レビュー
2007年09月06日 15時21分 更新

「FFCC リング・オブ・フェイト」レビュー:

1人でもみんなでも遊べるFF――クリスタルを巡る楽しいマルチプレイをニンテンドーDSで (1/2)

最大4人同時にプレイできるアクションRPGとして好評を博した「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」。その続編がニンテンドーDSで登場した。DSを持ち寄れば4人で冒険することができ、やり込み要素も多い!

アクション性とマルチプレイが売りの“ファイナルファンタジー”

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 「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」(以下、FFCC)シリーズ最新作「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト」がニンテンドーDSでリリースされた。FFCCシリーズは“ファイナルファンタジー”の冠をつけてはいるが、正式なナンバリング続編であるファイナルファンタジー(以下、FF)シリーズとは一線を画す、外伝的なシリーズだ。

 その1作目にあたる「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」は、2003年にニンテンドーゲームキューブ用ソフトとして発売された。ゲームボーイアドバンスとの連動によって最大4人同時プレイができるという、RPGとしては面白い試みが盛り込まれた意欲作だった。正式なるFFシリーズでは、コマンド選択形式の戦闘が主流である中で、「FFCC」はアクションRPG寄りの戦闘システムを採用。FFシリーズではプレイの合間にプリレンダムービーを多用する傾向にあるが、「FFCC」ではプレイ中と同じ造形のキャラによるリアルタイムポリゴンでムービーが展開するなど、その内容やテイストは本家FFとは大きく異なっていた。

wk_070906ffcc02.jpg ニンテンドーDSでクリスタルを巡る新たな冒険に旅立とう!

 そんな独自の戦闘システム、ゲームボーイアドバンスとの連動などが好評だった初代「FFCC」に続くFFCCシリーズ2作目が本作だ。アクション性の高い戦闘システム、最大4人でのマルチプレイなどはしっかりと継承しつつ、ニンテンドーDSだからこそ実現した面白い要素がぎっしり詰まった作品に仕上がっている。

 ちなみに、Wiiで「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」というシリーズ3作目が発売されることが、既に発表されている。こちらもシリーズの流れをくんだアクション性の高いRPGになるのではないだろうか。今後の続報を期待して待ちたい。

軽快なアクション、マジックパイル、レイスアビリティで道を切り拓け

wk_070906ffcc03.jpg 敵の攻撃もバリエーション豊か。ブリザド、サンダーなどの魔法を使ってくる敵もいるので油断大敵だ

 ニンテンドーDSと言えばタッチペン! というくらいに、最近ではタッチペンだけでプレイできるゲームも増えてきたが、本作では基本的にボタン操作でプレイすることになる。十字ボタンでキャラの移動、Aボタンで攻撃、調べる、話す、Bボタンでジャンプ、Xボタンでアイテムの使用、Yボタンで物を持つ、置く、投げる、というのが基本的な操作だ。注目したいのはBボタンによるジャンプとYボタンによる物の扱い。これらがプレイのアクション性および(物の移動などによる)謎解き要素に直結していると言っていいだろう。Aボタンによる攻撃は、敵の方を向いてボタンを押すというシンプルなアクションで成り立っている。コマンド選択形式では味わえないアタック感を誰でも手軽に楽しめる戦闘が実現している。

 タッチスクリーン右半分に位置するポケットパネルには手に入れた魔石(使用することでどのキャラでも同じように魔法を使うことができるアイテム)や回復アイテムのアイコンがある。Xボタンで使用するアイテムを選択する際にこのポケットパネル部分に触れる必要があるのだが、前述したように基本的にはボタン操作でプレイするので、アイテム選択は右手親指でチョンと触れるというのがやりやすいだろう。


wk_070906ffcc04.jpg 魔石や回復アイテムは倒した敵から入手することが可能。使わずにいるとたまってしまって新たに入手できなくなるので、ほどほどに使用しながら進むといいだろう

 マジックパイルと呼ばれる“魔法の重ねがけ”も本作独特だ。これは複数のキャラに魔石を使わせ、その効果を重ねることでさらに強力な魔法効果を得るというもの。たとえば1人が敵にファイアをあて、重ねて別のキャラがファイアをあてるとファイラの効果が生まれる。そうなると3人のファイアを重ねればファイガになる、というのはFFファンならば容易に想像がつくだろう。その他の魔法も組み合わせ次第で多様な効果を生む。特にボス戦などでは積極的に狙っていきたいところだ。

 また、本作にはレイスアビリティという種族ごとに異なる能力があり、Rボタンを押すことで画面が切り替わり、レイスアビリティを発動できるようになる。種族は前作同様にクラヴァット族、ユーク族、セルキー族、リルティ族の4つが存在し、それぞれに特徴がある。

 クラヴァット族は、剣などの武器による近接攻撃を得意とするメインアタッカー。レイスアビリティ使用時は、下画面に見える敵をタッチすることで強力な一撃を与えることができる。

 ユーク族は、魔法による攻撃が得意な種族。基本攻撃が杖から発する魔法の玉(中距離攻撃)であるのに加えて、魔石使用時の魔法効果も高い。さらにレイスアビリティでは、ユーク族にしかできない特別な能力が発動する。フィールド上の要所要所に置かれているマジックヘッドというオブジェを見かけたらユーク族の出番だ。Rボタンを押してユーク族のレイスアビリティを発動させることで、マジックヘッドを利用した仕掛けを作動させることができる。仕掛けを作動させなければ先に進めない場合もあるので、ユーク族の存在は非常に重要だ。


wk_070906ffcc06.jpg リルティ族のレイスアビリティを発動すると下画面にポットの中身が表示される。この中をスライドして魔石を作ろう

 セルキー族は弓の名手。弓による遠距離攻撃で危なげなく敵を狙うことができる。また、ジャンプ中にBボタンを押すことで2段ジャンプが可能なので、他の種族では行けない高いところに楽に移動することができる。レイスアビリティ発動時は、下画面に見える敵をタッチすることで強力な矢を放つ。

 リルティ族は、不思議なポットを駆使して、魔石を作ったり、さまざまなアクションをすることができる種族。Aボタンを押し続けるとポットが出現し、ポットに入っての移動、特殊なタイル上での特殊なポット移動などが可能になる。またレイスアビリティは、ポットを使用した魔石の錬金。特定のオブジェの近くで発動させることで錬金の元素(魔石を作る材料)を吸収することができ、レイスアビリティ時に下画面に現れるポットの中をうまく“かきまぜる(タッチしてスライドする)”ことで魔石を錬成できる。


wk_070906ffcc05.jpg マジックヘッドはユーク族以外の種族には意味がないオブジェだ。仲間のユーク族に仕掛けを出してもらおう
wk_070906ffcc07.jpg 使用するレイスアビリティによってはSP(スキルポイント)が消費される。無限に使えるわけではないのでご注意を!

個性豊かでかわいいキャラクターたちによるシリアスな物語

 本作には大きく分けてシングルプレイとマルチプレイの2つがある。1人用であるシングルプレイでは、ユーリィとチェリンカというクラヴァット族の双子の姉弟を軸に、巨悪に挑む重厚な物語が展開する。

wk_070906ffcc08.jpg ユーリィ(右)とチェリンカ(左):クラヴァット族
本作の主人公である双子。好奇心旺盛で心優しいユーリィと、お転婆だけど繊細なチェリンカは、ケンカもするけど仲のよい姉弟だ。ユーリィとチェリンカは常に行動をともにするが、フィールド移動時はユーリィのみを動かすことになる
wk_070906ffcc09.jpg アルハナーレム:ユーク族
優れた魔法の技術を持っている。通称“アル”。ユーリィとチェリンカのことを生まれた頃から知っていて、いつも気にかけている。頼れる存在だ

wk_070906ffcc10.jpg ナッシュ:セルキー族
森で育った野生的で不思議な少年。周囲への危機察知能力に優れ、しばしばユーリィ達を助けてくれる。2段ジャンプで今まで行けなかったところも探索可能に
wk_070906ffcc11.jpg ミース:リルティ族
おっとりとして気は小さいが、芯はしっかりとしているミース。アル同様に双子をずっと見守ってきた。錬金術の腕前はかなりのものだ

 プレーヤーキャラたちは種族が異なるというのもあるが、それぞれ個性がハッキリと出ておりキャラが立っているという印象。フルボイスというわけにはいかないが、要所要所のイベント時にはしっかりとボイスが入ってくるのも物語への没入を助ける効果を上げている。あたたかみのある愛らしいキャラクター造形とは裏腹に、運命に翻弄され運命に立ち向かうシリアスなストーリーが展開する点も個人的にはとてもやり応えがあった。

 また、フィールド内に仕掛けられた謎解きの充実ぶりもいい。「ゼルダの伝説」シリーズなどを彷彿とさせる、アクションによって解かれる良質な謎解きがちりばめられているのだ。多少難しく感じることや、簡単すぎると思う部分もあったが、総じてほどよく手応えのある謎解きが配置されているという印象だった。

wk_070906ffcc12.jpg ワールドマップはアイコンを選択するシンプルなもの。行きたいところが決まったらそのアイコンをタッチ、もしくはAボタンを押そう。フィールドに入ることができる
wk_070906ffcc13.jpg 戦闘ができる各フィールドはそれぞれヒトクセもフタクセもある構造になっている。迷わないようにマップをチェックしながら進もう
wk_070906ffcc14.jpg フィールド内にはさまざまな仕掛けがあり、適材適所でキャラを切り替えながら進む必要がある。進めない…と思ったらキャラを切り替えてみよう

 本作における物語そのものはかなりコンパクトで、クリアまでにかかる時間はそう膨大ではない。しかしながら、倒した敵から手に入る素材アイテムの豊富さ、それらから生成できる武器、防具の多彩さ、などのやり込み要素もあり、クリア後の特典、2周目プレイを促す要素も用意されている。敵から入手した素材やレシピを使って生成できる武器や防具は300種類以上あり、装備することでちゃんと見た目が変わるので、着せ替え的な楽しさは底知れないボリュームになっている。シングルプレイだけでも、十分に遊び応えのある内容になっていると言っていいだろう。

wk_070906ffcc15.jpgwk_070906ffcc16.jpgwk_070906ffcc17.jpg 装備によって見た目がガラリと変わる。プレイの拠点となるレベナ・テ・ラの街には上記写真のようなお立ち台(キャラをアップで表示し自動的に回転してくれる)があり、キャラの見た目をじっくり楽しむことができるようになっている

wk_070906ffcc18.jpgwk_070906ffcc19.jpg 街の中には4つの店がある。おそらく最も多く利用するのは工房だろう。ここでは素材やレシピを使ってオーダーメイドの装備を作ることができる。同じ装備品でも武器屋で買うよりステータスが高いものが作れたりするのだ
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[仗桐安,ITmedia]

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