2度の挫折を経て「FFXI」にハマりつつある独身男性の物語(その7):ヴァナ・ディールをもう一度(2/2 ページ)
今までに体験したことのないバトルに挑戦!!
LSチャットの何気ない会話で、誰かが「ガリスンのキーアイテムを持ってるんで、皆で一緒にやりませんか?」と提案してきた。「ガリスン」とは自国が占領しているリージョンのアウトポストにいるガードに、対応するキーアイテムをトレードすると発生し、パーティーメンバーと専用のNPCと協力しながら、アウトポストに攻めてくる獣人を全滅させることが目的のバトルだ。提案した人はロンフォールのキーアイテムを、僕もたまたまグスタベルグのキーアイテムを持っていたので、「では2連戦としゃれこみますか!」という勢いで初ガリスンに挑戦することになった。
ガリスンはリージョンによって制限レベルが設けられており、ロンフォールとグスタベルグの場合は制限レベルが20。キーアイテムさえ持って入れば、プレイ時間が短い人でも比較的簡単に楽しめる。ただし、その難易度はかなり高め。もう次から次へと複数体の敵が現れるので、どれから先に倒していいやら……。何がどうなっているのか把握できず、メンバーが次々と戦闘不能になってしまった。
このときは1パーティーで挑戦したのだが、まったくクリアできる目処が立たずに両エリアともあえなく全滅。不幸中の幸いか、獣人を倒すとまれに落とすマネキンのパーツをロット勝負で入手できた。これはバザーで比較的高値で取引されているアイテムで、これで多少は懐が暖かくなるはずだ。バトルは完敗だったが、まあ良しとしよう。
己の無力さを痛感しながらも満喫できた初ビシージ
連続負け戦で不完全燃焼なのか、その流れで今度は「ビシージ」にも挑戦することになった。ほかのメンバーはビシージの常連なのだが、僕はつい最近にアトルガンに足を踏み入れた新参者だ。
ビシージが大人数が参加できる大型バトルで、現在のヴァナ・ディールで最も盛り上がるイベントの1つであることは承知している。まだアトルガンに辿り着けていない頃、僕を除いたLSのメンバー同士がしきりにビシージで盛り上がっているログを見かけ、その度に唇を噛みしめたものだ。
そんな苦渋の日々から早数カ月。僕もついにこの盛り上がりの輪に入れるときが来たのだ。当時はまだ傭兵になっていないので、「皇国軍戦績」も経験値も獲得できなかったのだが、戦闘不能になっても経験値が減らないというのを聞き、見学のつもりで参加してみることにした。
初挑戦のビシージは、とにかく驚きの連続だった。それまで見たこともない敵がこれでもかと言わんばかりに街中を徘徊し、プレーヤーに襲いかかってくる。そのどれもが「計り知れない」強さの敵で、まだレベル50にも満たない僕の攻撃なんてまったくヒットする気配がない。たまにヒットしてもダメージがゼロなのだ。その代わりに受けるダメージが大きく、何度も戦闘不能になったところをパーティメンバーに蘇生してもらうという、無駄にMPを消費させている事実……。しかしここまで無力だと返ってすがすがしい。これだけのパワーを誇る敵に拍手を送りたい気分だ。
それよりも一番驚いたのが、ビシージに参加しているプレーヤーの数。軽く数百人以上が勇猛果敢に敵を攻撃する姿は、何とも言えないカッコよさがある。そしてパーティを組んでいないメンバーに対しても、回復やサポートを怠らず協力し合っていて、連帯感というか、アットホームな感じがして微笑ましい。何の活躍もできなかったビシージだったが、ボリューム感は十分に味わった。「今度は傭兵になってから挑戦しようね」なんてうれしい言葉をかけてもらい、新たな目標ができたことに喜びを感じた。
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