなります。フリーテストでは、どなたでも楽しんでいただけるように作ってあります。プレイして良いところがあれば前向きに楽しいという言葉を、悪い部分に関してはここが良くないと率直な言葉が欲しいです。日本のみなさんに長く新生「R.O.H.A.N」を楽しんでいただけるよう、頑張ります。フリーテスト開始後も、GMイベントほかお楽しみ要素を用意しているので、ぜひ遊んでみてください。よろしくお願いします!



[聞き手:網野三平,ITmedia]

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