“ゲーム人口の拡大”戦略は第3のステップへ――任天堂岩田社長「任天堂カンファレンス 2007.秋」(4/4 ページ)

» 2007年10月10日 22時35分 公開
[今藤弘一,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

ゲーム熟練者にも、ゲーム初心者にも満足できる商品を

 岩田氏はまた、継続的なゲーム人口を拡大するためには、熟練者にも初心者にも満足できるソフト作りが大事だと語り、例としてニンテンドーDSソフト「ゼルダの伝説 夢幻の砂時計」を挙げた。「ゼルダの伝説」シリーズといえば、どちらかというと熟練者に受けるソフトと思われがちだが、岩田氏によると、「おいでよ どうぶつの森」や「Newスーパーマリオブラザーズ」以降ソフトを買っていなかったような25歳以上の人にも受け入れられたとのこと。「初動型ソフトとして思われていたゼルダが、長期間、安定して販売できるようになった。ゲーム初心者だけでなく、タッチペン操作のゼルダに不安を持っていたゲーム熟練者にも受け入れられた」(岩田氏)。

画像画像画像 従来よりも大人のユーザーが多く、女性比率が高くなっている

 このような流れを受け継ぐソフトとして、Wiiソフト「スーパーマリオギャラクシー」が紹介された。3Dアクションは初心者にプレイさせるのは無理だというのが業界の常識。操作がシンプルで3D酔いも少ない、誰でも遊べる3Dアクションゲームというのは長年の課題だった。加えて、常に新しい感覚と表現を追いかけるのは当然のこと。開発チームはこの2点の課題に真正面から取り組んで、結果として初心者にも熟練者にも満足のいくものとなった」(岩田氏)。

 なお本作では、難しく感じる人のために「アシストモード」が用意されている。2人同時プレイにより、1Pのプレーヤーを2Pのプレーヤーが助けることができるようになっている。「リビングルームで複数の人が参加する、新しい姿のマリオ」(岩田氏)。

画像画像

 また2008年春に発売される「マリオカートWii(仮称)」も、ハンドルで操作するようになっているのだが、これも初心者と熟練者の壁を取り壊すための仕掛けのようだ。「コントローラーを普段握らない人は少ないが、日常的にハンドルを握る人は多い」(岩田氏)。このため、Wiiリモコンをはめ込んで使う、ハンドル型のコントローラーが用意される。

 なお本作では、従来の四輪車だけでなくバイクも登場。ニンテンドーWi-Fiコネクションを通じた、12人の同時対戦をサポートする。課題であったマッチングのスピードアップも図られているとのことだ。

画像画像画像

「大乱闘スマッシュブラザーズX」は来年1月発売。「モンハン」も登場

 そして「大乱闘スマッシュブラザーズX」について岩田氏はまず「今回のスマブラは任天堂の歴史が詰まったようなソフト」と前置きしながら、「与えられたこういう機会を十分に生かすため、またそれぞれのキャラクターファンの期待に応えるため作り込んでいる」と語り、セガの「ソニック」があらたに参戦することが明らかになった。ただし当初の予定よりも遅れ、2008年1月24日となることも発表された(関連記事参照)。

画像画像画像 岩田氏からはオンライン機能について「対戦だけではなく共有もメインテーマ」という謎な言葉も

画像 カプコン稲船氏

 なおすでにお伝えしたとおり、シリーズの続編「モンスターハンター 3(トライ)」もWii向けに登場することが明かされた(関連記事参照)。カプコンの稲船敬二氏は「Wiiのコントローラーを使ってモンスターハンターを存分に楽しんでください」とコメントした。

 最後に岩田氏は、ゲーム人口が拡大したことにより市場が変化してきたプロセスについて、これまでの過程を振り返りながら、「nintendogs」や「脳を鍛える大人のDSトレーニング」、「DSお料理ナビ」といったソフト群でゲームの定義を拡大するとともに、ユーザーを拡大してきたと強調。「こうした市場の中で400万本を超すソフトも出てきた。しかもこれまでにないような状況で売れていく。普通であり得ないことが起こったのは、市場が変化して新しい需要ができたから」(岩田氏)。今年は「WiiFit」で、あらたな定義の拡大と、ユーザーの増加にチャレンジするとのことだ。

画像画像
※掲載されている画面はすべて開発中のものです


前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」