くねくねハニィが語る日本と欧米のゲーム作りの違い:くねくねハニィの「最近どうよ?」(その11)(1/3 ページ)
自宅前ですっころんで3針も縫う怪我をしたボケボケのくねくねハニィが語る「最近どうよ?」。今回は、PCゲームソフトの存在が大きい欧米開発現場と、家庭用ゲーム機向けソフトが主流の日本のゲーム制作の違いについてボケずにきびきびと語ってみたんでよろしこ。
くねくねハニィは元気でぇぇぇぇす!
みなさんこんにちわ〜。任天堂がニンテンドーDS Liteの新色を発表して、ど〜してもメタリックロゼが欲しくなったハニィです。誕生日プレゼントにいただきたいものですわぁ。誰かぁぁぁちょ〜だぁ〜いと空に向かって叫びたいくねくねハニィがお届けする「最近どうよ?」第11回目をお送りしますね〜。いつもハニィの書いてるトピックは、読者の皆さんのためになってるかしら? と本当に考えているんだけど、どうなのかなぁ?
さてさて、もうご存知のことでしょうが、プレイステーション 3(以下、PS3)の出荷状況が分かりましたのよ。当初、2007年3月までに600万台を出荷するぞ! と鼻息の荒かったソニー・コンピュータエンタテインメント(以下、SCE)でしたが、フタを開けてみれば、生産数が550万台、販売数が360万台という発表でした。ここで言う販売数がいわゆる出荷数ってやつなんです(SCEにとっては小売店などに出荷した時点で販売となるため)が、この発表の仕方の問題で、いろんなところで誤報が出ちゃったみたいです(550万台出荷で360万台実売! みたいな)。だけど、要は「550万台作って販売店には360万台出荷して、実売はSCE側では押さえていません」という発表だったんですね。ということは、190万台がSCE在庫となっているってことですよね? いったいどこに置いているんだろうか……。
ってことで、アメリカでも4月単月でPS3の実売台数が10万台を切って、全米で8万2千台とのこと。これは、ゲームボーイアドバンス(GBA)の8万4千台をも下回る台数。ソフトがなかなか出ていないということもあって、ハードを牽引してくれない状況になってるのは明白ですな。
アメリカで130万台程度出回ってはいるものの、10万本以上の結果を出せているタイトルはそれほどはないのですよ……。数万本売れてもなかなかリクープ(※)が難しい次世代向けのソフト開発。サードパーティパブリッシャーさんたちのマルチプラットフォーム化加速の流れの中でXbox 360を先に作ってからPS3へ移植という流れが定型化しそうなんだよね。そうなると、せっかくのPS3だけが持つハイスペックを最大限に生かしたソフトの誕生ってのは限られてきちゃうので、つまんないなぁと。
そんな中、PS3が韓国で51万8000ウォン(約6万7700円)で6月17日に発売されるとのニュースが! アグレッシブでよろしい。今まで60GBだったハードディスクだけど、韓国版は何と80GBだそうよ。やっぱしPCでダウンロードがんがんの韓国だけに、やりますねぇと思っていたところ、どうやらVOD(ビデオオンデマンド)を可能にするセットトップボックス化ってのを前面に持ってくるみたい。アメリカでXbox 360がやっていることを韓国ではSCEが! 展開が楽しみだよね。
では、任天堂さんの話題に。絶好調ですよ、海外でも。しかし、相変わらず弾不足が続いていまする。それでもWiiは36万台、ニンテンドーDSは47万台売っています。アナリストの中には、Wiiの供給不足は2008年まで続くのではないか、と言っている人もいるのですわ。何て機会損失な話。なんでも任天堂のWii月間生産数は約150万台と推定されていて、需要過多の状況は救えるものではなく、ましてやファミリーターゲットのWiiの勝負の時である年末商戦期には、さらなる供給不足が懸念されるんだって。
前に海外では小売が強いって言った(最近どうよ?第6回)でしょ? で、この小売店、在庫が過多になると保管費がかさんだりして文句を言うんですわ。でも、供給不足は供給不足で「機会損失」を楯に相当ブーイングするんですわ……。2005年末から2006年第一四半期に起こったXbox 360生産能力不足による出荷過少の時も、マイクロソフトは相当小売店から嫌味を言われたはず。メーカーにとってはエンドユーザーとの間に、とても怖い門番が立ってるわけだけど、市場を先読みした生産出荷をするなんて神のみができる技なんではないんでしょうかね……。
4月下旬に北米で発売になったニンテンドーDS向けソフト「Pokémon Diamond Version」は9日間で何と100万本を突破してしまったの。さらに「Pokémon Pearl Version」も9日間で70万本突破。お化けですね、ここまでくると。
あ、そういえばPSPは18万台も売れてますのよ! 日本の「モンスターハンターポータブル」シリーズのような大ヒットキラーは出ていないものの、「GTA」シリーズをはじめそこそこ売れているタイトルがあるんですね〜(最近どうよ?第10回PSPのソフトは売れないのか? を参照のこと)。じわじわと伸ばして740万台を突破しましたよ。がんばれ! サードパーティの期待のハードPSP! ちなみに、前回オーストラリアでは値下げしないって言われてたんですが、結局値下げしたみたいです。329.95豪ドル(3万2800円くらい)だったのが、279.95豪ドル(2万7800円くらい)になりました。
さて、マイクロソフトが発売したXbox 360 Eliteですが、ブラックカラーで120GBのハードディスクつきは価格が479.99ドル(約5万8000円)もしますが、北米ではそこそこ売れているそうですぜ。4月29日に発売になったので、実売データとしては2日分しかないはずなのに、6万7千台も売れている。4月にXbox 360トータルで17万4千台実売したらしいんで、そのうちの3分の1が2日間で売れたEliteってことになるのよね。ハニィも日本で発売になったらソッコーで買いに行く予定でやんす。マイクロソフトさん、日本でもなるべく早くよろしこぉ!
ではでは、今回のテーマ「PCゲームソフトの存在〜日本と欧米の違い」をお届けします。日本市場だけ見ているとちょっと見逃しているPCゲームソフトの存在。それが欧米発のゲームの底力の元だったりするわけです。今回はその辺を語ってみるぞ、と。
PCゲームとTVゲーム
日本でもPCの秀作ゲームソフトはあったけど、欧米ではPCゲームソフトウェアはどんどん進化して(PCに関しては韓国もですね)市場としても大きくなったわけです。一方、日本では1980年代から家庭用ゲーム機が一家に一台の時代に突入したもんで(あ、一部のPCコアユーザーさんたちはもちろんPCで遊んでたし、老舗のPCゲームソフトメーカーさんもいらっしゃるのでPCゲームソフトがなくなったとは言えないけどね。あくまでも比較論的な見方で考えるとってことで)、日本ではゲームと言えば「家庭用ゲーム機」向けになってしまったんです。
欧米では、部屋で1人で遊ぶならPCで、テレビに向かって遊ぶなら家庭用ゲーム機で、とか、子供が遊ぶのはTVゲームで大人が遊ぶのはPCでなどという住み分けはできていたわけで、リッチなPCゲームソフトで大きくなった欧米パブリッシャーたちも多いわけですね。実際に大手といわれる海外のゲームパブリッシャーたちは、現在でもPCゲームソフトの販売が中核になっているのですよ。
そんな中、日本発の家庭用ゲーム機が欧米で爆発的に出回り、日本でもTVゲームをするにあたって「ファミコンやろうぜ」といわれていたときに、欧米でも「ニンテンドーやろうぜ」という時代がやってきたわけですね。日本発の任天堂やセガ、後にソニーのハードウェアに向けていち早く対応した日本のソフトメーカーたちは、欧米でも評価され、日本発ソフトの黄金時代がやってくるわけですね。余談だけど、その当時からアメリカの流通は強くて(これまた第6回「最近どうよ?」を見てね)、日本の流通ではありえない返品とかマークダウンに悩まされた日本のメーカーも多かったとか。すべてが日本流を貫けたわけではなかったんですな。
そういう歴史の中で、日本のソフトメーカーさんはスペックフリーのPCではなく、ハードウェアのスペックに相当縛られた環境下でのソフト開発を余儀なくされたんだけど、ハード販売を牽引するすばらしいソフトがたくさん発売されたの。「出せば売れる」ってのは言いすぎだけど、スペックを限定されているにも関わらず、その限られたスペックの中で能力を最大限に利用することが得意な日本のソフトメーカーが提供するソフトはとても人気だったし、欧米のソフトメーカーに負け知らずの技術力だったのよ。
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