新型「PSP-2000」徹底検証――機能編(1/2 ページ)
前回は新型PSP「PSP-2000」のハード面を中心にチェックしたが、今回は映像出力やワンセグ受信機能など、PSP-2000で追加された新機能を中心にチェックしていこう。
(※前回記事「新型『PSP-2000』徹底検証――本体ハード編」はこちら)
映像出力
新型「PSP-2000」の機能面での最大の特徴となるのが、TVへの映像出力がサポートされている点だ。そこでまず、PSP-2000の映像出力機能を詳しく検証していこう。
PSP-2000のクロスメディアバー(XMB)の「設定」メニューには「外部ディスプレイ設定」という項目が追加されている。ここで、映像出力に関する各種設定が行えるようになっている。
外部ディスプレイ設定に用意されている設定項目は、「映像出力切りかえ」、「テレビタイプ」、「コンポーネント/D端子出力」、「スクリーンセーバー」の4種類。
「映像出力切りかえ」は、文字通りPSP-2000の液晶または映像出力の切り替えを行うメニューだ。ここで映像表示先を切り替えることになる。液晶と映像出力の同時利用は不可能で、必ずどちらか一方での利用となる。また、映像表示先の切り替えはこのメニューから行うだけでなく、液晶下のディスプレイボタンを長押しすることでも可能。PSP-2000の液晶に映像が表示されている状態でディスプレイボタンを長押し(長押しの時間は5秒ほどとかなり長い)すると、液晶から映像出力へと切り替わる。逆に、映像出力を利用している状態でディスプレイボタンを押すと、液晶表示へと切り替わる(この場合はボタンの長押しは必要ない)。ディスプレイボタンによる映像表示先の切り替えはゲームプレイ中にも機能するので、ゲームプレイ中に表示先を変えたい場合でも、いちいちクロスメディアバーに戻る必要はない。
「テレビタイプ」では、映像出力のアスペクト比を設定する。用意されているのは「4:3」と「16:9」の2種類だ。また「コンポーネント/D端子出力」では、コンポーネント/D端子出力時の映像信号の種類を設定する。用意されているのは「プログレッシブ」と「インターレース」の2種類。プログレッシブに設定した場合の映像信号は480p(525p)、インターレースに設定した場合の映像信号は480i(525i)となる。「スクリーンセーバー」は、TVの焼き付き防止のために用意されているもので、映像出力を利用している場合のみ働く。スクリーンセーバーが起動するまでの時間を、5分間隔で最大15分まで設定可能だ。
映像出力利用時の解像度は、UMD VideoやメモリースティックDuoに保存されている動画・静止画を表示させる場合には最大720×480ドット、Web閲覧やリモートプレイ時には最大616×408ドット、そしてゲームプレイ時には480×272ドット(固定)となる。そして、ゲーム画像を出力させる場合には、プログレッシブでの出力が必須となる。そのため、TVでPSPのゲームをプレイするには、「D端子ケーブル」または「コンポーネントAVケーブル」を利用し、D2/480p入力に対応するTVに接続する必要がある。コンポジット出力の「AVケーブル」やSビデオ出力の「S VIDEOケーブル」ではゲーム画像の出力ができないので注意しよう。
さて、実際にTVへPSP-2000を接続してゲームを表示させてみたところ、やはり大画面でプレイできるのは非常に快適だ。TVで表示させたとしても、解像度は液晶表示時と全く同じなので、映像クオリティが向上することはないが、それでも大画面に表示されるPSPのゲーム画像はやはり迫力がある。
ただし、今回試した限りでは、ゲーム画像をTV側で全画面表示させることができなかった。TV側の表示設定をどのように変更しても画面中央部にやや小さく表示されるだけ(いわゆる“額縁”ができる状態)だったのだ。この原因は、おそらく解像度が480×272ドットのゲーム画面を480pの映像信号に合わせてアップスケーリングせず、オリジナルに忠実に出力しているためだと思われる。もちろん、映像の一部を拡大表示する機能を持つTVであれば、全画面に近い表示も可能だろう。とはいえ、そういった手間をかけることなく全画面でPSPのゲームを楽しめた方がいいのは言うまでもない。PSPのパワーを考えると、ゲーム画像を480pフルにアップスケーリングして出力するのは難しいかもしれないが、可能であるならば今後の対応を期待したい。ちなみに、クロスメディアバー表示時やUMD Video再生時には問題なく全画面表示が可能だった。
また、TV側の表示設定を、入力される映像信号を画面全体に引き延ばして表示する「フル」設定にすると、PSP-2000側で接続するTVのアスペクト比を16:9に設定しているにもかかわらず、ゲーム画像が横にやや引き延ばされたようにアスペクト比が崩れてしまった。今回は時間がなく、複数のTVで検証することができなかったため、今回利用したTVだけの現象ということも考えられるので、この点に関しては今後再度検証してみたい。
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