初心者に優しくなったとウワサの「新生R.O.H.A.N」を、試しに遊んでみました：「新生R.O.H.A.N」レビュー（2/2 ページ）

[網野三平，ITmedia]

画面の切り替えはスムースに

　「新生R.O.H.A.N」では、クライアント（PC側にインストールするプログラムのこと）を一新しており、以前より軽快に作動するという話を聞いていた。あまりスペックが高くないPCを使っている筆者にとって、どれほど軽くなっているのかは気になるポイントの1つだ。実際、日本風飾りを探し回って各地を渡り歩いてみると、ダンジョンの出入りやタウン帰還ストーンなどで移動した際のロード時間がかなり短縮しているように感じた。とりわけ、ゲームの起動／終了の時間は相当短くなっている。おかげで歩き回るのも快適でした。

　ただし、フィールドで移動する際に時々重くなることがあるのは、まだ調整はこれから、というところだろうか。もっと劇的に軽くなるのかも、と期待していたユーザーには、物足りないかもしれない。

レベルアップのスピードアップで育成も楽に

　どのMMORPGにも言えることだが、キャラクター育成が大変なのは、装備やお金がまったくないゲーム開始直後だろう。旧「R.O.H.A.N」でも、装備品をそろえるのは大変だった記憶がある。「新生R.O.H.A.N」では、果たしてどうなったのだろうか。

　「R.O.H.A.N」では、NPCからクエストを受けて、それを達成すると、経験値やアイテムなどの報酬がもらえる仕組みだ。これを利用してキャラを育成し、装備を充実させていくのが一般的なプレイスタイルであろう。ということで、さっそくクエストを受けまくって、育成を始めた。すると、クエストをこなしていくだけで、レベルがグングン上がっていくではないですか!!

　ちなみに、ほかのプレーヤーからの支援は当然ナシで、アイテムはクエストやモンスターが落としたものなど、自力で調達したものしか使っていない。それでも、数時間であっという間にレベル15まで上げることができた。「新生R.O.H.A.N」から追加されたクエストは多数あり、報酬アイテムの質も上がっているため、たしかにレベルは上がりやすくなっていた。これならば、新規プレーヤーでも、二次職に転職できるレベル50になるまで、さほど時間はかからないだろう。

合成後のアイテムに付加能力をつけてくれるオプションアイテムは、モンスターを倒すと、まれに手に入る貴重なアイテム。追加された新クエストでは、報酬アイテムになっていることもある。ほかにも報酬アイテムに装備アイテムが多数増えているので、装備をそろえるのがラクになった

クエストのなかには、パーティーを組んで挑戦することを推奨しているものもある。チャットメンバーを呼びかけて、仲間を集めてみるとよいだろう。そこから仲間を増やしていけば、ギルドを作ることだって夢ではない

店売りの装備品は、能力のボーナス補正のない通常アイテムと補正付きのマジックアイテムがある。もちろん、通常アイテムのほうが安い。序盤はサクサクレベルが上がるので、買うなら通常アイテムのほうがよさそうだ

　なお、モンスターが装備アイテムをドロップ（落とす）確率も、以前より上昇しているようで、NPCから購入しなくとも、全身の装備をそろえられた。ちなみに旧「R.O.H.A.N」ではNPCのアイテム販売価格が高く、おいそれと買えるものではなかった。だが「新生R.O.H.A.N」では、アイテム価格が軒並み1/10になっているので、店売りのアイテムを買いやすくなった。必要な装備アイテムが入手できなかった場合は、NPCから買うのも手だ。

高レベル帯での楽しみ方は未だ見えてこず

画面下のホットキーからだけでなく、キーボードの“N”を押せばシステムヘルプを表示できる。どんな仕組みがあるのかもわかるので、一度は目を通しておこう

　実際にプレイをしてみて、新規ユーザーに対して配慮されている部分を、随所で見ることができた。クエストをこなせば操作を覚えられるよう工夫されていたり、ヘルプを実装したことで、わからない操作や用語をゲーム中で調べることができるようになった。下調べをせずにプレイを始めた人でも問題なく遊べるだろう。

　また、登録したメールアドレスに、“まず何をすればよいのか”という、レベルに応じた初心者用プレイガイドが送られてくることも特筆したい。公式サイトにプレイガイドのページを設けているところはあるが、メールで送ってくれるメーカーは、さすがにほとんど存在しないのではないだろうか。なんとかして新規ユーザーに楽しんでもらおうという、運営元の心意気を感じた。

　こんな感じで、新規ユーザーに対するフォローはかなり充実しているが、全体的に見ると、正直なところ旧「R.O.H.A.N」とあまり変わっていないように感じた。というのも、現在はバランス調整に重点が置かれているようで、韓国版「R.O.H.A.N」で実装されたタウン争奪戦のような、既存のプレーヤーが攻略したくなるような新要素がまだ提示されていないからだ。レベルを上げても、そのあと何ができるのかが、まだ不透明といえる。日本の「新生R.O.H.A.N」でも早急に大きな仕組みを実装してほしいところだ。

　ただし、YNK GamesのCOO（運営最高責任理事）ソウ・ジウォン氏のインタビュー記事でお伝えしたように、現時点でフリーテストで試す要素がすべて実装されているわけではない。実際、この記事を書いたあと、5月23日にはレベル31〜50の新クエストが実装されたほか、発表会で紹介されたGM主導による初心者講習会も開催されているとのこと。

　「新生R.O.H.A.N」は、まだまだ成長過程にあるため、今後の変化を楽しみにしながら、どんな要素が実装されても楽しめるようにキャラクターを育成しつつ、待ってみてはいかがだろうか。