ドコモと角川、WOWOW向けアニメ「ムシウタ」を発表
NTTドコモと角川グループが、オリジナル映像作品の制作に乗り出した。それが、WOWOWでノンスクランブル放送されるテレビアニメーション「ムシウタ」だ。制作発表には豪華声優陣も駆けつけた。
角川書店とNTTドコモは6月10日、TVアニメ「ムシウタ」の制作発表を行った。ムシウタは、WOWOWにて7月5日深夜0時よりノンスクランブル放送でスタート。また、公式モバイルサイトとの連携コンテンツも用意する。
2社は2006年11月に提携を発表しており、4月に発表した904iシリーズの数機種に「転校生 さよなら あなた」の予告ムービーをプリインストールして発売している。NTTドコモコンテンツ&カスタマ部コンテンツ担当部長である山口善輝は「ケータイは普及したばかりでなく機能も大きく向上している」と述べ、「機能が上がってもコンテンツがなければただの箱だ」と角川グループとの提携の意味を強調。さらに「今回初めてアニメとモバイルの連携を実現するが、映画もアニメもやっていく」とドコモのコンテンツ戦略の展望を語った。
角川書店代表取締役社長の井上伸一郎氏は「日本には、独自に発展した2Dアニメと近接して発展したライトノベルがある。ムシウタはそれらと、『ケータイコンテンツ』を加えた3つが1つになるもの」とアピールした。
ムシウタの原作は、岩井恭平氏による角川スニーカー文庫刊の同名ライトノベル。現在本編8巻が刊行されているほか、短編シリーズ「ムシウタbug」が角川書店「ザ・スニーカー」誌上で、「月刊少年エース」上でコミック版も連載されている。
ムシウタのストーリーとは
“虫”と呼ばれる異形の怪物、それに取り憑かれた者は“虫憑き”と呼ばれ、常識を超えた力を手にする。その虫憑きを発見・確保し処理する組織が「特別環境保全事務局(特環)」に所属するエージェント“かっこう”の薬屋大助(高校生)と、寂しげな少女・杏本詩歌を中心に、特環に敵対する組織「むしばね」の存在も絡み合いながら物語は進む。
会場では声優陣の発表も行われた。薬屋大助役には浅沼晋太郎さん、杏本詩歌役の花澤香菜さん、立花利奈役の生天目仁美さん、みんみん役の田村ゆかりさんが登場。大助役の浅沼さんは「緊張してます」とコメントし、演じる役柄について「大助は普段はひ弱で人の寂しさに共感する感じだけど、正体は非情なエージェント」と大助とかっこうをまったくの別人として演じ分けていると語った。
天然系といった感じで登場した詩歌役の花澤さんが、司会者の「大丈夫ですか?」との質問に「大丈夫じゃないです」と答えると、会場は大爆笑。詩歌は「いつも悲しい顔なんです」とのこと。
利菜/レイディーバード(「むしばね」のリーダー)役の生天目さんは、利菜を「明朗快活」な少女と説明、利菜に憑いている“虫”ナナホシテントウの「七星(ななほし)」の必殺技が「超音波」か「衝撃波」かで浅沼さんとちょっとした言い合いになり、「特環とは対立していますから」と、劇中の設定に結びつけ会場の笑い誘った。
その話を受けた、みんみん役の田村さんは「スタジオはギスギスしています」と述べ、会場はまた爆笑。ちなみにみんみんの“虫”はセミで、その名の通りといったところ。司会者からアフレコスタジオでの様子をたずねられるた浅沼さんは「非情に仲良くやっています」と回答。冗談で「ギスギス」と言って笑えるほど仲が良いようだ。
ムシウタでは憑いた虫が少年少女の夢を喰ってしまうという設定もある。これに絡めて「どんな夢を持っていますか」との質問が投げられた。
田村さんは「かわいいおばあちゃんになること」とのこと。浅沼さんは「グリーン車に乗りたい」との答えで笑いを狙うも東北出身でなかなか出演作品を親御さんに見てもらえないことから、「今回はWOWOWなので親孝行の夢がかないました」と述べた。
花澤さんは「弟に子供ができること」と不思議キャラらしい回答、生天目さんも「長野県で駄菓子屋を開いて、子供を叱る」と妙にリアルな夢を語った。
続いて“カドカワマン”こと角川書店の蜂屋誠一氏が謎の被り物姿で登場し、ムシウタのモバイル連携について説明を行った。「モバイルNewType」内のムシウタ公式サイトでメルマガを登録すると、登場キャラみんみんからメールが送信され“虫憑き”となる。登録者は、政府組織「特環」あるいはレジスタンス「むしばね」に振り分けられ、一方のサイトしか閲覧できない。それぞれ異なった報告書が掲載されるので、作品内の組織に所属している気分が味わえるという。
続いてオープニングテーマ「ムシウタ」を歌う赤月さんと、彼女をプロデュースし、自らはエンディングテーマを歌う佐藤ひろ美さんが登壇、それぞれOP・EDを歌うミニライブも行われた。
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